【第5話】ツーショットを断られるなんて…『明日、きみがいなくなる前に』

2020.07.25

『恋ステ』2日目。植物園と動物園が一緒になっている施設に集まったみんなは一斉に気になる異性をツーショットに誘う。琴葉(ことは)も廉(れん)を誘おうと声をかけようとするが、みくるに先手をうたれ、廉(れん)とのツーショットに行けなかった。その後も廉を誘うことができず、あっという間に二週目にはいり、このままじゃダメだと思った琴葉は勇気を出して廉をツーショットに誘うが……。『明日、きみがいなくなる前に』マイクロコンテンツ第5話をお届けします♡
※「AbemaTV『恋する❤︎週末ホームステイ』 短編ノベル・イラストコンテスト」受賞作品です。

「れ、廉君」
「琴葉?」
私の声に廉君が後ろを向いた。みくるちゃんもこちらを向く。
「あ、あのね。ツーショット、行きたいんだ」
「あー……」
けれど廉君は困ったように私と、それから隣に立つみくるちゃんの顔を交互に見た。そして。
「ごめん。俺、少しみくると話したいことあるから、あとでもいいかな」
「っ……」
断られた。
「そ、そっか! ごめんね、邪魔しちゃって」
「お、おい」
「今の忘れて! じゃあね!」
「まっ……」

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廉君が何か言おうとしているのはわかった。でも、私は一秒でも早くこの場所から消えたかった。
ツーショットに誘って断られるなんてきっと前代未聞だ。こんなの私に一ミリだって気持ちがないって言っているようなもんじゃない。
恥ずかしい、悲しい、辛い、痛い。
いろんな感情が溢れて心の中がグチャグチャになる。
こんなことなら好きだなんて気付かなければよかった。

「琴葉ちゃん!?」
「っ……」
逃げるように走る私に誰かが声をかけた気がした。でも、今は確認する余裕もなくて、その声を振り払うように走り去る。
「……琴葉!」
でも、そんな私の腕を、誰かが掴んだ。
一瞬、もしかして、なんて思ってしまう。でも、そこに立っていたのは――息を切らせた昴君だった。
「だい、じょうぶ?」
「大丈夫、だよ」
「じゃあ、どうしてそんなに傷ついた顔、してるの」
「っ……ふっ……うっ……うぅっ……」
昴君の優しい声に、せき止められていた涙が溢れていく。

こんな顔、見られたくない。
必死に俯く私の身体を、昴君が優しく抱きしめてくれる。そのぬくもりがあまりにも優しくて、私は昴君の腕の中で小さな子どもみたいに泣いた。

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「落ち着いた?」
昴君のその声で、私はようやく顔を上げた。そこには心配そうに私を見つめる昴君の姿があった。
「ご、ごめん!」
「いや、俺はいいけど……。何があったのか、聞いてもいい?」
昴君に手を引かれるように近くのベンチに座った私は、なんとか声を絞り出した。
「ツーショット、誘いに行ったんだけど断られちゃった……。みくるちゃんと、話したいから、って……」
私の言葉に、昴君が息をのむのが分かった。だから、私は心配かけないように慌てて笑顔を作った。
「で、でも仕方ないよね! そういうときもあるよ! 私がタイミング悪かっただけだから、だから……そんな顔、しないで」
私よりも辛そうな顔をした昴君が小さな声で「ごめん」と呟いた。
「なんで、昴君が謝るの……」
「なんて言っていいか、わからなくて……。琴葉ちゃんが傷ついてるのに、俺……」
「だいじょう、ぶだよ。だから……」

「琴葉」
昴君が私の手をギュッと握りしめた。

「もう、廉のところに行くの、やめろよ」
「昴、君……?」
「俺、琴葉がこれ以上傷つくところ見たくない。俺は……」

真剣な表情で言う昴君から目が離せない。握りしめられた手のひらは、痛いぐらいに熱かった。
「いや、ごめん」
でも、そう言うと昴君の手のひらは私の手から離れていく。
「今言うことじゃなかったね。……それに」
「え?」
「琴葉」
「っ……廉、君」

昴君につられるようにして視線を向けると、そこには廉君の姿があった。

▶︎【第6話】は7月25日13:00更新!

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作者:望月くらげ