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藤田ニコルのお仕事連載『ニコ論』第4回 私がずっとNGにしてきた仕事と、向き不向きのお話

2021.09.27

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こんにちは! 藤田ニコルです。この連載では、私が23年の人生で感じてきたこと、学んできたことを通じて、どうやって今の藤田ニコルが出来上がったのかを考えてみることになりました。あまり過去は振り返るタイプじゃないけど、良い機会をもらったから、思い出して話してみようかなって。私の経験が、みんなの仕事や勉強、友達付き合いの参考になったら嬉しいです。第4回目の今回は、自分の苦手なことについて。

克服する努力も大事だけど、得意なことで楽しく頑張りたい

私、情報番組やバラエティーに出ているからか、「タレント」って見られることが多いんだけど、私の中では、あくまでもメインはモデル業。だから、タレント業や、プロデュース業はあえて言うなら「副業」っていう感覚なんだ。

副業をする理由の一つが、世間からカテゴライズされるのが嫌だから。特定のことだけやってる人っていうイメージになりたくないんだよね。
いろいろなことをやっているからこそ「ニコルって器用なんだね」って言われることがあるんだけど、全然そんなことはない!

向いていないなって思うこととか、失敗したこともたくさんあるよ

実はね、ずっとNGにしてきた仕事があるの。それが演技の仕事。
モデルから女優に転身して大活躍している人もいるけれど、私には演技の仕事は、かなり難しくて……。

そう感じたのは、10代で初めてドラマに出た時。
藤田ニコル役、つまり自分の役で出演したんだけど、けっこう長めのセリフがあって、出演シーンも多かったの。
もう台本を覚えることだけに必死で、セリフ棒読み……。
セリフをきちんと覚えた上で自分のものにして演じる、っていうことができなかった。
オンエアを自分で見るのが恥ずかしいぐらい「私、演技の仕事は向いてないんだな」って、悟っちゃった。

やっぱり人間、向き不向きって、絶対あると思う

努力して苦手を克服することもそれはそれで大事かもしれないけど、私は自分が得意で楽しいと思えることで勝負したい。
その後も「ドラマに出ませんか?」というオファーはいくつかあったんだけど、苦手意識しかなくて、ずっと断ってきたんだよね。
私よりも向いている人が出るべきだと思うし、「これ、向いていないよな~」って思いながら仕事するのは、周囲のスタッフの人に対しても失礼な気がしちゃうから。

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失敗はマイナスじゃない。自分に向いていないことがわかるキッカケだから

でもね、矛盾するようなんだけど、仕事で失敗してもあまり落ち込まないの。
「あ、この仕事は向いていないんだ」って分かるだけだから
「自分のことを客観的に判断できる」ってことだから、それって、自分にとって決してマイナスではないよね。
うじうじ落ち込むよりも、次に待っている仕事をどうするかを考えるほうが大事な気がするんだ。

私、テレビの収録の時でも台本をほとんど読まないの。
バラエティーでも情報番組でも台本があって、それに沿って進めていくから、出演者は事前に台本をもらえるのね。
で、もらったら一応、パラパラうす~く見ておくけど、しっかり読み込んだり、勉強して「こういうコメントを言おう」って準備したりしない。

失敗しないように現場をソツなくこなすことよりも、楽しむことを優先したいから
だって「どんなクイズが出るか」とか、先に知っちゃったら楽しくないじゃん(笑)!
もちろん、台本を読み込んでしっかり勉強していく人もいると思う。それはそれでいいと思うんだけど、私にとっては一瞬一瞬を楽しむことの方が大事なんだよね。

こんな感じだから、失敗しちゃうこともあるよ。

この前も、トーク番組で全然会話に絡んでいけなくて、消化不良のまま終わっちゃったことがあったな。
収録が終わった瞬間、「もっとしゃべりたかったなぁ。あの時こうすればよかったのかなぁ」って考えちゃったりしたけど、引きずるのはスタジオから控え室に戻る間まで。
家に帰る頃にはすっかり忘れてる(笑)。
だって、うじうじ悩んだって仕方がないから。クヨクヨした気持ちを家に持って帰りたくないんだよね。

同じ出演者、同じスタッフ、同じテーマの番組がまたあるわけじゃないし、その都度シチュエーションは変わるわけだから、失敗を次に活かそうって思っても難しい。
その日の失敗は家まで持って帰らないで、気持ちを切り替えて次の仕事に挑むほうがずっといい気がするんだ

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時間が経てば苦手意識も自然と変わってくると気づいた最近

ただ、最近感じたのが「時間が経てば苦手意識も変わるかもしれない」ってこと。
知っている人もいるかもしれないけど、今年の1月クールの『俺の家の話』っていうドラマに出演したんだ。
宮藤官九郎さん脚本、長瀬智也さん主演の話題作だから、きっと見ていた人も多いよね。
私の役柄は、やっぱり「藤田ニコル役」。短いけれどセリフもある。

ずっと苦手意識があった演技の仕事だから、出演するかどうか正直すごく迷ったよ。「また棒読みになっちゃうかもしれない」って恐怖もあった。
でも、こんなに話題のドラマからオファーが来るなんて本当に嬉しかったし、「藤田ニコル役」というのも感激したの。
幅広い年代の人が見ているドラマだと思うんだけど、「藤田ニコルならドラマの視聴者の人も知ってるだろう」って考えてもらえたっていうことだから。

何よりも、出演を決めた一番大きな理由は、後悔したくないから。

「もし私が断ったら、他の誰かが本人役でこのドラマに出演するのかな」って考えたら、なんだか悔しくて。
オンエアを見て「やっぱり出ればよかった」って後悔したくないなぁって思ったんだ。
撮影現場では、やっぱり緊張したけれど、10代の頃よりは納得のいく“演技”ができたかな。
私にとっては「向いていないことはやらない」っていうのは必要な判断基準だけど、苦手意識も時間が経てば変わるのかもしれないって思えたんだ。

このドラマに限ったことではないけれど、「もし私が断ったら他の誰かがやると考えると悔しい」っていうのは、仕事を受けるかどうか判断する重要な基準。
「やっぱりやっておけば良かった」って後悔するの嫌だからね。

いろいろな仕事をやっているから、本当にたくさんのスタッフさんと関わることが多くて、「みんなと仲良く交流してそう」って思われがちなんだけど、実際はちょっと違うかな……。

その話はまた次回!

次回更新は10月11日(月)お楽しみに!

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Text&Composition:Miho Otobe