宇垣美里さんにとって誕生月でもある4月は、特別なもの。学生の頃は同級生の中で先に歳をとる環境だった宇垣さんに、「年を重ねること」への胸の内を綴っていただきました。そしてQ&Aでは、新型コロナの影響で不安を抱える読者からの質問に、宇垣さんなりの解消法で答えていただきました。宇垣さんフリーアナウンサーとなり、次のステップへと歩みはじめた宇垣美里から見えている世界は、もしかしたら私たちとは少しだけ違うのかも。宇垣美里のエッセイ連載【私から見えている景色】

第十章 『春、前を向いて』
(一)
4月は私の誕生月。だから12ヵ月の中で、一番特別。
「他の同級生よりも先に年を取るってなんか嫌だよねえ」なんて、同じ4月生まれの人が言っているのを聞いたことがある。
確かに、学生の頃は新しいクラスになったばかりで祝われるのは、なんだか他人行儀で、もう少し仲良くなってからがいいなあ、なんて他の誕生日の人を羨んだこともあった。高校に至っては、創立記念日と誕生日が同じ日だったのでなんだか損した気分にもなった。
けれど、またひとつ年を重ねていけることを嫌だと思ったことは一度もない。

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それはきっと年上の友人たちの「人間なんて、ちょっと年取ったくらいじゃ変わらないわよ」「でも30歳超えたらいっきに楽になるよ」「40代はもっと楽しい」という台詞を聞いてきたから。
確かに、学生の頃より大人になった今のほうが、自分のやりたいことができて、ずっと楽しい。
とすれば、今より年を取れば、その分もっと自由になって人生が楽しくなるに違いない。
ああ、29歳も、30歳も、その先もずっとずっと楽しみだ。
そしていつか私も、後輩に「年を取ったらもっと人生楽しくなったよ」って太陽みたいな笑顔で言えるような、そんな素敵な先輩になりたい。

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宇垣美里にQ&A

Q. 新型コロナの影響で家にいることが多くて不安なことばかり考えて
しまいます。 宇垣さんは不安になった時にどうやって切り抜けますか?( ラーメン丸 女性)
「明日の特集乗り切れるかな?」とか、「
インタビューちゃんとできるかな?」とか、 そういったタイプの不安なら、 もう一度そのジャンルについて調べ直したり、 資料を更に追加して読み込んだりすることで対処ができる。 けれどなんとなく未来が不安、コロナどうなっちゃうんだろう?死ぬ時一人かな?みたいな対処のしようのない不安については、 考えるだけ無駄なので忘れるよう努力します。 本読んだり映画見たり、ケーキ焼いたり、寝たり!無駄なことに悩んで体力精神力削るほど、しょーもないことってないよ !おうち遊び満喫しよ!
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※イエローワンピース¥48000/ブライト ライト(ライト) フレアデニム¥13000/エドウイン・カスタマーサービス(サムシング ) ゴールドミュール¥6900/RANDA
Text:Misato Ugaki Photo:Kota Shouji Styling:Mana Kogiso(io) Hair&Make-up:NAYA Composition Mayuko Kobayashi