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志田彩良、鈴鹿央士ら『かそけきサンカヨウ』完成報告会で怪獣エピソードが次々と明らかに!?

2021.10.06

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今泉力哉監督作・映画『かそけきサンカヨウ』完成報告会が9月27日に行われ、主演の志田彩良ほか、井浦新、鈴鹿央士、中井友望、菊池亜希子、今泉力哉監督が登壇。家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった少女・陽の葛藤と成長が、同級生・陸との“恋まではたどり着かないような淡い恋愛感情”を交えて描かれている本作。作品の魅力や撮影を振り返っての感想をメインキャストが語りました。また、映画にちなんだ「自分史上一番古い記憶は?」という質問では、それぞれの幼少期の“怪獣エピソード”が次々と飛び出し、キャスト陣の小さな秘密も明らかに……!?

監督は窪さんの作品を映画化したいと常々思っていらっしゃったということですが、改めて今回の作品に至った経緯を教えてください。

今泉監督 原作は『水やりはいつも深夜だけ』という窪さんの短編集の中の一篇です。普通だったらここに衝突を作るよね、という部分ではない小さな衝突や気持ちに焦点を当てた作品で、恋愛も恋愛と呼べるのか分からないくらいの高校生同士の距離感や時間がすごく繊細に描かれているんです。特に、父親と娘、新しい家族との時間や距離感に惹かれてこの作品をお願いしたいと思いました。

志田さんとは何度かご一緒していたので、プロデューサーとも志田さんは主人公の陽をできるんじゃないかという話をしていました。

志田彩良 初めて今泉監督とご一緒させていただいた映画の時に、監督の方から『いつか志田さん主演で映画を撮りたいと思っているのでよろしくお願いします』と言っていただいて。そこから私の中でもいつか今泉組で主演をするということが一つの目標になっていたので、まさかこんなにも早く叶えてもらえるとは……。

私は本当に今泉さんの現場が大好きなのでとても嬉しかったですし、事務所の25周年記念という大切な作品で、大好きな今泉組で主演をいただけて本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。

志田さんが演じられた主人公の陽はご自身から見てどんなキャラクターですか?

志田 脚本をいただく前に小説を読ませていただいたんですが、陽は強い部分も弱い部分含めて全てが愛おしい女の子だなと感じました。もし私だったらその場から思わず逃げ出したくなってしまうような出来事にも、逃げずにちゃんと向き合って前に進んでいく姿はすごく素敵だなと。

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そして井浦さんは志田さん演じる陽のお父さんを演じられました。ビジュアルやキャラクター面でも監督よく話し合われたそうですが。

井浦新 最初の段階で、自分のイメージする直という像を監督と楽しく話し合っていけて、扮装面では共通認識を持てていました。監督が現場で生まれていく俳優のお芝居を全て受け止めてくださって。小さな小さな出来事を繰り返していく物語なので、俳優のお芝居の繊細さが求められていたと思いますが、その繊細さを共演者と確かめ合いながらやっていけたと思います。

鈴鹿さんは、陽の幼なじみの同級生・陸役を演じられましたが、色々な思いや悩みを抱えた青年を演じる上で意識したことはありますか。

鈴鹿央士 陸くんは自分の家族だったり陽とのことだったり、自分の体だったり、進んでいく中で色々なところにどんどん壁ができていたんですけど。その壁に当たった時に人に当たらないすごく優しい人だったので、誰かに背中を押されたりして、自分で解決しにいくその姿がすごく優しいし素敵な男の子だなあという風に思いながらやっていました。

菊池さんは陽の義理のお母さん役ということで、今回(鈴木咲演じる陽の義理の妹)ひなたちゃんという怪獣のような子役さんもいらっしゃったそうですが、現場での印象的なエピソードなどはありますか。

菊池亜希子 ひなたちゃんがいい意味で子役っぽくなく、どう動くかわからないような場面がたくさんあって、子供らしさが炸裂している子だったので。お芝居している中でもどっかいっちゃったりとか(笑)。でもそれがすごくひなたっぽくて、(そのシーンが)OKになってたんですけど。「もういやだ!」みたいな感じで(笑)。ああ、もうひなたが出来上がっているなと思いました。

中井さんは陽の同級生・沙樹役で、陸とちょっとした三角関係のようなものも描かれていますが、演じられてみていかがでしたか。

中井友望 沙樹も家庭環境に何かしらのコンプレックスがあって。二人の男女の間に入る女の子がいたとしたら、すごく悲観的になったりドロドロすることが多いと思うんですけど、そうならないのは、陽と陸の関係性を見ていて納得しましたし、私自身沙樹を演じて強さや優しさを知りました。

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キャスト陣の“一番古い記憶”で怪獣エピソードが続出!?

今度は作品にちなんだ質問です。映画の冒頭に陸が「自分史上一番古い記憶って何?」と友達に聞くシーンがあるのですが、みなさんの一番古い記憶はどのようなものでしょうか。もしくは小さな頃の家族とのエピソードでも大丈夫です。

志田 小さい頃、家族で毎年のようにキャンプに行っていて、その買い出しで母とスーパーに行った時のことです。まだ確か3、4歳の頃だと思うんですが……。キャンプの買い出しだから、カートの上に飲み物や段ボールが山積みになっていて。母とお菓子売り場に向かったんですけど、そこで私が突然いなくなって。母は焦ってスーパー中を探して、サービスカウンターにも行って、でも神隠しにあったと思うくらい見つからなくて。

そしたら、突然カートの下から私が「ママにんじんあった〜?」と言いながら出てきたらしくて(笑)。私の記憶では、振り落とされないように必死にカートに掴まっていて、「お母さんすごい必死ににんじん探してるな」と思っていましたね。迷子常習犯だった、っていう話をよくされます(笑)。

井浦 実は、僕のデビュー作『ワンダフルライフ』のイベントでも同じ質問を突然されて。そこで突発的に話した内容と一緒なんですが、自分の父の故郷の山形の、真っ白い雪の景色の中でポツンと立っている、しんしんとふる雪の音とか、寒さとか……自分の記憶を掘り返していくと止まるところがその情景ですね。

鈴鹿 僕は二個上のお兄ちゃんがいるんですけど、小さい頃はよく喧嘩をしていたんです。大体僕が逃げる側で、ある時お兄ちゃんから逃げてたら転んじゃって、実家のリビングにある真四角の木の机の角に顔をバンって打って……。それで今も眉毛のところがはげているんですけど。あれ、これ言わない方がいいのかな?(笑)兄弟ともにすごい怪我常習犯でしたね。

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菊池 私は子供の頃、田舎育ちだったのでお母さんが子どもを置いて買い物に行っちゃう、みたいなことがよくあったんです。覚えているのは、ひとりで畳の部屋で寝ていてハッと目が覚めた時に母がいなくて。当時、メトロノームみたいな形の、声が録音できる機械があったんですけど、それでいつも「お母さんスーパー行ってくるよ」って録音してくれていたのが、その時は機械が壊れていたのか途中から聞こえなくなって。

お母さんがどこかに行ってしまって帰ってこないかもしれない、っていう想像をしてしまって。その機械を抱えて裸足のまま泣きながら玄関を飛び出て行ったらお母さんがちょうど帰ってきたんですけど。その時のお母さんがいなくなってしまった恐怖、みたいなものを感じた瞬間の気持ちはすごく鮮明に覚えていますね。

中井 私も怪獣で、その……。

一同 (笑)

監督 怪獣エピソードがいっぱいあったからね(笑)。

中井 今これを言うと驚かれるんですけど、それこそひなたちゃんみたいにすごく活発な子どもでよく走り回っていて。でも鈴鹿さんと違って全然怪我をしない不死身の女の子で。唯一した怪我がまぶたのところをテレビの角にぶつけて、噴水みたいな血が出てきたんですけど……それだけです(笑)。

監督 色々なエピソードが出た中であれですが(笑)。僕は、4歳とかそのくらいの時に父親とお風呂に入っていて。「力哉、目つむれ」「口開け、噛め」って言われて、石鹸を噛まされたっていう記憶をめちゃめちゃ覚えていて。噛んだものが石鹸なので、きれいにしたくてゆすぐんですけど、石鹸をゆすぐとさらに泡になるっていう地獄のような(笑)。虐待ではなくて、ただ子どもが可愛くてふざけてただけだと思っているんですけど、僕が泣いていて父親が横で笑っているっていう。

そういう(子どもが)可愛からこその、みたいな……あとは、ばあちゃんに噛まれて、その歯形が腕に残っているんですけど(笑)。それも4歳とか3歳くらいの記憶で、びっくりしたり悔しかったり悲しかったりみたいな記憶の方が覚えていることが多いですね。

強烈なエピソードも含め、みなさんお話いただきありがとうございました(笑)。
最後に、監督・キャストを代表して志田さんからメッセージをお願いします。

志田 私はSNSが主流になってきている環境で育ってきたので、陽のように顔と顔を合わせて相手に自分の気持ちを言葉で伝えるっていう経験がなかなかなくて。時代の流れとともにどんどん色々なものが便利になって、なくなってしまうものもありますけれども、人の温もりだったりとか、優しさだけは他の何にも代えられないなって最近すごく実感することが多くて。

この『かそけきサンカヨウ』という作品を通して、自分よがりでない相手を思う気持ちの大切さとか、そういう当たり前の大切さを伝えられたらな、と思っています。

INFORMATION
『かそけきサンカヨウ』
高校生の陽(志田彩良)は、幼い頃に母・佐千代(石田ひかり)が家を出て、父・直(井浦新)とふたり暮らしをしていたが、ふたり暮らしは終わりを告げ、父の再婚相手である美子(菊池亜希子)とその連れ子の4歳のひなたと4人家族の新たな暮らしが始まった。そんな新しい暮らしへの戸惑いを、陽と同じ美術部に所属する陸(鈴鹿央士)に打ち明ける。実の母・佐千代への想いを募らせていた陽は、絵描きである佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。
10/15(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
配給:イオンエンターテイメント
キャスト:志田彩良 / 井浦 新 鈴鹿央士 中井友望 鎌田らい樹 遠藤雄斗 石川 恋 鈴木 咲 古屋隆太 芹澤興人 海沼未羽 鷺坂陽菜 和宥 辻 凪子 佐藤凛月
菊池亜希子 / 梅沢昌代 西田尚美 / 石田ひかり
監督:今泉力哉
主題歌:崎山蒼志「幽けき」(Sony Music Labels)
原作:窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』(角川文庫刊)所収「かそけきサンカヨウ」
脚本:澤井香織 今泉力哉   音楽:ゲイリー芦屋
配給:イオンエンターテイメント