「コンドーム付けずに中出しセックスしちゃった」「生でSEXしても外に出せば妊娠しないでしょ」「アダルトビデオでもやっているから避妊しなくてもリスクも危険性もない」なんて勘違いしている子もまだいるのでは? 今回は、セクシー女優としてデビューして以来、約750本ものAVに出演してきた澁谷果歩さんが『AVについて女子が知っておくべきすべてのこと』(サイゾー)を出版されたということで、AV撮影の舞台裏やセックスのこと、生中出しや性病の怖さ、リアルな恋愛事情など……“あんなコト”から“こんなコト”まで気になることを全部聞いちゃいました♡

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セクシー女優さんって、プライベートでもたくさんセックスをしているの?
■初体験は23歳
実は私、初体験がちょっと遅くて23歳だったんです。18歳のときに、はじめて男性器に触れる機会はあったんですが、その後5年間はお口と手だけでやり過ごしていました 。
そしてその間、自分が処女だということを周囲には隠していましたね。エッチな話題になったときに経験がないことを笑われるのが怖かったんです。いわゆる「処女コンプレックス」というやつかな。
やっぱり初体験は、ちゃんと私のことを愛して、大切にしてくれる相手としたいと思っていたので、そこに至るまでじっくり時間をかけました(笑)。
■ビッチ期に突入!
ただその後、仕事のストレスを発散しようと「ビッチ期」に突入! 今思うと、上司に怒られてばかりで、手っ取り早く承認欲求を満たそうとセックスに走っていた状態だったのかな、とも思います。
細かな経緯は本にも書いたのですが、アダルトグッズのモニターのバイトをしようと事務所に足を踏み入れたのがAVデビューのきっかけ。ちなみに、そのとき既に経験人数は47人に上っていました。
最初からセクシー女優になろうと思っていたわけではなかったので、色々悩みましたが、「友だち100人できるかな」の感覚で、AV現場で100人を目指そう!とデビューしました。それからは現場でもプライベートでもセックスをたくさん経験したので、今は「そろそろ本当の恋愛をしたいな」って思っています。
実は私、これまで男性は性的な目でしか見たことがなくて、ひとりの人間として男性を好きになった経験がないんですよね。特定の大切な彼氏がいなかったからこそ、セクシー女優時代に制約もなくのびのびとお仕事ができていたのだとは思うのですが……。
■プライベートでのセックス事情
セクシー女優時代は、プライベートではワンナイトも多かったし、AVでやるようなことをリクエストされたら、「澁谷果歩」としての評判が落ちないようにと極力応えるようにしていました。AVだと女性が積極的にリードする演出も多いせいか、「今日は俺にしたいことを何でもしてくれて構わないよ」というマグロ男もいました(苦笑)。
そんな苦い経験も経て、最近はかつてのように手当たり次第セックスをするようなこともなくなりました。というか、気づいたらかれこれ1年ぐらいキスすらしていない!
今は生活やお仕事で満たされているので、それでもいいやってどこかで思えているのかも。実はひそかに気になる人もできたんです♡ 今後はひとりの人とじっくり向き合って、お付き合いができたらいいな〜と思ってます。
そんな澁谷さんが「セックスについてこれだけは知っておいてほしいこと」を語ってくれました。

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セックスについてこれだけは知っておいてほしいこと
■ずばり「避妊」!
実はAV業界でも「できちゃった婚」をしている人って結構いるんです。「コンドームをつけてなくても外に出せば大丈夫でしょ」と思っている人って意外と多いんですよね……。
あと「低用量ピルを飲んでいるから大丈夫」と言っている人もいましたが、ピルも一定期間、継続して飲み続けないと効果がないものだから「2〜3日、飲んでいたから大丈夫だと思っていたけど妊娠しちゃった……」というケースも聞きました。
「外に出せばOK」なんてことは絶対にないし、そもそも「安全日」なんてエロ漫画やAVの世界の言葉。男女ともに「そんなものはない!」って思っておくべきなんです。それに、性病だって避けられないわけですし。
■コンドームをつけてもらうためにできること
ただ、「エッチの最中、雰囲気を壊しそうで“コンドームつけて“とは言いづらい」と思う人の気持ちもよく分かります。なにを隠そう私もそのひとり(苦笑)。
相手が高まっている状態だと言いづらくて、「後でアフターピルでも飲めばいいか」なんて思っちゃったりしていました。でも最初にちゃんと言わないと、そのまま中でフィニッシュしようとする最低な人もいるから……。
自分の身を守るために、やっぱりコンドームは大事! ということに気づいてからは、「オカモトゼロワン」という0.01ミリ台の極薄コンドームを持ち歩くようになりました。
「ねえ、これ使ったことある?」「すごいんだよ〜」とコンドームをつけるようカジュアルに提案してみるのがオススメです。
それでも「ゴムはつけないで、エッチしたい!」と言い張る男性とは、その後の関係も含めて考えたほうがいいと思う。自分の快感を優先して、女の子の身体への配慮がない男性なんて、その他の場面でも色々とトラブルが起きそうなことは想像つきますからね……。
そしてこれは私の経験なのですが、コンドームをつけずにナマでエッチをする撮影を頻繁にしていたころ、しょっちゅう風邪を引いていたんです。セックスは一番デリケートな粘膜を相手に晒す接触行為、やはりナマのエッチはそれだけ身体に負担がかかるものだなと実感しましたね。
また低用量ピルに関しては、個人的には乱れたホルモンバランスを整えるための治療薬として使用するべきだと思うので、避妊目的だけで服用することには違和感があります。
女の子には、もっともっと自分を尊重して、「自分ファースト」になっていいよ、と強く伝えたいと思います。
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AVのフィクションとリアル
【潮吹き】
AVではよく見る「潮吹き」のシーン。あれって気持ちいいの? とよく聞かれますが、そもそも潮吹きはデフォルメされたAVでの表現。
女性の絶頂って、わかりやすく「イク=射精」という男性とは違って目に見えないですよね。そこで、見ている人にいかにわかりやすく女性の「イク!」を映像で伝えるかを考えた末に編み出された「表現法」なんです。いわば漫画みたいな表現だと思ってもらってよいと思います。
AVの撮影現場で潮吹きをするシーンの前には、女優さんはカメラが回る直前まで大量のお水を飲んでスタンバイしているんです。今思えば危険すぎる量だけど、1回に2リットルなんてザラでした。水だけだと、そこまでたくさん飲めないからスポーツドリンクを水で割って飲みやすくしたり、色々な工夫をしているんです。
女優さんの中には膀胱炎になったり水中毒になったりした方もいました。潮吹きって、それだけ身体に負担がかかるものなんです。
たとえ「セックスを見せるプロ」といえども、そこまで危険を冒さないと派手なパフォーマンスはできません。それを普通のカップルがするのは無理があります。男の子は女の子に潮吹きさせようとしないでほしいし、女の子も無理してそれに応えようとしてはダメ。これは声を大にして言いたいですね。
【中出し】
潮吹きに次いでAVで多いのが、膣内でのフィニッシュの「中出し」と呼ばれるプレイです。もちろん撮影時にはリスク対策をしっかりしていて、性感染症を予防するために検査も義務化されていますし、女優さんはピルを飲んでいます。そして身体への負担やリスクも大きくなるので当然、出演料も上がります。
男性って膣内射精に憧れがあるのか、エロ漫画でもこの手の表現はものすごく多いんですよね。でもAVの現場でも徹底的に対策を講じた上で行うプレイなので、当然、軽い気持ちで行うのは危険! 「AVでやっているから」と妊娠を望んでいないカップルも同じようにしようとするのは絶対にやめてほしい。
最近ではAVの現場でも、中出しの撮影には検査の手間や予算がかかったり、NGにしている出演者も多いことに加え、昨今はなにかと規制が厳しくなっていることから、実は作りものの精液で行うことが大半なんです。現場では「擬似(ぎじ)」と呼ばれるものですが、その擬似のマニアックな(笑)作り方については『AVについて女子が知っておくべきすべてのこと』に書いたので、興味がある人はチェックしてみてください♡

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気分を盛り上げるために撮影現場でしていたこと
エッチな気分になる方法は人それぞれ
AVの撮影前、どうしても気分が乗らなくなってしまう日もありました。私は自分の体にコンプレックスがあったので、プレイの一つとして「このだらしない乳が!」とか言われたときには、撮影中にもかかわらずテンションが下がってしまったこともあります。相手からすると、撮影を盛り上げようとして言ったアドリブの台詞なので、ただただ我慢していました。
でも仕事じゃないなら、イヤなときは正直にイヤと言うべきだと思います。プライベートでも、男性とのエッチの最中に「気持ちいい」と言ったら、急に相手のドSスイッチが入ってしまい、「“気持ちいいです“だろ」ってオラついてきて(苦笑)。だんだんエスカレートして、怖くなってきて、思わず泣いてしまったこともありましたね……。
男優さんがなかなか元気にならないこともあって。これを業界用語で「勃ち待ち(たちまち)」と言うのですが、そういうときにはお口や手を使って助けてあげるんです。
とある男優さんの場合は、「ハグして」と言ってきたこともありました。
要は、エッチな気分になれなくても、まずはお互いの優しいぬくもりを感じること。そうやってリラックスすることから始めてみることが大事なのかな、と思います。そのときに、自分がどこを触ってもらうと気持ちいいのか、どんなことをして欲しいのか、相手に素直に伝えられたらいいですよね。
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なかなかイケない人に伝えたいこと
気にしないで!
これはよく聞くお悩みですが、私の場合、セックスでイケるようになったのは経験人数が8人ぐらいになった頃でしたね。セックスでイケるかどうかは、相手のサイズや動き方、身体の相性や体調にもよるから、セックスでイケないのは「自分がおかしい」から、なんて思わないで。
個人的には、セックスでは「相手がイケばオッケー!」と思っています。自分がイケなくても、ひとりエッチのときにイケばいいし(笑)。そこをプレッシャーに感じながらセックスするより、相手に喜んでもらえることを第一に考えているほうがお互いに楽しめると思います。
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最後に伝えたいセックスのこと
これを読んでくださっている方の中には、好奇心で、色々エッチなことをやってみたい、という人もいると思います。興味を持って、自分が責任を取れる範囲で行動するのは決して悪いことではないと思いますが、今の私から言えるのは「避妊や性病には気をつけてね」ということ。
私は今まで妊娠したり、性病にかかったりすることもなかったし、AVの現場で体調を崩すこともありませんでした。でもそれは単に運がよかっただけ。
もちろんAVを見て、彼とのエッチな雰囲気作りに役立てたり、楽しんだりすることは大賛成! でもAVの内容をそのままマネをしたり、そこで女優さんがしているテクを学ぶことはしないで。
あくまで、健康に関して「自分ファースト」でセックスを楽しむ人が増えていったらと願っています!
もしも、AVのセックスシーンがどうやって撮影されているのか、モザイクの向こう側に興味が湧いた人は、『AVについて女子が知っておくべきすべてのこと』をぜひ手にとってみてください。

Photos: Mitsutoshi Watanabe Text: Akemin
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