宇垣美里さんのエッセイ連載。10月のテーマは連載の中のエピソードでも度々登場している、“友だち”についてのお話を綴っていただきました。15年間共にすごしてきた高校時代からの友人は、宇垣さんにとって一体どんな存在なの? 長続きの秘訣は? 今週も宇垣さん自身の言葉で綴ります。宇垣美里の【私から見えている景色】

第十六章 『フレンドシップ』
(一)
高校時代の友達と、いまだに仲がいい。
月に1回は上京組で集まってごはんを食べながら近況報告をしているし、地元に残っている子とも、季節ごとに集まって旅行に行ったり、テーマパークに行ったり……。会話は年々指示語が多くなり、会話のキャッチボールがお互い暴投ばかりになりながらも、なぜか通じちゃうんだからおもしろい。
15〜16歳で出会ってからもうそろそろ15年が経ち、人生の半分を共にしたことになる。
これまでの道のりを知っているからこそ前提を話す必要もなく本題に移れて楽、な部分もあるだろう。今更相手の行動をジャッジしようとも思わないから、ただ肯定するだけ、というのもいい。

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特に私は相手に甘えて前提条件をとっぱらった略式な話し方をしてしまう傾向があるので、それでも分かってくれる友人たちには感謝してもしきれない。
それぞれ違う大学へ進み、職種も異なる私たち。結婚している子もいれば、母になった子もいる。
価値観や大切にしているものは少しずつ違ってきているのかもしれない。
コロナ以降、前ほど頻繁に会うことはできなくなった。
それでも、一番頑なで必死で万能感にあふれていたあの季節を共にした私たちは、いつだって互いの最高の味方になりえる。

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宇垣美里にQ&A

Q. ずっと好きな人がいます。
ですが彼は私にまったく興味がありません。30歳で、 まわりは幸せそうで孤独を感じます。 好きな人に振り向いてもらえないとわかってる時、 宇垣さんはどうしますか?(あい 30代女性)
A. 私は私の魅力がわからない人のことをあんまり好きだと思えないの
で……。なーんだ見る目ないんだなあ次いこ次! ってすぐ切り替えちゃう。 自分に興味ももってもらえない人を思い続けるって結構辛い。 ある種の執着がなきゃ頑張れない気がする。お腹いっぱいの人に弁当は売れないし、 寒い土地へ行く人にノースリーブは必要ない。ただ、 その人にとって私は必要でなかっただけ。 いらない人にもらわれるほど悲しいことないですからね。 振り向いてもらえたところで果たして幸せになれるのかな? って思わないでもないです。 案外他のことして楽しそうにしてたら、 彼が気づいてくれることがあったりもするので、 振り向いてこない人はほっといて、 趣味でも美容でも仕事でもなんでもいいから楽しいことに熱中しま しょう。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※Tシャツ、パンツ/全てスタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kisshomaru Shimamura Styling:Ruri Matsui Hair&Make-up:Miho Matsuda Composition:Mayuko Kobayashi