避妊や生理痛を緩和する効果のある低容量ピル。最近ではオンライン診療での処方も増えてきて、興味がある! という人も多いはず。とはいえ、性教育に関しては完全に“後進国”と言われている日本では、多くの人がピル未経験。今回は、ピルの効果や種類についての基礎知識や、「飲むと太るってホント?」「市販されているものはあるの?」「生理痛への効果は?」などなど様々な疑問に対する回答をまとめてみました。さらに、気になる副作用などのデメリットや値段、アフターピルについてもご紹介。正しい知識を身につけて、自分の体を大切にしましょう♡
ピルについてViVi世代に質問!
Q.ピルを服用したことはありますか?

約8割の人がピル未経験。色々な噂があるから、怖くてチャレンジできないっていう声も多いけど、不安点を解消すれば自分に必要かどうかわかるかも。
ピルってどんなもの?
❝女のコが自力でできるほぼ確実な避妊法です❞
【知っておきたい、ピルの基礎知識】
▶︎どんな時に飲むの?
元々は避妊目的で作られた薬。女性ホルモンの合剤を毎日飲むことで排卵を制御します。生理痛改善や量の調節にも◎。
▶︎副作用はある?
飲み始めの1〜2週間は吐き気やむくみなどのマイナートラブルが起こりやすいですが、慣れてくることがほとんど。
▶︎値段は?
悩みに応じて処方されるため、病院ごとに値段は異なります。1ヶ月分1シート2000円前後です。
▶︎種類は?
ピルにはいくつか種類があり、生理前症候群に効果のあるものや、不正出血などの副作用が少ないものなど、用途によって使い分けを。
▶︎どこで手に入るの?
基本的には病院で処方。最近ではオンライン処方などの取り組みも進んでいるので調べてみて!
▶︎他の薬とは併用できる?
基本的に問題ないものが多いですが、ピルの効果が弱まったり、併用する薬の効果が強くなってしまうことも。医師に相談を。
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ピルを飲んでいると何がいいの?
A. 月経痛の緩和やPMSの軽減が期待できます
ピルを飲んでいると辛い月経痛が緩和されたり、生理前のイライラが抑えられたりします。また、生理周期や生理回数を調整することも可能です。それだけでなく、子宮内膜症のリスクも軽減されますよ!
飲み始めると太るってホント?
A. 2〜3kg太る場合もあるけど誤差の範囲内!
実際、医学的には問題ないとされていますが、2〜3kgぐらいの体重増加がある場合も。その増加が許せないというのであれば、飲まない方がいいかもしれませんが、第一線で活躍しているモデルさんでも服用している人はたくさんいることから考えても、そこまで心配する必要はないと思います。
コンドームを使用していれば、ピルを飲まなくても確実に避妊できる?
A. コンドームの避妊成功率は約85%です!
一般的な使い方(理想的な使い方ではなく)の避妊成功率は約85%。ということは、約15%が避妊に失敗しているということなんです。
それに対して、内服する低用量ピルによる避妊成功率は99.7%。女性主導で避妊できるのが魅力(性感染症の予防のため、コンドームとの併用が◎)で、とても高い確率で望まない妊娠を防げますが、毎日、忘れずに飲まなくてはいけないのが、ハードルが高いところ。“サプリを飲む習慣が定着しない”“風邪薬をもらっても途中でやめがち”という人にはなかなか難しいかも、というのが現実です。
ピルを飲むと妊娠しにくくなるの?
A. ピルを飲んだからといって、不妊にはなりません。
ピルが原因ではありません。2日間の飲み忘れで避妊効果が薄れるほどなので、将来妊娠できないなんてことはありません!
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アフターピルで確実に妊娠を防げる?
❝効果は高いけれど100%ではない。最初からアフターピルに頼って避妊しないというのはダメ。❞
【知っておきたい、アフターピルの基礎知識】
▶︎どんな時に飲むの?
本来、アフターピルを飲むのは、その名のとおり、緊急の場合のみ。「レイプをされた」「コンドームが途中で破けてしまった」というアクシデントに対処するためのものなのです。つまり、安易に繰り返し使用するべきものではありません。
▶︎副作用はある?
現在主流のノルレボという薬は、吐き気などの副作用も少ないというメリットがありますが、それでも副作用はゼロではありません。服用後に頭痛や吐き気、倦怠感、眠気など月経時に起こるような症状が続く場合には、ぜひ処方してもらった婦人科で相談を。
▶︎値段は?
自費になるため、お金はそれなりにかかります(アヴェニューウィメンズクリニックの場合は18500円 ※税抜)。
▶︎種類は?
以前は、避妊などに用いられる中用量ピルで代用していましたが、今はノルレボという薬が一般的。どちらもセックス後72時間以内に飲む必要がありますが、中用量ピルは2回飲まなくてはいけないのに対して、ノルレボは1回ですみます。
▶︎どこで手に入るの?
日本では医師がきちんと診察をして、薬の副作用などについて説明してから処方するのが基本です。日本はピル後進国であり、アフターピルについての情報周知も法整備も遅れています。現在、本当に困っている女性がもっと気軽に手に入れられるようにしようという動きが起こっていますが、まだ具体的には決まっていないのが実情です。
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アフターピルを服用すれば確実に妊娠を避けられるの?
A. かなり高い確率で妊娠を防ぐことはできますが、100%ではありません。
そのため、最初からアフターピルに頼って避妊しないというのはダメ。望まない妊娠をしないように、コンドームを最初から装着してもらう、ピルを毎日飲んでおく、ミレーナなどの避妊具をあらかじめ装着しておくなどの予防策をとりましょう。
また、アフターピルはあくまでも妊娠を回避する薬であって、性感染症は防げません。エイズやクラミジアといった病気を防ぐためにも、正しくコンドームをつけてもらいましょう。そして、望まない妊娠をして心身ともに傷つくのは、女性であるアナタ。そうならないように、彼ときちんと避妊について話してみることも大切です。
海外通販で安く買えるって聞いたけど、使って大丈夫?
A. 医師の処方なしでアフターピルを飲むのは、絶対にダメ!
アフターピルとは、緊急避妊薬のこと。日本では医師がきちんと診察をして、薬の副作用などについて説明してから処方するのが基本で、本来、通販で買えるものではありません。
それがクリックひとつでネット購入できてしまうのは怖い。個人輸入したバイアグラに代表されるED治療薬が、まったくの偽物であったり、成分の含有量が正しくなかったりで、最悪の例では、死亡したケースも報告されています。医師の処方なく海外通販などで購入するアフターピルには、それと同じ危険性があるのです! そういう薬を飲んだことによる不調は自己責任であると、きちんと認識しましょう。
セックス後、何時間までなら間に合う?
A. 効くのは72時間以内。早ければ早いほど◎。
セックスによって精子と卵子がくっついてできた受精卵が、子宮の内膜に着床することで妊娠しますが、アフターピルは、この受精卵の着床を防いだり、排卵を遅らせることで妊娠を回避するもの。一度、着床して妊娠したものをなかったことにするような効果=飲むだけで中絶するような効果はありません。その点はきちんと認識しておくことが大切です。
また、上記のように着床前に飲むことが大事なため、早ければ早いほど、妊娠の回避率がアップ。セックスしてから24時間以内で90〜95%ですが、48時間経過すると85%に落ちて、そのあとは75%ぐらいになり、平均で80%程度。
もし不安に感じたら、「明日の会社帰りに」なんて考えずに、できるだけ早く受診するのが賢明です。