イケメン実力派俳優として昨今は幅広いキャラクターに挑戦している松坂桃李さん。最新映画『あの頃。』では松浦亜弥推しのハロプロオタクを好演。その松坂さんの“推し”とは!?
30歳過ぎてからは“推し”を隠すのをやめました
ハロプロを愛してやまない劔(つるぎ)というキャラクター。どう受け止めてどう役作りを?
もともと彼の心理は分かると言いますか……。僕はBUMP OF CHICKENのファンで、ライブもよく行っているんですけど、その愛が元気の原動力となって、今の自分がある。そういうのって誰しもあるんじゃないでしょうか。
映画は仲野太賀さんやロッチのコカドさんたち演じるオタク仲間とのシーンが大半。めちゃくちゃ楽しい撮影だったんじゃないでしょうか?
本当にみんな中学10年生といいますか、男子校の部活のようでしたね。映画で歌うシーンがあるので、休憩中によく練習していたんですよ。それが、一人が歌い出したらまた一人、また一人と歌い出して、どこからともなく始まるという感じで。そういう無秩序なところが本当に楽しかったです。
推しがある人生って楽しいと思うんですけど、一方で周囲からは引かれることもありますよね。その点についてはどう思われますか?
たしかにこの物語で描かれている時代は、まだ多くの人がアイドルオタクに免疫がなくて。だから映画の中でも、イベントで彼らを見て女の子が泣き出す、というシーンもあるほど。でも今は、アイドルって一つのカルチャーとして確立されていますよね。そんなふうに「オタク」というワードって、何か一つ物事を極めた人だけがもらえる称号だと思うんですよ。だから自信を持って好きと言ってほしい。僕も引け目を感じていろいろ隠そうとした時代もありましたが、今ではラジオで“ゲーム愛”とか語っていますからね。
松坂さんにも隠そうとしたことがあったんですね!
かつては俳優としてのイメージもありましたし、そこを出し過ぎても……と思っていたんですけど、もう30歳も過ぎたし、自分の責任で喋っていいかな、と思いまして。でも隠さず話すようになってからのほうが、圧倒的にラジオではリスナーさんからもイジられて好評なんですよ。仕事のエピソードや好きな女性の仕草について話すのもいいんですけど、わざわざ僕のラジオを聴いてくれる方が求めているのってそこじゃない。もう一掘りした僕のディープな部分だと思うんですよね。
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なるほど! では反対に、推しにハマっている女性ってどう思われますか?
素敵だと思いますよ。ジャンルにかかわらず、何か熱中できることを持っている女性って、誰でも好きなんじゃないでしょうか。
熱中し過ぎて自分より優先されたら……?
そうしたら僕も推しに熱中できますし、お互いにとってウィンウィンだと思います!


Photo:Asuka Ito Stylist:Arata Kobayashi(UM) Hair&Make:Koichi Takahashi(Nestation) Text:Naoko Yamamoto