27歳にして芸能生活25周年を迎えた俳優・神木隆之介が9月25日にアニバーサリーブック『おもて神木/うら神木』を発売。佐藤健や新海誠をはじめ、総勢30組を超える著名人のインタビューやメッセージが掲載され、類まれな演技力と、天性の人懐っこさで多くの監督や共演者を虜にしてきた彼の魅力が存分につまった書籍となっている。多くの人が”ほっとけない存在”と語るそのワケを探ってみると、みんなに幸せになってほしいと願う、愛情溢れる素顔があった。
『探偵学園Q』の現場で流血!? 知られざるエピソードも満載

──読み応えたっぷりなアニバーサリーブックとなりましたが、そもそもの発端はご友人からの提案だったそうですね。
企画者は高校の同級生なんですが、彼が書籍編集の会社に転職して、ある時カフェで「今、本を作れる会社にいるから、お前の本作りたいんだよね」って言われたのがきっかけです。
同級生だから半分遊びの延長で「俺らでなんかやってみない?」って感じで彼とカフェでどういう内容にしたいかとか、誰と会いたいか、誰からのインタビューが聞きたいかなど内容をつめていきました。
それをもとに彼が企画書を書いてくれて出版が決まったので、二人で立ち上げた企画です。
──多くの監督や共演者による“神木隆之介評”を読まれてどう思いましたか?
本当にたくさんの方にインタビューに協力していただいたんですが、大塚恭司さんのインタビューで『探偵学園Q』の現場の時に、はしゃぎすぎて角っこに頭をぶつけて流血したという話をされていたのですが、僕全く覚えてないんですよ。
そんなことがあったんだっていう新しい発見にもなりましたし、大塚さんが話してくれなければ一生世に出てこない話でもあったので、今まで雑誌の取材とかいろいろ見てくださっている方も新しい気持ちで読めるインタビューになっているかなと思います。
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──出演作についての思い出を神木さんが振り返るインタビューは、幼少期の作品から最近のものまで、すべてのエピソードがとても鮮明かつボリュームたっぷりでしたが、撮影期間の出来事や、役を演じる上で考えた事などはずっと記憶に残っているものですか?
もちろん断片的にですけど、強く覚えているものもたくさんありますね。
4歳のころにフリフリシェイクっていう飲み物のCMに出演していたんですけど、バニラとチョコとバナナ味があって確か僕がバナナ担当で。それがめちゃくちゃ美味しくて、よくお母さんに買ってもらっていたこととか。
ドラマのこともよく覚えています。『グッドニュース』のタイトルバックを撮った時に、僕が中居(正広)さんと鶴田(真由)さんを追いかけるシーンがあったんですけど、そこで転んでしまって、本来の絵コンテとは違う撮影をしたんです。転んだ瞬間のことは今でも鮮明に覚えていますね。
──ご自身の成長を出演作品で振り返る事ができるのは2歳から活動されている神木さんならではだと思うのですが、出演作を見返すことってありますか?
ほとんどないですね。オンエアや試写で一回は観るんですけど、結構それで満足しちゃうんですよね。
『桐島、部活やめるってよ』の時は、プロデューサーの方や共演した仲間たちと「映画館で観たいね」って話になっていたのでついて行ったり、『君の名は。』は、僕がただただ新海誠ファンなので、出演作としてではなく純粋に作品を楽しみたいなと思って観ましたけど、普段は流れてれば観るくらいで、自ら観ることはないです。
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小さい頃の山田涼介と“元・星野源”は必見!(笑)


──ちなみに、過去の出演作品の中から一つViVi読者に今おすすめするとしたらどの作品でしょうか?
『探偵学園Q』ですね。
──その理由は?
「小さい頃の山田涼介が見れるよ」っていう。あと「星野源も若いよ」っていう(笑)。星野さん刑事役で出てたんですよ。その頃は今の星野源じゃなくて“元・星野源”みたいな感じのビジュアルでした(笑)
──それはどちらも気になりますね(笑)。
書籍の中で、本心かどうかが声で分かったり、仲良くなれるかどうかを声で判断するなど、声や音に敏感と発言されていましたが、それは演じる上でも意識されていますか?
声の仕事をさせていただく時は、すごく気をつけています。「声や音って自分にとって大事なんだな」とか、「もっと感覚を研ぎ澄ませたいな」と強く思うようになったのは『君の名は。』の時ですね。
新海さんって音をすごく重視していますし、息遣いとか喋り方とかそういうことをもっと研究したいなって思うきっかけとなった作品です。
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みんなが幸せになるために、僕を利用してほしい
──吉沢亮さんからのメッセージに毎年誕生日の0時に電話がかかってくると書いてありましたが、親しい人の誕生日は記憶されてるんですか?
覚えている人もいますし、Twitterを見ていて気付いて連絡したり……。
あ、でも未だに山田涼介と志田未来の誕生日はどっちがどっちか覚えられないんですよね。毎年「どっちが先だっけ?」って確認しています(笑)。
あと、僕が毎年必ず誕生日に連絡を取っている人って言ったら岡本圭人ですね。高校生の頃は山田(涼介)、知念(侑李)、(中島)裕翔、岡本(圭人)と僕でよく遊んでいて、「あれ、俺ジャニーズだっけ?」、「俺JUMPに入っていいのかな?」ってよくふざけて話してました(笑)。
みんなも「いいよいいよ!」とか言って。一緒に歩いてる時は僕もジャニーズとして歩こうと思っていました(笑)。
──プレゼント魔というお話もいろんな方がされていましたね。
喜んでくれるのが嬉しいから、ついプレゼントをあげたくなっちゃうんですよね。自分が何か行動をしてそれに反応してくれるのを見るのがすごく楽しくて。
──神木さんが愛情深いから多くの共演者やスタッフの方々に愛されているんでしょうね。
愛情は深い方だと思います。みんなに幸せになって欲しいし、僕を利用してほしいんです。誰かが活躍したり昇格する手助けができたらいいなっていつも思っていますし、自分が引き合わせた人が仕事をしているのを見るのも嬉しいです。
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プライベートでは“叫んで楽しむ”⁉︎ 意外な一面も
──思い立ってお出かけするのがお好きなようですが、今一番やりたいことはなんですか?
ディズニーランドに行ってビックサンダーマウンテンで叫び続けたいですね。ずっと叫んでるんですよ僕。海底2万マイルでも叫ぶ。
──え、海底2万マイルでですか!?
はい。あの中で、「助けてくれーーー!」とか「うぉぉぉーーー!」とか叫んでます。
──誰よりも楽しんでますね(笑)。
楽しんでます。世界観に浸って(笑)。
──一緒に乗ったお客さんにびっくりされませんか?
振り返られますね。「何アイツ?」みたいな感じで。あと、前にビックサンダーマウンテンに乗りながら「中川大志ってめっちゃいいやつだよねーーーー!!」って叫んだこともあります。
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──え???(笑)
あとは渋谷で女の子二人組とすれ違う時に、友達と「そういえばさ、中川大志ってめっちゃいいヤツらしいよ!」ってでかい声で話したりして楽しんでます(笑)。
──それ神木さんって気づかれないんですか?
気づかれないです。中川大志って単語が無意識に入ってくると、その子たちが中川大志を検索するんじゃないかっていう目論見でやっています。
──サブリミナル効果ですね(笑)。
最後に、もし次にアニバーサリーブックを作るとしたら何年後ですか?
いや、多分もう出さないと思いますよ。今回で満足しました。
出演作品はあまり観ないと話しましたが、こういった振り返り方はすごく好きですし、何度も読み返したくなる本になったなと思っています。卒アルのような大事な一冊です。
PROFILE
かみき・りゅうのすけ
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。2005年、映画『妖怪大戦争』で主演を務め、『第29回 日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。以降、映画『桐島、部活やめるってよ』、『3月のライオン』、『君の名は。』(声の出演)など代表作は数えきれないほど。自身のYouTubeチャンネル、神木隆之介Official リュウチューブも随時更新中。
『おもて神木/うら神木』
【限定版】特装BOX入り/メイキングDVD付き ¥4500(税込み)
【通常版】スリーズケース入り ¥3000(税込み)■神木隆之介25周年アニバーサリーブック特設サイト
https://a.amob.jp/kamiki_25th/
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Model:Ryunosuke Kamiki Photos:Rana Shimada Hair&Make-up:MIZUHO(Vitamins) Styling:Go Momose