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「やりたい仕事を自然とできる環境へ」『THE FIRST TAKE』アートディレクターの仕事のはなし

2021.04.04

CMを見ると続きが読めます。CMを見ますか?

はい

「好き」なモノやコトを仕事にしたい。皆が憧れることだけど、それって実際どうなの? 「働く」と、楽しいことも大変なこともどっちもあるはず。自分らしく「コレが私の仕事です!」って、胸を張ってイキイキと仕事をしている先輩たちに話を聞いてみたよ。今回は、アートディレクター/イラストレーター 宝田夏奈さんをご紹介します♡

profile
1994年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学卒業後、デザイナーとしてTBWA\HAKUHODOに入社。「THE FIRST TAKE」のアートディレクションに携わり、個人ではイラストレーターとしても活動している。

デザイナーとして入社、やりたい仕事が自然とできる環境をつくっていく

― 宝田さんの仕事について詳しく教えて下さい。

TBWA\HAKUHODOでアートディレクターをしていて、大手洋服メーカーや自動車会社などの広告ビジュアルを担当しています。ロゴやポスターなどのグラフィックデザインや、CMなどの動画まで、ビジュアル面すべてを担当する役割です。

― 今のお仕事に興味を持ち始めた経緯を教えてください。

父がプロデューサーをしていて、小さい頃は仕事現場に連れて行ってもらうこともありました。このときから幼心に惹かれていたのかもしれません。高校2年生でイギリスに留学をしたときには、美術系の授業ばかりを選んで。いずれは海外で仕事をしたい気持ちも生まれました。でも、そのためにはまず同じ土俵に立てるようにならないといけないと思って、いったん帰国。高校生の頃から好きだった原研哉のゼミがあるムサビを選びました。

― 就職活動の際に今の会社を選んだのはなぜですか?

就職活動は正直、苦しくて(笑)。そのときに海外で働きたかったことを思い出して、外資系企業も考え始めたら、今の会社のインターン募集を発見、応募して合格、就職。会社は世界中にブランチがあるし、居心地がいいし、社員さんともバイブスが合って(笑)、縁を感じました。すでに開いている道に流されていったらうまくいったという印象です。今思えば、就活がうまくいかなかったときの自分は、無理をして会社に合わせようとしていましたね。

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― 仕事を始めて最初に感じた壁を教えてください。

新人のころは、常に時間が足りない状態で、夢中になって作業していたら気づけば朝だったなんてこともありました。提案時点でデザイン案がいくつか必要だし、そこで選ばれたものをさらにブラシュアップ、の繰り返しで、デザインが確定するまでに合計50案くらいは作ることも。最初は大変でしたが、経験を重ねることで相手に求められているものをアウトプットするコツを掴み、スピードも早くなっていきました。

― アートディレクターをされている「ファーストテイク」について教えて下さい。

企画段階から、運営スタッフ、師匠である清水恵介と一緒に携わっています。一見、「動画コンテンツを作る」という仕事なのですが、情報をそぎ落としたり、ルールを作ったりする仕事は、グラフィックデザインをしているような感覚に近いような気がします。ここでのルールは「白いスタジオに置かれた、一本のマイク」のみ。加工の多いMVでは見られないアーティスト本来の姿が見える。アートディレクションが際立つコンテンツだと、自負しながら仕事をしています。

― 認知度も高く反響の大きいコンテンツなんじゃないでしょうか。

SNSのシェアやコメントですぐに反応が見られるので面白いし、勉強になります。「この字幕の色だと見づらい!」といった声もよく届くので、次に生かしてます。チャンネル登録者の3割が海外の方なので、海外で仕事をする目標に少し近づいているのかも……?

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― 一方で、イラストレーターとしても活動されているのはなぜですか?

仕事を始めてから自分の好きな絵を描く機会が減ってしまったので、Instagramに投稿しています。それを見た友人が仕事をくれることも。アートディレクターとは違う頭の部分を使います。仕事で行き詰まったときに絵を描くと、自分の好きなものを取り戻せる。自分に戻って来られる場所です。

― デザインやアートを作るときのこだわりはありますか?

色です。色がモノの人格を決めるのではないかと。例えばDISH//のアルバム『X』もそう。「THE FIRST TAKE」を通してDISH//の音楽性が注目されているタイミングだったので、メンバーのビジュアルを前面に出すというよりも、アーティストっぽさを意識した音楽を感じるビビッドなカラーを用いたデザインに。こういう色の使い方はイラストでも意識するようになったし、イラストからデザインにアイデアを持ってくることもあります。

― 最後に、これから仕事を選んでいくViVi読者にメッセージをください! 

……無理しないで(笑)。おのずと道が開いていくほうに進むのがいいと思います。合わなければやめればいい。私みたいに、うまく流されることで自然と好きなほう、面白いほうに向かっていくこともあるとViViラバーの皆さんに伝えたいです。私もViViラバーだったので!

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DISH// 『×』

完全盤、通常盤、初回限定盤A、Bの4パターン。完全盤にはブックレットや正方形のトートバッグも。「包装のビニールに貼ってあるシールまですべて手掛けたので、ぜひ買ってください!(笑)」

THE FIRST TAKE

「THE FIRST TAKE」(ザ・ファースト・テイク)はミュージシャンによる一発撮りのパフォーマンスを切り取る、人気YouTubeチャンネル。「シンプルなビジュアルだからこそ、アーティストごとに変えている色は熟考しています」

ニコアンド…クリエイターズ マーケット

「ニコアンド… クリエイターズ マーケット」でコラボしたイラストです。Instagramに投稿しているイラストを見た友人が、こういったお仕事に声をかけてくれることがあります。

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Photos:Kae Homma Interview&Text:Koharu Ishizuka(for Kana)