6月公開のアニメ映画『映画大好きポンポさん』で、初めての声優主演を射止めた清水尋也さん。意外にも映画は年に1〜2本しか見ないそう! 彼なりのこだわりとは……?⁉
一番印象に残っている台詞は「幸福は創造の敵」
声優を務めるのは初めてとのこと。いかがでしたでしょうか?
小さい頃からアニメが大好きで、声優の仕事に憧れがあったんです。それでオーディションをこれまで何度か受けたんですけど、全部ダメで。強がりじゃないですけど、声って変えられないもの。だから、僕の声がハマるキャラクターが現れないかなとずっと待っていたんです。それが、この『映画大好きポンポさん』のジーン君でした。「断トツで目に光がない」という青年なんですけど、僕も目に光はないので(笑)。
声の演技は、俳優としての演技とは違いましたか?
もう180度違いましたね。俳優のときは体を全部使って表現できます。僕はとくに目の演技をすごく意識するんですけど、声優は声だけで全てをカバーしなければいけません。だから普段より起伏をつけてセリフを言ったつもりが、聞き直してみたら棒読みのように感じるんですよ。まだまだなんだ!と思って、大袈裟なぐらい抑揚をつけたんですけど、そのギャップが大変だったし、新鮮でもありましたね。

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映画が大好きなジーンが、映画監督になる夢を叶えていく“青春ものづくり”映画ですが、完成作品を見た印象はいかがでしたか?
アニメって必ず名ゼリフがあるんですけど、この作品で僕が一番印象に残ったのは「幸福は創造の敵」でした。たしかにネガティブなエネルギーって、ポジティブなエネルギーを凌駕するものがある。僕も、ミスして自分に怒っているときとか悔しいときのほうが、エネルギーが増大する感じがあるな、と思って。すごく通ずるものを感じて、心を摑まれたんですよね。
プライベートでは、清水さんもジーン青年のように映画をたくさん見ているんでしょうか?
僕、あまり大きな声では言えませんが、ほとんど見ないんですよ……。洋画を年に1〜2本見るくらいかなあ。
ええっ! 演じるのは好きだけど見るのは興味がない、とかなんですか!?
いえ、好きなんですけど、1年に1本、見たい作品を見たい瞬間に見る、という主義なんです。何事も、“今やりたい”を意識して生きていて。

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清水さん自身は、最近ですとどのような映画が印象に残っていますか?
『ダークナイト』です。主演のヒース・レッジャーが好きで。子供の頃に見て以来だったんですけど、やっぱり今見ても面白かったです。
そうなんですね! ではプライベートでの“今やりたい”は何なんでしょう?
自然の中に行きたい……。生きていると、息が止まりそうになることってあるじゃないですか。そういうとき、おいしい空気が吸いたくてたまらなくなるんです。僕は東京生まれ東京育ちで、以前は渋谷で洋服を見てカラオケに行けば解消されていたんですけど、年取ったんですかね……。

シャツ(サバイ)¥37400 シースルーニット(ジョンメイソン スミス)¥28600/HEMT PR その他/スタイリスト私物 ●商品情報はViVi2021年7月号のものです。

Photo:Asuka Ito Stylist:Hironori Yagi Hair&Make-up:Tatsuya Takahashi(SHIMA) Interview&Text:Naoko Yamamoto