もはや国民的アニメである「鬼滅の刃」・主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)の勇姿を“声”で表現してきた花江夏樹さん。待望の劇場版が公開される本作に込めた想いとは?
「喉、大丈夫?」と心配になるほどみんな本気でした
——空前の社会現象を巻き起こしている漫画『鬼滅の刃』の“無限列車編”を描いた劇場アニメーションが完成! 映像や音響のクオリティの高さはTVシリーズで証明済み。主人公の竈門炭治郎を演じた花江夏樹さんも、並々ならぬ熱量を注いだ様子。
「今回の舞台は列車ということもあって、騒音が多い中で戦うシーンばかりで。炭治郎は基本的に声を張り上げていたし、感情が揺れ動くシーンも多かったので、アフレコでは『気持ちを優先していこう!』と思っていたんです。僕以外の声優の方々も同じことを考えていたようで、全員で高め合って収録することができました。『喉、大丈夫?』と心配になるくらい、みんな本気でしたね(笑)」
——現実の世界でも人々が困難に直面している今、劇中で“鬼”に立ち向かい続ける炭治郎の姿は眩しく見える。激動の2020年を最後まで走り抜けるための活力をチャージできる作品だ。
「炭治郎の『諦めない強い意志』を、僕は尊敬しています。彼は基本的に前向きなんですよね。くじけそうになっても、妹と家族のために、鬼と戦い続ける。僕も炭治郎役を演じるようになってからは、ちょっと大変なことがあっても、彼の勇姿を思い出して、『もうちょっと頑張らなきゃな』という気持ちになれます。いつも炭治郎に励まされています」
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——プライベートにおいても、花江さんは逆境から刺激を受ける体験に飢えているのかもしれない。チャンネル登録者数160万人以上の自身のYouTubeチャンネルでは、ホラーゲームを実況する動画を多数配信。プレイ中に絶叫を響かせることもあり、それこそ「喉、大丈夫?」と心配になる。
「やっぱり好きなんですね、ホラーゲームが。怖ければ怖いほうが、ゲームの世界に没頭できるじゃないですか。そうやって非日常を味わえることがエンターテインメントの醍醐味だと思うんです。驚かされることが苦手な部分もあるんですけど、どれだけ叫んでしまっても仕事に支障はありません。僕、けっこう喉が強いので、一晩寝ればだいたいコンディションが整うんですよ。もしかしたら炭治郎に鍛えられたのかもしれませんね(笑)」

1991年6月26日生まれ。神奈川県出身。2011年、声優デビュー。出演作は、「鬼滅の刃」(竈門炭治郎役)、「東京喰種トーキョーグール」(金木研役・佐々木琲世役)、アニメ「四月は君の嘘」(有馬公生役)など多数。テレビ番組「おはスタ」(テレビ東京系)でメインMCを担当。

©吾峠呼世晴/ 集英社・アニプレックス・ufotable
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Photo:KOBA Styling:Yuya Murata(SMB International.) Hair&Make-up:Yui Kato(Hair&Make-up fringe) Interview&Text:Satoshi Asahara