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【甲田まひるインタビュー】SNSネイティブ世代の彼女が感じる違和感

2021.11.05

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はい

小学6年生の頃からInstagramに投稿し、ファッショニスタとしてViViにも登場してくれていた甲田まひるさんが、シンガーソングライターとしてデビュー! 115日にリリースする1st EPCalifornia』の表題曲にはKing Gnuの新井和輝さん、勢喜遊さんが参加し、スタイリングもインパクトのあるMVとともに注目を集めています。まひるさんがこの曲で歌った、SNSの楽しさや息苦しさとは!?

ヒップホップと出会って、好きな音楽ががらっと新しくなった

まひるさんには中学生の頃からViViに出てもらっていますよね。

覚えてます! (玉城)ティナちゃんの対談で、二人ともボブでしたよね。懐かしい。

―20歳になった心境はどうですか?

中身は本当に何も変わってないですね。こんなにも変わらないのか、ってくらい(笑)。より頑張らなきゃな、とはもちろん思いました。

そんな想いも迷いも、初めて作詞作曲した歌「California」に込められていると思うのですが、そもそもジャズピアニストとして活動していたまひるさんが歌いたいと思ったのはどうして?

それまで自分が演奏する音楽はジャズだけだったんですけど、『PLANKTON』(20185月にリリースしたジャズアルバム)を出す直前にヒップホップと出会って、好きな音楽ががらっと新しくなったんです。そこからどんどんラップとか、ローリン·ヒルの歌などにハマっていったので、『PLANKTON』を制作してるときから次に出す音源はジャズではなく、ヒップホップやポップスを自分で作って歌いたいなと思っていました。

―<I was born in California>という歌い出しで始まりますが、まひるさんにとってカリフォルニアはどういう場所ですか?

行ったことなくて、ずっと行きたいと思ってる場所。憧れが強すぎて、デモを書いてるときに「ここで生まれた」というのを自然と歌っちゃってて(笑)。American Apparelとか、LAのファッションも本当に好き。MVもカリフォルニアで撮れたら楽しいなって思ってたんですけど、今はなかなか行けないから……

じゃあ、コロナが落ち着いて自由に海外旅行へ行けるようになったら、一番行きたいところはカリフォルニア?

行きたいですね。あ、でもまず韓国に行きたいです(笑)。とりあえず韓国に行ってから、カルフォルニアに行きたい(笑)。女性スタッフと話してると、絶対に韓国の話になって「行きたいよね」ってなっちゃう! 韓国が好きになったきっかけはK-POPなんですけど、そこからファッションとかメイクもいいなって思うようになりました。新大久保にいるとまじで楽しい(笑)。今回の曲でもK-POPのセクションを作って、MVでは踊りました。カリフォルニアを歌いながらも、韓国に行きたいという気持ちが入っちゃってます(笑)。

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何が本当かわからない今のSNSや世の中を表現したかった

California」はヒップホップK-POP~ロックなどとセクションごとにジャンルが変わる今っぽい展開の曲で、その上で、SNSが当たり前にある中で生きてきた世代の気持ちを歌っていることで、まひるさんが新しい世代の象徴であることを改めて印象付けているなと思いました。

曲の構成がバラバラでいろんなものが入っているのも、「カリフォルニア生まれ」という嘘の情報から入っているのも、何が本当かわからない今のSNSや世の中の感じとリンクするかなと思いました。

まひるさんはSNSをどう見て、どう感じているんですか?

私はSNSを始めたのが小6で、ないと無理な世代ですし。SNSって、人との距離感がめちゃ近くなるじゃないですか。会ったことがなくても知ってる気分になって、それがいいときもある。「海を越えて」という歌詞があるように、画面の中で世界中の人としゃべれたり、遠い人の日常が拾えたり、現地の女の子のインスタを参考にできたりして、それも楽しさですね。自分の好きなことが簡単に見つかるし、インスピレーション源にもなっています。

でも、流行ってるものやバズったものに注目が行くことが普通になってきているから、女の子たちのファッションとか考え方が、どんどん均一化されちゃうじゃないですか。果たしてそれが面白いのかって言われると、それぞれが好きなことをやってるほうが魅力的なんじゃないかなって感じていて。私も憧れの存在を真似しちゃって、自分がわからなくなることがあったので、私もその中の一人であるし。でも、好きなものをやっていくのが大事だということは発信していきたい。その両方の気持ちがあるので、それを曲の世界観や歌詞にしたいなと思いました。

まひるさんは、自分の好きなものがちゃんとわかってて自分を持ってる人だ、というイメージがあるけれど、実際は<ほんとの自分を探してる>

それはめちゃありますね。好きなものがコロコロ変わっちゃうのも、常に自分を探してるということでもあるし。自分が思ってることと、周りから思われてることって、ズレてたりするじゃないですか? 本当はそう思われたくないのに、そう見えちゃってるとか。そういうのって、みんなあると思うから。自分もその気持ちがわかるからこそ、影響力があるなら、それについて何かできないとダメだなということをずっと考えています。

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California」のMVを手がけたのは、藤井風さんや宇多田ヒカルさん、SuchmosなどのMVも手掛けられる山田健人さんですが、まひるさんから見て山田監督の魅力は?

海外のラッパーのMVとかって、アイデアが衝撃的だったり、新しいことをやってる感じがあると思うんですけど、同じような感覚がダッチ(山田健人の愛称)の映像にはあって、私はそれがすごく好きで。映像が綺麗だし美しさもあって、もう唯一無二ですよね。人間性もすごく素敵で、それが伝わってくる映像が魅力的だなと思ってました。そもそもユーモアがあるからこそアイデアが生まれるんだと思うんですけど、でも実はめっちゃ真面目で、結局作品はめっちゃかっこいい。そこが羨ましいんですよね。人として憧れます。今回撮るときに、「可愛くは映さない」って言われました(笑)。

―MVのファッションは、どのように選んだんですか?

大きく3つのセクションがあるんですけど、ロックなところは、グランジっぽい要素とか、Tシャツにジーパンみたいなラフな感じで古着で見つけてほしいですってお願いしました。K-POPのところは、衣装を作ってもらいましたね。黒いドレスは、アー写の撮影でも着たものです。アー写を撮るときに、カリフォルニアの背景紙を後ろに飾って、カリフォルニアにまったくいなさそうなドレスで撮る、という案を思いついたんです。

この背景、紙だって気付いてなかったです! 普通にストリートで撮ってるのかと思いました。

え、本当ですか! やば! そう、だから、そういうことが実際にSNSとかでも起きてるじゃないですか。

California」にはKing Gnuの勢喜遊さん(Dr)、新井和輝さん(Ba)も参加しています。この曲をライブでやるとしたら、勢喜さん、新井さん、山田さんにどんな服を着せたいですか?

ダサかっこいい系になってほしい! みんな気合入れすぎない、プライベートな感じがいいと思います。ダッチは私服そのまんまで出てほしいんですよ。MVに出演してくれたときも、「どんなの着ればいい?」って聞かれて、そのまんまが正にイメージ通りだったので、「いや今着てる服でいいよ」って言ったら本当にそれで出てくれました。そういうラフさがほしいから、勢喜さんと和輝さんも普段King Gnuで着てる格好とはまた全然違うゆるい感じで揃えたいですね。

最後に、まひるさんにとって「音楽」と「ファッション」とは?

自分を表現する2つのツールがある、というふうにいつも思っています。「歌はできるけど、毎日白いTシャツとジーパンしか着ちゃダメ」って言われても絶対無理だし、一生歌を歌わないでオシャレな格好だけするのも無理。インスタを始めたときから同時に表現できるものと捉えているので、自分を表現できる方法が2つあるという考え方をしていますね。

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甲田まひる
2001年5月24日生まれ 沖縄県出身、東京都育ち。
小学6年生の時に始めたInstagramをきっかけにファッションスナップサイトでブロガーデビュー。ファッションアイコンとして業界の注目を集め、ファッション 誌の連載やモデルとして活躍。幼少期から都内ライブハウスを中心にジャズピアニストとしての活動も行い、2018年にジャズアルバム『PLANKTON』を発表。2019年には映画『台風家族』を皮切りに俳優としての活動もスタートし、様々な方面で活躍している。2021年、シンガーソングライターとしてデビュー。
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INFORMATION
甲田まひる
1st DIGITAL EP『California』
2021年11月5日配信
ベースにKing Gnuの新井和輝、ドラムには同じくKing Gnuの勢喜遊、さらに映像監督の山田健人がギターで参加している「California」、イントロから始まるベースのループが特徴的で、 赤い糸がテーマになっているラブソング「Love My Distance」、ジャズピアニストとしても活動していた彼女自身のピアノ演奏によるインスト音源「California.pf」、そして「California」のデモ音源である「California_demo@201113」の4曲が収録。

Photos:Mariko Kobayashi  Interview&Text:Yukako Yajima