宇垣美里さんのエッセイ連載、今月のテーマは「食」について。今週は優れた栄養素ともいわれる味噌汁にまつわるお話を綴っていただきました。毎日飲むことで健康が改善されたエピソードや、愛用している味噌など宇垣さんのこだわりも必見です。Q&Aでは、気が強い人の悩みにお答えします。宇垣美里の【私から見えている景色】

第二十章 『丁寧な食事』
(四)
お味噌汁を飲むと、ほっとする。
普段の食卓の汁物として並べている時はもちろん、どろどろに疲れてもう何かを噛む力さえ残されてないような、そんな体力ゼロの時だって、なんなら二日酔いで何か食べれば即、胃が氾濫を起こしそうな時すら、お味噌汁だけは、不思議と手を伸ばして体内に取り入れようという気持ちになれる。
ベースにしっかり出汁をとって、具材は豆腐とわかめ、それで十分。お気に入りの味噌を溶いたら立ち上る香り。それだけでほっと心の緊張がとけるのが分かる。
ふつふつと煮え始めたら、沸騰する前にすぐ火を落とすのがポイント。

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使っている味噌は何年か前にふと立ち寄ったスーパーで購入して以来、ぞっこんになったもの。近くでは売ってないから、なくなりそうになったらまた遠いスーパーか百貨店までわざわざ買いに行かなくちゃいけない。
手間はかかる。けれど、他の味噌だとどうしてもしっくりこないから、毎度いそいそと買いに行くのだ。
優れた栄養食ともいわれるお味噌汁。毎日飲むようになってから、不思議と新入社員のころはしょっちゅうだった胃痛が減り、胃が荒れなくなった。私の健康の秘訣、なのかもしれない。

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宇垣美里にQ&A

Q. 私は親や友だちに気が強いとよく言われます。それを理由に損な役回りもたくさんしてきました。でも本当の私は泣き言を言いたいし甘えたいんです。ですが「そんなことないよ」と言っても、決めつけられて信じてもらえず辛いです。どうすればわかってもらえるでしょうか(芒 20代女性)
A. そんだけ周りに言われるなら気が強いのは事実なんじゃないですか? でもまあ、強いからって我慢しなくちゃいけないわけじゃないし、なんで弱い人の代わりにこっちが重荷背負わなきゃなんないんだ?ってことは多々ありますよね。いや重たいのは一緒だわ、持てるからって持ちたいわけではないわ、って感じ。
強くていいねって言われるたびに、弱いままで生きていられるなんて羨ましい限りだわ、って煽りそうになるの毎回我慢してます。 強い人に寄りかかってくるような”弱い”人はどうせ分かろうとしてくれないので諦めましょう。距離をとりましょう。世の中にはちゃんと強い人のことも気遣ってくれるまっとうな人がごまんといます。そういう人と助け合うべき。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※白ワンピース/スタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kisshomaru Shimamura Styling:Ruri Matsui Hair&Make-up:Miho Matsuda Composition:Mayuko Kobayashi