SKY-HIさんが読者のお悩みに漫画を紹介しながら答える「SKY-HIの漫画人生相談室」。第1回は、禁断の恋に関するお悩み! とっても難しい相談にSKY-HIさんがセレクトした漫画は意外な1冊でした!
【相談】
みい さん(14歳 女性)
相談です。私は禁断の恋をしてしまいました。相手は学校の先生です。しかも既婚です。
好きになって1年以上経っています。その先生とは仲が良くて話す機会もそれなりにあります。
ですが、好きになってはいけない相手なので諦めなければいけません。
でも、なかなか気持ちが冷めないのです。むしろどんどん好きになっています。どうすれば良いですか?
【回答】
お便りありがとうございます、答えさせていただきます。
とは言っても、先に断っておかなくてはならないのが、今からお話する事や紹介する漫画は、今回みいさんが仰る事に対して直接的な解決に結びつくものでは無いかもしれません。
がしかし、“気持ちとの向き合い方”のヒントになれば、と思い、比較的あなたと近い事象も描かれたこの漫画を紹介します。

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『ここは今から倫理です。』ⓒ雨瀬シオリ/集英社
『高校教師』や『鈴木先生』の様に、先生と生徒、といった形の恋愛(?)を要所で描いた名作というものはありますし、それを読めば登場人物の葛藤にみいさんも自身を少なからず投影してエモーショナルな気持ちになれるかもしれません。
が、“切ない”“やるせない”“胸が苦しい”といった気持ちは、もちろん美しい物ですが、度を超えると普通にきちーと思います。リアルタイムで当事者であるみいさんにとっては尚更かもしれません。
そんな中、『ここは今から倫理です。』では…というか倫理という科目の中では、その“辛い気持ち“に対して、「マジきちー」とか、「つら」とかではなく、きちんと名前をつけてあげます。
高柳先生という、マジでアンニュイでセクシーでいつもハイネック着てる男性教師が主人公なのですが、
彼は“いじめ”“嫉妬”“恋愛のこじれ”、最近だと“SNSの裏アカ”なんてまぁ事実学校であるであろう悩みに対して向き合う際、
「決まりだからダメ」「悪いって決まってるのは悪いこと」
みたいな叱り方は決してしませんし、
「きっと情熱があれば大丈夫」みたいに力業で押し通す事もありません。

ⓒ雨瀬シオリ/集英社
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先人達…過去、一人で「生きるとはなにか」「死とはなにか」「男とはなにか」「女とはなにか」などを考え抜くことに命を費やした哲学者達の言葉を用いて、生徒達の心に直接触れていきます。
そう、彼の言葉を借りるなら、倫理とは
「人の心に触れ、自分の心に触れてもらう授業」です。
正直、今回のみいさんの場合、片思いの相手が学校の先生で既婚者、という送っていただいた情報からだけで判断すれば、その恋愛が上手くいくことはほぼ無いと思います。先生と仲良くなれど、楽しいことと同じくらいつらいことが増えると思います。
というか言ってしまえば、今回に限らず全ての恋愛、っていうか生きているだけでも、
さまざまな「つらい」「きつい」「無理」とは付き合っていかなきゃいけないのは事実です。
そういう時に、ただ「つらい」だけで蓋をしたり嫌悪したりするのと、
つらい気持ちになっちゃった自分や自分の心に寄り添って一緒に生きていく事、
どっちが人生イイ感じでイケるかは割と一目瞭然かと思います。
そしてつらい気持ちに寄り添う、言語化する…なんて、中々簡単なことではないと思いますので、そういう時に何百年も前からみいさんと同じように悩んで悩んで悩み抜いた人が必死で生み出した言葉の力を借りるのはとても良いことだと思います。
哲学者達も、何百年も先の極東の国の少女の力になれたなんて事があれば、悩み抜いた甲斐がある…かもしれません。
っていうか、時代を超えて心を支えてもらうってのはそれ自体が結構ロマンチックな気がしますね。
…話がそれましたが、禁断にしろ何にしろ、本気で人を好きになっている時のエネルギーは決してバカに出来たものではないので、成否は一旦置いておいて、まずは利用して成長してしまえばいいと思います。
というわけで、第一話で高柳先生が引用していた言葉でこの相談を終えたいと思います。
「愛こそ貧しい知識から豊かな知識への架け橋である / マックス・シェーラー」

ⓒ雨瀬シオリ/集英社
お体とお心にお気をつけて良くお生きください。
それでは。

ⓒ雨瀬シオリ/集英社
SKY-HIさんオススメの哲学マンガ『ここは今から倫理です。』
試し読みはコチラから!
さらに、YouTubeにて動画「全くタメにならない漫画人生相談室」の第2弾も公開中!
https://youtu.be/p23meLT2VWk
ぜひご視聴ください!
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