宇垣美里さんのエッセイ連載。第22章では、宇垣さんの好きなアニメーションから、特に心に響いたエピソードや魅力を感じるキャラクターについてのお話をお届けします。今回は、『とらドラ!』に登場する、あーみんこと川嶋亜美の魅力や、宇垣さんが惹かれる部分をじっくり綴っていただきました。【私から見えている景色】

第二十二章 『アニメーション』
(三)
憧れの女の子はあーみん、川嶋亜美ちゃんだ。
『とらドラ!』の物語に途中から参加してきた転校生の彼女は、モデルとして活躍するが、その天使のような見た目と天然な振る舞いはただの外面、本当の性格は甘ったれで横暴、毒舌の典型的なわがままお姫様だ。
性格が悪いだろうか? 悪役キャラだろうか? でも多くのこの作品を見た人ならきっと分かってる。彼女は本当は寂しがり屋で大人で周りの人間関係をよく理解している、本当に“いい奴”なのだ。

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あーみんは人がその人のために伝えるべきだって分かっていても、嫌われるのが怖くてなかなか口に出せないようなことも、大切な人のためにきちんと伝えることができる。それは本当に本当に、愛のある行為だ。
彼女自身もストーカーに追われ、ひとりぼっちで対処せざるをえなかったのに、同じようにひとりぼっちの主人公・大河を気遣い、本当は亜美自身ももうひとりの主人公・竜児に惹かれていたにもかかわらず、大河と竜児が本当はお互いに大切に思いあっていることを察してアタックすることすらしなかった。
悪ぶりながらもあくまで黒子として皆を支える姿に、あーみんにも幸せになって欲しいよ、と願ってやまない。
大切な人のためなら自分の想いをそっと仕舞い込むこともできる、こんな女性に私はなりたい。

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宇垣美里にQ&A

Q. 自分の選択は間違っていたのかなと落ち込んだ時、
宇垣さんはどうやって切り替えますか? 私は短大生で、 大学の編入ではなく、4月から専門学校に通うことに決めました。 しかし、親や先生から「もったいない」「 大学にすれば良かったのに」と言われたりもして、 自分の生き方や選択に信頼を置けなくなりつつあります(ルカ 19歳女性)
A. 本当に怠惰な性格なのでとにかく無駄なことが嫌い。とすれば、
選択ミスったかなーとか考えて後悔するのは無駄の最たるもの。 どうせ戻れないし変えられないので後悔するだけ無駄で、 自分にできることはいかにその道を正解にするかしかないのかなと 思います。 先生も親も自分の代わりに人生歩んでくれるわけでも責任とってく れるわけでもないので、 心配してくれるのはありがたいけどそんな全部を聞き入れる必要は ないのかなと。専門学校楽しみですね。 どうぞ実りある学生生活をお過ごしください。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※白ワンピース/スタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kisshomaru Shimamura Styling:Ruri Matsui Hair&Make-up:Miho Matsuda Composition:Mayuko Kobayashi