「実はイクってよくわからない」、「妊娠しないか不安……」、「私のカラダって普通じゃない?」など、性のお悩みは様々。今回は、インスタグラムで募集したSEXにまつわるお悩みに、産婦人科の先生が回答! 自分のカラダのためにも、正しい知識を身につけましょう。

産婦人科専門医のほか、プロボクサー、ベリーダンサーとしても活動。YouTubeやTikTokを通して、検診やワクチンの啓蒙、体のあれこれについて発信中。
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Q.前戯をしても全然濡れません。原因は何でしょうか?
原因はさまざま。体質によりかなり個人差があるので心配する必要はありません。

先生
前戯が足りない、リラックスできず緊張状態のとき、
あとは体質もあるかなと思います。
汗をかきやすい人と、かきにくい人がいるのと同じように、
また、ピルを飲んでいる場合、ピルの種類によっては濡れにくくなる人もいるので、明らかにピルの服用後から濡れにくくなったと感じる場合は、産婦人科で相談してピルの種類を変えてもらうのも1つの手かなと思います。
Q.何回やっても中に入らなくて最後までしたことがありません。どうしたらいいですか?
子宮や膣の構造の問題かもしれないので、ジェルで解決しない場合は診察を受けましょう!

先生
恐怖心や痛みがあって中に入らない、
一度、産婦人科に診察に行き、
処女膜が人より厚く硬く、挿入が困難な処女膜強靭症や、膣中隔と言って膣の中に壁のようなものがあって入らない人もい
そういう場合は手術で改善できます。
Q.今まで一度も気持ちいいと思ったことがありません。どうしたらイクことができますか?
まずは自分で気持ちいいと感じる場所があるか探ってみましょう。

先生
人と対面すると緊張して、気持ちいいと感じることができなかったりすることもあります。
気持ちよさとか、イクことっていうのは学習して身につくものだと思うので、今まで気持ちいいと感じたことがない人は、マスターベーションをしてみたり、女性用のラブグッズを使ってみたりして、まずは一人でいろいろ探ってみましょう。
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Q.ピルとコンドームを併用すれば妊娠の確率はゼロですか?
正しく使ってはじめて避妊の効果が得られます。

先生
ほぼゼロに近いと思います。
併用することによって相乗効果でリスクを低くすることができますが、正しい使い方をしないと意味がありません。
ピルとコンドームを併用していたとしても、行為の途中でコンドームをつけたり、ピルの飲み忘れがあると妊娠の確率が高くなるので、どちらも正しい使い方を心がけましょう。
Q.オーラルセックスでも性感染症がうつるって本当ですか?
本当です。直接性器に触れない方法で予防をしましょう。

先生
オーラルセックスでも性感染症は感染してしまいます。
男性器を舐める際にはコンドームをつけたり、女性器を舐めるときにはデンタルダムというラップのようなものがあるので、そういったものを使うことで予防になります。
Q.生理中にセックスをしても大丈夫ですか?
子宮口が開いているので感染を起こしやすい時期です。子宮内膜症のリスクにもなるので特に量が多い日は避けましょう。

先生
絶対にダメというわけでもないですが、生理中は感染症のリスクが高まったり、血液が子宮からお腹の中に逆流することによって子宮内膜症のリスクも高まったりしてしまうので、量が多い日はやめた方が安心かなとは思います。
また、血液が出ているのでパートナーが感染症にかかるリスクも高まります。
セックスしたからといって急に病気になるようなものではないですが、もしする場合はコンドームをつけて、量が多い日は避けるようにしてください。
Q.挿入時に痛みを感じるときがあるけど、パートナーに気を使わせないように我慢しちゃいます。これってまずいですか?
ムードよりもあなたの体を大切に!

先生
痛みがあるということは摩擦で膣が傷ついている可能性があります。
そういう細かい粘膜の傷が感染症の原因になってしまったりするので、痛みを感じるのであれば前戯をしっかりしてもらうとか、ジェルをつけてもらうのがいいと思います。
また、痛みを我慢し続けると、恐怖心が出てきて濡れづらくなったり、気持ちいいと感じられなくなってくるので、なるべく痛みを感じる瞬間は減らした方がいいでしょう。
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Q.子宮頸がんの検査に行かなきゃいけないと思いつつ、血が出るって聞くし怖くて行けてません。検査ってどんなことをするんですか?
数分で終わる簡単な検査です。定期検診をおすすめします。

先生
子宮頸がんの検査は血が出る人もいれば出ない人もいます。
子宮の出口をブラシで擦ったりするような検査なんですが、子宮の出口っていうのは触られている感覚はあっても、痛みを感じる神経はそんなにないので、リラックスしていれば、違和感を感じても、強い痛みを感じることは少ないでしょう。
ただし、子宮や卵巣の病気にかかっていると内診自体が痛い場合もあります。
子宮頸がんは検査によって早期発見できるがんですが、初期症状がないので、症状が出る頃にはかなり進行している事も多いです。
数分で終わる検査なので、性交経験のある20歳以上の方は2年に一度は検診に行ってもらいたいです。
Q.パートナーが中折れしてしまいました。自分のせいかなと気にしてしまいます。
生理現象なので気にする必要はありません。

先生
他のことを考えていたり、緊張していたり、逆に興奮しすぎたりしてなってしまうこともある生理現象なので、それほど気にしすぎなくていいかなと思います。
私のせいかもとか相手のせいかもなどと気にしてしまうと、余計に中折れしやすくなってしまうこともあるので、そういうこともたまにはあるかなというぐらいに受け流しましょう。
余りにも頻度が高く、毎回射精に至らないという場合には泌尿器科に相談してもらったほうがいいかもしれません。
Q.相手を満足させたくて、何度も求められたときに断りづらい。どうしたらいいですか?
相手を優先しすぎて自分の気持ちをおざなりにするのはやめましょう。

先生
断ると思うとハードルが高くなっちゃうので、別の提案をしてみるというのはどうでしょうか?
きちんと関係性を築けていれば、そんなことで嫌いになったりはしないし、むしろセックスを断って嫌がられるようだったら、その人との関係は終了させても良いかなと思います。
相手を満足させるにはどうしたらいいかというのは、永遠の課題なのかなと思うのですが、何で満足するかは相手によります。
例えば、「女性は手でイクものだ」とか、「潮吹きするものだ」などという固定観念を持ってしまっている人もいますが、全員に通用するものではなく、相手に聞いたり回数を重ねて学んでいくものです。
教科書のようにこうすればいいというテクニックなどないということを知ってほしいです。
自分の満足よりも相手を喜ばせることを優先してしまうと、対等な関係ではいられなくなってしまうので、自分と相手が、お互いに思いやれるようなコミュニケーションをとることが大切です。
Q.産婦人科には行ったことがありません。相談に来る人はどんな悩みを抱えている人が多いですか?
特に多いのはデリケートゾーン周りの事です。おりものや、においの事、また女性器の見た目にコンプレックスを抱いている人が多数です。

先生
毎日たくさんの方がそれぞれの悩みで受診されますが、女性器の形や黒ずみが気になるという相談がとても多いです。
人の体は千差万別なので、
もし人と違うのでは?と気になる人がいたら、
どうしても気になるのであれば、形成外科で手術もできます。
また、
臭いの原因は膣の炎症がある場合もあれば、お小水や経血の拭き残しの事もあります。
それに仮に感染症を心配しているのだとしたら、感染症はお互い様。
パートナーも検査をしてもらいたいですね。
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セックスをしていないときにも、お互いのプレイについて話しましょう

セックス=挿入とかオーガズムとか気持ちよくなるということに集中してしまっている人が多くて、その前段階が置き去りにされがちだと思います。
セックスする前に感染症のこととか、どういうことをするのがいいとか嫌とか、そういう話をするのを恥ずかしいと思ってる人も多いですが、その会話もプレイの一環ととらえてもらえるといいかなと思います。
面と向かって話すのが恥ずかしい人は、LINEのやりとりなどで「この前のあれよかったな」と伝えるとか、一緒にセックスについて考えてほしい場合は、性教育のYouTubeやネットの記事などを「これ参考になるから読んでみて」って送ってみるのもおすすめです。