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本来「さようなら」は別れを受け入れる言葉、宇垣美里はその言葉を伝えることができない

2020.11.12

宇垣美里さんのエッセイ連載。11月は“言葉”をテーマにお届けしています。今週は、別れの挨拶でもある「さようなら」にまつわるエピソードを、宇垣さん自身の経験や思い出を振り返って綴っていただきました。日本語の「さようなら」には、「ばいばい」や「またね」とは全く違う強い意思を含んだ意味がありました。宇垣美里の【私から見えている景色】

第十七章 『ことだま

(二)

“さようなら”という別れの挨拶は本来「左様なら」と書く。
どうしたって2人がここから道を違えてしまうのならば、“そうであらねばならぬのなら”しかたない、そう別れを受け入れる言葉、なんだそうだ。

Good byeと相手の無事を神に祈るでもなく、再見とまた会うことを匂わすでもない、たださっぱりとした諦めと決然とした意志を含んだこの言葉を、私はちゃんと人に伝えられたことがない。

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突然この世を去ってしまった大切な人に「また後でね」と言ったことがあった。もう二度と会えないという事実を受け入れたくなかったから。

お互いのためにもう二度と会うまいと誓った相手にすら、「元気でね」としか言えなかった。その人のいない自分の人生がどうにも想像できなかったから。

きっと覚悟が足りなかったんだと思う。腹をくくって終わりを決めることで何かを失い、その事実を背負うことは、ものすごいパワーを必要とする。
でも、その喪失を受け入れないと得られないもの、行けない場所があることも、ちゃんと知っている。

人生は出会いと別れの連続だ。これが最後になるなんてわからないまま、遠ざかってしまった人もいる。
けれどせめて自分の選んだ別離のときくらいは、ちゃんと“さようなら”したいな、と思う。

言えるだろうか、自信はまだ、ない。

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宇垣美里にQ&A

Q. コロナ禍が続く中、好きなことが制限され、せっかくコスメを買ってもマスクで隠さなくてはならない。そんな世の中に嫌気がさしてきました。宇垣ちゃんは毎日、どのようにしてコスメ集めやメイクを楽しんでますか? やっぱり可愛くメイクできた日は誰かに見せたくてたまらない!って気持ちになります。(いろは 女性20代)

A. うーーん。私はもうメイクして完成した姿を鏡越しに見たら満足なんですよね。人に見せたいという気持ちが微塵もない……。なので、家出る前にマスクして結果メイクの全部を見てもらえなくても全然平気! でもマスクに着いちゃうから口紅塗れないのはちょっと寂しいかな人によってメイクするモチベーションとか理由はそれぞれだとは思うのですが、案外自分のためにすると楽だし自由なのでおすすめです。あまりにもメイクがうまくできて誰かに自慢したい時は妹にどっさり自撮りを送りつけます。迷惑だろうな。笑

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宇垣 美里(うがき みさと)
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。

宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg

宇垣美里『私から見えている景色』 連載一覧

※白ワンピース/スタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kisshomaru Shimamura Styling:Ruri Matsui Hair&Make-up:Miho Matsuda Composition:Mayuko Kobayashi