宇垣美里さんのエッセイ連載。今週は、4月から続くステイホーム期間中に宇垣さんがどんなことを感じ、どんな風に過ごしているのかを綴っていただきました。フリーアナウンサーとなり、次のステップへと歩みはじめた宇垣美里から見えている世界は、もしかしたら私たちとは少しだけ違うのかも。宇垣美里のエッセイ連載【私から見えている景色】

第十一章 『さなぎの期間』
(一)
今日も一日お疲れ様。
終わりの見えないトンネルのような毎日、袖を通さないまま、もう今年は着ることもないだろうスプリングコート、今日も誰にも会えなかった。
しょうがないと分かっている。誰のせいでもないことも、人生にはどうにもならないタイミングが、どうしようもないことがあることも。
それでも失ってしまった日々に想いを馳せると、少し疲れてしまうのは当然のこと。
だから、今日も一日お疲れ様。

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友達に会いたいけど我慢しました。えらい。家から出ずにおとなしく本を読んでいました。えらい。今日も私は元気です。えらい。
今日はとっておきのシートマスクを使おう。昨日も使ったけど、まあいいか。
スチームをしっかり浴びて肌をふっくらさせよう。導入美容液に化粧水、美容液にオイル、乳液、そして最後にクリーム。全部一番お気に入りのものを使おう。
香りが強いから普段は使っていなかったお気に入りのボディークリームを塗ろう。
そして、医療現場や交通機関や、様々なところで働き続けている友人や見知らぬ人たちの無事を祈って、不運にも病気にかかってしまった人の回復を願って、眠りにつこう。
私にはそれしかできないから。
不安がないと言えば嘘になるけれど、不安になってもしょうがないのだから、できることをするだけ。
私は私を甘やかす。精神を健康に保つために。
また走り出せる日が来た時に思いっきり全力を出せるように。

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宇垣美里にQ&A

Q. 宇垣さんのように自分を持って強く生きていきたいと思うので
すが、周りの友達が次々に結婚・出産していて、 現在恋人もいない自分に焦ってしまいます。 宇垣さんは結婚についてどうお考えでしょうか。(さかな 20代女性)
A.一生一緒にいたいなあ、
暮らしを共にして同じものを食べて生きていきたいなあと思える人 がいるのはとても素敵なことだし、 それは幸せなことだろうと思いますが、 その人との関係性が結婚である必要はないとも思っています。 異性である必要もなければ恋愛関係である必要もないかな、と。 私の周りもどんどん結婚していて、 ついに仲間内では私とあと一人しか独身がいないのですが、 割と予想できる未来だったのでなんも思ってないですね! 結婚したら幸せなわけでも、 独身が不幸なわけでもないですからね。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※花柄ワンピース/スタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kota Shouji Styling:Mana Kogiso(io) Hair&Make-up:NAYA Composition Mayuko Kobayashi