実際に起きた凄惨な事件に着想を得た映画『MOTHER マザー』で破滅的な母親を熱演! 女優デビュー20年目を迎えた長澤まさみさんが出演を決意した理由とは? また、現場の雰囲気や役作りなどの撮影裏バナシも大公開。最後に、「もし自由に遊びに行けるなら?」という質問にも答えてもらいました。
他人事で済ませられない考えさせられる物語です
“山の民の王”や“信用詐欺師”など、大ヒット作品で生命力に満ちたキャラクターを体現してきた長澤まさみさん。映画『MOTHER マザー』では、近年のイメージが一変。社会の闇へ堕ちていくシングルマザーの秋子という難役に挑戦している。実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て生まれた物語で、劇中には目を背けたくなるようなシーンも。
「子どもに向けてひどい言葉を放つシーンが多く、とても共感できる役柄ではありませんでした。でも、脚本をいただいた段階で、私はこの物語を他人事で済ましてはいけない気がして。やっぱり母親は子どもに計り知れない影響を与える存在だし、もしかしたら同じようなことが身近で起こっているかもしれない……。そんな視点で、親と子、人と人の関係性について、とても考えさせられる映画だと思います」
キャスト全員にシリアスな演技が求められる作品ながら、撮影現場は和気藹々とした雰囲気が漂っていたとか。
「子ども役の郡司翔くんや浅田芭路ちゃんに助けられましたね。本番中はしっかり集中して向き合ってくれるのですが、カメラが回っていないところではリラックスして一緒に遊んでくれたので。彼らが切り替え上手だったので、ひどいセリフを言うことの罪悪感が和らいだというか(笑)」
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その場しのぎの生活をおくる自堕落で奔放な女性を演じるため、役作りにおいては持ち前の圧倒的な健康美を封印する必要があった様子。
「ビジュアルに関しては、スタッフさんと相談しながら作り込みました。努力して綺麗になるのではなく、汚くなるほど褒められる、不思議な現場でしたね。そういえば、クランクイン前にはあえて家でダラダラ過ごす時間も作りました」
早く、安心して外出できる状況が戻ってきてほしい。今は、みんなと同じように長澤さんもウズウズしている。
「もし自由に遊びに行けるなら、翔くんや芭路ちゃんを連れて遊具がいっぱいある公園に行きたいですね。国営昭和記念公園とか。あそこ、サイクリングコースもあって、すごく楽しいんですよ。でも、その前に映画館に足を運びたいな。やっぱりスクリーンが大きいと迫力が違いますからね!」

「もし自由に遊びに行けるならやっぱり映画館に行きたいな」
シューズ¥72000/ヒラオインク(クレジュリー)、リング¥14000(人差し指)、¥21000(中指)/ショールーム セッション(マリア ブラック)
PROFILE
長澤まさみ(ながさわ まさみ)
1987年6月3日生まれ。静岡県出身。2000年に第5回『東宝シンデレラ』オーディションでグランプリを獲得。2003年には『ロボコン』で初主演を務め、第27回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。昨今の主な出演作は、映画『マスカレード・ホテル』『キングダム』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(近日公開予定)など。
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Photo:Jimi Franklin Styling:Maki Kimura Hair&Make-up:Mai Ozawa(modʼs hair) Interview&Text:Satoshi Asahara