“山P的なもの”を発信していく山下智久のViVi連載“P’s STYLE”。ドラマ「THE HEAD」の感想を伝えると嬉しそうに笑顔で聞いてくれる山P。海外で活躍しながらそれでもなお、挑戦を続ける彼が、いま大切にしているものとは。自分と向き合って見えてきたもの、教えてもらいました。
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インタビュー:PRIORITY
デニムをはいたの、かなり久々だな。形やデザインは好きなんだけど動きづらいイメージがあって。普段は着心地優先で違うボトムを選ぶことが多いかな。アメカジを着る機会が減っていたので、今日の撮影はすこし照れ臭かった(笑)。
僕は古着を滅多に着ないんだけど“着なくなった服”を後輩にあげることはある。現場で後輩と一緒になったとき「サイズが合いそうだな」「似合いそうだな」と思う服を何枚か持って行ってあげたりね。でも、それは頻繁にあることじゃないし、「山下古着店です!」というほどではない(笑)。どちらかというと、ひとつの物を大事にするタイプだと思う。
革ジャンもそうだし、時計もそうだけど、良い物を買えば一生使うことができる。家にあるギターも年に1回メンテナンスに出す。良い物は手入れしながら育てていく楽しみも味わえるしね。ファッションも洋服にハマり始めた中学生の頃は「あれも」「これも」といろんなアイテムに手を出したけど、今では自分の“定番”を大切にするようになったかな。
「今、欲しいと思う一生モノがあるか?」と聞かれたら、その答えは「ない」。基本、僕は物欲がなくて。欲しいのはいつだって、自分を成長させてくれる出来事やクリエイティブな時間。“物”よりも“経験”の優先順位が高いんです。
日々、人間は何百という選択と決断を繰り返して生きている。それをひとつでも減らすことで、無駄な時間がなくなり、より毎日を豊かに過ごせる。だからこそ、自分の中の優先順位を明確に、必要なものとそうじゃないものを取捨選択。
常にシンプルでありたいと僕は思っているんだけど、コロナ禍を経験して、それがさらに加速しているのを感じている。明日、何が起きるかわからない、時代が大きく変わろうとしている今だからこそ「自分にとって何が大切なのか」をちゃんと明確にしておきたいよね。
自分と向き合ったステイホーム期間。そこで改めて感じたのが「僕にとって大切なのは、お金でも地位でも名声でもなく、情熱と志を持ち挑戦し続けることなんだ」ってこと。とにかく、僕は勝ちたいんだよね。他人ではなく自分に。もはやそれが僕の生きるモチベーションになっている。
時間は全員に平等で、それをどう使うかが重要。だからこその“シンプル”。思考はもちろん空間もまた同じ。無駄な物がひとつ減れば動作も減る、時間短縮になる。部屋にあるものといえばソファーとテレビとテーブルと筋トレグッズ。僕の家、本当にシンプルですからね(笑)。
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『古着』
サスティナブルへの関心とともに、古着への注目度も高まりつつある今。アメカジスタイルに挑戦してみては?
山下智久
1985年生まれ、千葉県出身。Huluの世界規模配信大型ドラマ「THE HEAD」公開中。
Text: Miwa Ishii