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“中山咲月”の生々しいけど一番伝えたいこと!フォトエッセイでつづった思い♡

2021.09.23

CMを見ると続きが読めます。CMを見ますか?

はい

トランスジェンダーで、かつ他者に恋愛感情を抱かない無性愛者であることを公表している、モデルで俳優の中山咲月さん。初のフォトエッセイに綴った思いについて伺いました。

悩みを抱えているすべての人に寄り添いたい

――9/17に発売されたフォトエッセイ『無性愛』が話題となっています。どのような思いで制作されたのですか?

写真も見てほしいのですが、できればまず文字を読んでもらえたらと思っています。日頃、辛いこと、壁にぶつかったことをメモに残しているんですけど、そこから抜粋したものを載せていて。だから生々しいんですけど、一番伝えたいのは、性別の問題にとどまらず、悩みを抱えている人たちに、「こんな人間もいるから一緒に頑張ろう」という思いです。

――自身がトランスジェンダーであるとハッキリ認識されたのはいつ頃だったんでしょうか?

実は最近で、今年の1月なんです。コロナ禍のため家で映画ばかり見ていて。その中で、『彼らが本気で編むときは、』というトランスジェンダーの人が出てくる作品を見て、明確に「自分はこれなんだ」と思いました。心のどこかでは分かっていたけど、無意識にフタをしていたんですね。最初はショックでしたけど、時間が経つと受け入れることができて、逆に名前がついたことでスッキリもして。この道で生きて行こう、と思えるようになりました。

――中山さんは他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない無性愛者でもあるとのこと。だからこそ分かる、恋愛において大切なことって何でしょう?

恋愛感情がないからこそ、相手を”人間として“見ることができるんです。そういう客観的な視点で言うと、自分が一番輝いている恋愛が正解なのかな、と。輝いていないときは違うのかな、と思います。

――たしかに! シンプルだけど見えなくなりがちなことですよね。中山さんは、自分が輝くというか、自分らしくあるために何かやっていることはありますか?

いつも一人反省会をしていて。どんなに忙しくても毎日1時間ぐらい、「今日はちゃんとできていたかな」「相手が傷ついていなかったかな」とか振り返るんです。友達からは気持ち悪いって言われますけど(笑)、この時間がないと自分は次に進めないというか。振り返ることで欠点を見つけて、改善して、成長できる気がするんです。

――毎日1時間てすごいですね。それはいつ頃から……?

中学生の頃から、授業中にいつも脳内会議をしていました。どうしても、自分で自分を褒められないんですよね。だから「まいっか」をやめて、徹底的に振り返って反省することにしたんです。唯一褒めてくれるのが、ファンの方たち。そこでいただく言葉でバランスを取っているところはあるかもしれません。

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――フォトエッセイにも、これまでジェンダーのことでたくさん傷ついてきたけど、自分も無自覚に人を傷つけていると思う、ということを書かれていました。私たちが無自覚に口にする言葉で、傷つけてしまっているのはどのような言葉なのでしょうか?

たとえば「かわいい」という言葉は自分にとってはナイフなんですけど、相手との信頼関係があれば、それも凶器にはならない。伝える側に相手を思いやる気持ちがあれば、その気持ちは伝わってくるので。結局、大事なのは歩み寄ろうとする信頼関係。ジェンダーは関係ないな、と思います。

――最後に、今の夢についても教えてください。

トランスジェンダーの中山咲月ではなく、ただの中山咲月として俳優業をできたら、と思っています。自分の魅力がジェンダー観だけではなくなることが目標ですね。

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●衣装はすべて本人私物

INFORMATION
『無性愛』 ジェンダーレスな容姿で注目を集めているモデルで俳優の中山咲月が、初のフォトエッセイを、自らのプロデュースで刊行。映画『ベニスに死す』や、田山花袋の小説『蒲団』などの世界観を再現した魅惑的な写真に加え、トランスジェンダー、そして恋愛感情や性的欲求を抱かないアセクシャル(無性愛者)としての思いをストレートに綴っている。¥3080 ワニブックス刊
PROFILE
中山咲月
1998年9月17日生まれ。東京都出身。ファッション誌『ピチレモン』の専属モデルを経て、2018年にドラマ『中学聖日記』(TBS)で俳優デビュー。これまでジェンダーレスな活動をおこなってきたが、今年2月、ブログでトランスジェンダーかつアセクシャルであることを公表した。

Photo:Mizuho Takamura Composition&Text:Naoko Yamamoto