宇垣美里さんのエッセイ連載。2021年の第一回目のテーマは、宇垣さんがこれまで「挑戦」してきたことについて綴っていただきました。今回は、2020年最大の挑戦だったと語る、愛犬の存在について。宇垣美里の【私から見えている景色】

第十九章 『何かをはじめるということ』
(一)
2020年の最大の挑戦は“犬を飼うこと”だったように思う。
ずっとずっと飼いたかったけれど、家にいられる時間が長いとはいえないことや、泊まりの仕事だって時にはあること、そもそも犬を飼ったことがないこと、様々な理由を見つけては自分に言い訳をして、諦めていた。
ひとつの命の責任をとることが怖かったのだ。今思えば、何をそんなに怖がっていたんだろう。

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家に帰るとしっぽをちぎれんばかりに振って喜んでくれる生き物がいるだけで、その日一日の疲れがチャラになる。心配だったしつけもうまくできたみたいで、とても大人しくて聞き分けの良い子に育った。
犬が体調を崩すと仕事が手につかなくなるし、ティッシュをずたずたに切り裂いて家中に振り撒かれた時は言葉を失ったけど、それでもこの子と過ごせる毎日が大切でしかたがない。
自分にはできない、と思っていることも、飛び込んでしまえば、なんてことなかったりするものね。これからはどんなことでもチャレンジできてしまいそう。
守るものがある私は何にも負けないほどに強いのだ。
愛犬と一緒なら、多分火星にだって住めちゃう。

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宇垣美里にQ&A

Q. どうしても眠れない時どうやって対処しますか?(ハルカ 20代女性)
A. えー寝ません。眠れないなら起きとけるじゃあーんって思って考え事したり、本読んだり、ラジオ聴いたりします。義務になるとなんだか難しいのに、諦めて他のことしてるといつのまにか寝落ちてる、ってあるあるですよね。勉強とか宿題とか掃除と一緒。二、三時間睡眠が減ったところでそんなに支障きたさない、意外と。眠れないなあって思いながらぼんやり月明かり眺めてる時間、結構好きです。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※ワンピース(参考商品)/ESTEEM PRESS(naokitomizuka)
Text:Misato Ugaki Photo:Kisshomaru Shimamura Styling:Ruri Matsui Hair&Make-up:Miho Matsuda Composition:Mayuko Kobayashi