失恋は、辛いだけの経験だと考えていませんか? 本気で恋愛をしている人にとって、失恋とは、“苦しいだけ”のものと思われがち。だけど、実際は“乗り越えることで何かが得られる経験”なのでは? そこで今回は、数々の失恋者たちを励ましてきた、MIYAMUさんが初登場! ViViの公式Instagramで募集した、失恋相談の中から厳選したお悩み、「失恋をして人を好きになれなくなった」「忘れられない恋がある」「恋愛で自信が持てない」人たちに、その原因から解決に導くヒントまでを教えていただきました。

『失恋してから人を好きになれなくなりました』
失恋をしてから本気で人を好きになるのが怖くなってしまい、次の恋になかなか進めません。乗り越えたいです。
MIYAMUさんのコトバの処方箋
「“乗り越えなければ”という使命感が、実は自分を追い込んでいるのでは?」
失恋を乗り越えるとは
私は失恋は乗り越えなくていいと思っています。“乗り越えなきゃ”って山みたいな捉え方をしているじゃないですか。同じ道ばかりで恋愛をしていると同じような男しか出てこないんです。そういう男に引っかかって駄目なら、違う方向を向けばいい。そしたら海かもしれないし、そもそも乗り越えるものなんてないかもしれない。その“乗り越えなければ”という使命感が、実は自分を追い込んでいるのかもしれません。
“裏切られたらどうしよう”という不安は誰にでも常につきまとう話。だから今後、たとえ自分が傷ついたとしても「この人を好きでいられるのが幸せ」と思える人に出会えるまでは、その使命感に駆られなくてもいいと思います。
また次の出会いを良いものにしたいなら、物事を裏返して考える癖をつけてみてください。次の恋人を探している時に「次の男、次の男」と言う人がよくいますが、「次の女、次の女」と言いながら恋人候補を探している男性をあなたはどう思いますか? この考え方ができるようになるとさらに良い出会いを引き寄せられるはず。
失恋を乗り越えることで得られること
失恋をすると、ワクチンみたいなもので「耐性」ができて、このルートを辿ればこんな未来が待っているという想定ができるようになります。だいたい恋愛って“言い過ぎ”か“言わなさすぎ”の二つで上手くいかなくなるのですが、その失恋までの間に、自分に遠慮や過剰な行為があったのならそれを理解して、次の恋愛のときにはどこを修正しようと体系立てていかないと、人って成長しないですよね。そうして行動に落とすきっかけを作らないと人は変われないし、そもそも恋愛するだけで自分を変えようなんておこがましい。
だから、もしあなたが失恋を乗り越えたら、次の恋愛では探る必要がないことは探らなくていいし、信じるというポーズを取るのも一つの価値だということに気づけるはずです。
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『忘れられない恋からの立ち直り方』
元彼が忘れられません。未だに大好きで振られたことが苦しくて……どうしたらこの辛い気持ちを無くせますか?
MIYAMUさんのコトバの処方箋
「結局、みんな前の恋を引きずっている自分が気持ちいいのかもしれません」
忘れられない理由
忘れられない理由って結局は自分のためだったりします。振られてこの人の隣にいられない私が嫌で、すべてのベクトルが自分に向いている状態なんです。本当に好きなら元気で健康で楽しく笑っていてくれればそれでいい、そこに行き着くはず。だけどそう思えないのは、「この人の隣にいるべきは私」だとか、「この人を一番幸せにできるのは私」だという“執着”がそうさせているのでしょう。
本当に苦しいとか辛い時は、思い出を消すことは難しいと思うので、目、耳、鼻から入る元カレに関する情報をすべてシャットアウトする努力をしてください。
インスタライブなどでこの質問が来たときには、「本当に忘れたいと思っていますか? 本当にそう思うのであれば、今LINEを開いてブロックした後に、このインスタライブに戻ってブロックしてきましたって書き込んでください」と言うのですが、誰もそうしないです。そんなブロックができない人に私は、“非表示”をおすすめしています。元彼がタイムライン上にいない状態にする、写真はiCloudとかのクラウド上に保存して写真フォルダの中から消す、元彼が使っていた香水やブラシがまだ家にあるなら全部捨てて、ってね。結局、みんな前の恋を引きずっている自分が気持ちいいだけなのかもしれません。
復縁する方法
別れた直後から復縁を考えてしまう人は、間に人を挟まないのであれば、2週間は連絡を取らずに3週間後、もう一度会って話すというのをやってみてください。付き合っていた間、ずっと連絡をとっていた人が突然いなくなると、生活のメインの時間がごっそりと削られて彷徨うじゃないですか。その間に自分は何を考えたかを言い合う。その伝え合う時間で、もう一度再燃することもあります。3週間で連絡するのはちょっと……。という人、もしくは誰か間に人を挟むのであれば、だいたいドラマの1クール、3ヵ月後くらいに会って話してみましょう。そうして元恋人と会ってご飯へ行ったとしても、あんまりだったなと思うかもしれないし、他の人を通った結果やっぱり気になったよというような戻り方もすることもあります。一番戻りにくいのは、他の人と一回付き合って別れて、もう一度元カレを狙いに行く場合。
女性からしたらちょっとキモいと思うかもしれませんが、男としては一個前の元カノが一番好きなんです。今の恋人よりも一個前の恋人の方が好きな男性って結構多いので、元カノになるということも、ある種の価値なんです。実は復縁するよりも元カノのまま輝いている方が勝ちパターンかもしれない。男が武勇伝を語り続けるのと一緒です。「俺高校の時に野球でさ〜」とか何年前だよ!みたいな話と同じで、「良い女と付き合っていたな、俺」という感じで、思い出BOXに一個前の彼女とか、綺麗な思い出だけを詰め込んでいたいんです。
別れた後の振る舞い方
私は、努めて自然に友達として先に振舞った方が勝ちだと思っています。別れたからといって、すぐに友達になれるかと言えばそうではなく、少なからず元恋人の期間があって元恋人という意識をしているはずです。別れた後に寂しさが込み上げてくる瞬間というのは、元恋人に「もう友達だ」と思われていると感じたときや、自分的に「もう何も無さそうだな」と感じたとき。だから、先に大人びて「元気?そっか、よかった」って普通に振る舞った方が勝ちです。
叶わない恋が好きな人
叶わない恋が好きな人っているんです。片思いをしている人や推しに恋する人は、恋愛傾向の中のリスロマンティック(蛙化現象の意味合いに近いです)に分類されると思います。振り向かれると飽きてしまう、そんな現象です。きっと元彼を忘れられないという悩みを抱えている人は、もし元彼が戻ってきて「お前は俺のこと好きだもんな」と言われたら「そうだっけ?笑」となる傾向の人が多いはずです。望んでその叶わない恋を選んでいるわけだから、浸れるだけ浸っていて良いと思います。
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『恋愛で自信が持てない、いい恋愛をしたい』
失恋をしてから自信がなくなり自己肯定感が低く、それ以来、付き合った彼には重い女と思われがちです。良い恋愛をするために心がけるべきことは何ですか。
MIYAMUさんのコトバの処方箋
「恋愛は人生においてあくまで脇役。メインではない恋愛で自己肯定感を上げなくても大丈夫」
自己肯定感が低い人
僕は、恋愛=唐揚げに付いてくるレモンだと思っていて、メインの唐揚げは仕事や家族、友人関係など自分の生活の軸となるもの。レモンに例えた恋愛は、その基本軸を美味しくするためのプラスα。だから、レモンばかり食ってんなよ!って思います。そもそもメインではない恋愛で自己肯定感を上げようとしなくていいですし、恋人一人に散々言われたからって、「私は駄目な女」とか思ってはいけない。というか駄目な女なんていないです。
もしあなたを蔑ろにする人がいるなら、その人は自分の主義主張を叶えるために人を操作して、都合がいいように扱おうとする幼稚な人なんだなと思ってください。たまに「〇〇ちゃんって自信あるよね(笑)」と言う人も、自分に自信がないことを宣言しているダサい人。そんな人たちの発言や態度を気にして、あなたの自信が損なわれる必要はないですし、そもそも彼らを人生の中に入れなくていいです。
自己肯定感を高める方法
自信は持てと言って持てるものではないので、まずは自分を褒める能力を高めてください。「冬、寒いのに起きてすぐ洗面台に行って顔を洗えた自分すごい」とか「時間ギリギリ間に合った自分天才」とか日常の小さなことからでいいです。もし大きな目標があるなら、やりたいことをリストに書き出して、それを1ヵ月、1年の間にいくつ達成できたかを振り返る機会を作ってみてください。
重い女と思われがち
誰からもモテる軽い女では駄目、重くてなんぼ。「この人は重いので置いていきます」ではなく、「この重さは僕しか持てない」と思ってくれるような相手と恋愛してください。私が男性の言うセリフの中で一番ダサいと思う言葉は、「幸せになってください」です。これは、「僕が幸せにできなかった」という敗北宣言。「いやお前が幸せの入り口まで連れていけよ」と思うし、言われて嬉しい言葉ではまずないから。「僕が幸せにできませんでした。ごめんなさい」の方が想いは伝わります。だから、重い女っていうのは相手に気持ちをちゃんと伝えられている証拠で、何も言わずに我慢している人よりも全然正しい恋愛をしていると思います。
良い恋愛をするために心がけるべきこと
良い恋愛のあり方は自分で定義していいです。ドラマや漫画に影響されている人もよくいますが、両想いだけが正解ではないです。ここで悪い恋愛の定義を語るとするならば、それは人を傷つける恋愛。人の彼氏彼女と恋愛するのは、その先に傷つく人がいるので絶対に駄目です。
良い恋愛ができる女性の共通項は自信を持っている人。それと趣味や仕事など、恋以外に楽しむものがある人。そして最後に、自分の全てをさらけ出さない人。男性は秘密に対して本能的に探究心をくすぐられるので、一番好きな曲は教えないとか、好きなブランドを教えないとか、ちょっとした秘密を持つと“求められる良い恋愛”に結びつきやすいと思います。
モテる女
付き合う前の段階で、「これ誰にも言ってないんだけど〇〇くんには言うね」と2人だけの秘密を作れる人はモテます。男性は「この人をわかってあげられるのは僕だけなんだ」と、優越感をくすぐられると落ちるんです。
都合の良い女になる人
こういう人は求められるのが単純に好きなんだと思います。そして意外と強欲な人が多い。「自分という人間を求めてくれる、この彼の全てを、私が受け止めている」と自負するために関係を続けている節があって、都合よく使われているようで使ってもいる。というのも、体を求められていながら精神的には意外と自分が求めていたりします。それに、何か試練があったとしても、「私は都合のいい女にされているから」と悲劇のヒロインでいる方が何かと保身になるでしょう。だから、都合の良い関係を築いた者どうし意外とフェアな関係なのかもしれないです。
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MIYAMUさんの失恋相談・前編を終えて
『全失恋者に向けてのメッセージ』
失恋は誰かに優しくなれるきっかけです。仕事のミスとかよりは回数が少ないかもしれないけれど、離婚や人の死よりかは起こりやすいものじゃないですか。“感情の上がり下がりが激しく、失うと日常にあった時間が奪われる”というものの中では、頻度が高いと思うので、傷ついた回数のぶん誰かに優しくなれる=それは無駄な時間ではないです。
だから、死ぬほどの失恋をしても死なないでください。死ぬほどの失恋をした人は、誰かから死ぬほど愛される運命を持っていると思うので、命を終わらせなければ絶対に大丈夫。これは全員に対して思っています。