エンタメ

ジャニーズの“デビュー”って一体なに?人気ジャニーズJr.のファンがCDデビューを待ち望むワケ

2021.11.18

CMを見ると続きが読めます。CMを見ますか?

はい

11月12日、遂になにわ男子が「初心LOVE(うぶらぶ)」でCDデビュー! 新しいグループのデビューが発表になるたびに大きな話題を呼ぶジャニーズですが、デビュー前のジャニーズJr.であっても、全国ツアーにドラマ・映画主演、雑誌の表紙を何度も飾るほど人気のあるグループやメンバーが大勢いるのも事実。また、過去にはCDリリース以外の形でデビューを果たしたグループも。逆に、CDをリリースしたにも関わらず、デビュー扱いにはならない場合もあるんだとか……。そんな中で、ジャニーズの“デビュー”とは一体どんなものなのか? なぜファンはそれほどまでに“デビュー”を待ち望むのか? について、ライターの新亜希子さんに詳しく語っていただきました。

ジャニーズJr.のファンは「もしかしたら」に期待しながらも、怯え続けて……。

2021年11月12日、なにわ男子が「初心LOVE(うぶらぶ)」にてCDデビューを果たしました。

7月28日、なにわの日。「もしかしたら」と思っていたファンも多いはず。けれど、ジャニーズJr.のファンは何度も「もしかしたら」の空振りを経験してきました。さらに言えば、良からぬ「もしかしたら」に怯え続ける戦いの日々でもあって……。

だからこそ、CDデビュー決定の瞬間というのは、この上なく特別なもの。もちろんデビューがゴールではないけれど、メンバー全員そろってスタート地点に立てるという喜びと安堵。彼らの涙の理由は、ジャニーズファンにしか想像できないものでもあるかもしれません。

今回は改めて、ジャニーズにおける「デビュー」がどう特別なのか、なぜそんなにも嬉しいものなのかを解説してみたいと思います。ただし有識者でもなんでもない、いちライターの私見であることはご理解いただけますと幸いです。

Page 2

“デビュー”とはもはや概念の世界?

そもそも「デビュー」って何なのでしょうか。

単独アリーナツアーを開催してもジャニーズJr.。Instagramアカウント、単独YouTubeチャンネルを持っていてもジャニーズJr.。2年連続グループでのドラマ主演を果たしても、舞台主演を果たしても、何度雑誌の表紙を飾ろうともジャニーズJr.。ミュージックビデオが200万回再生されていてもジャニーズJr.……。

一般的に、ジャニーズの「デビュー」とはCDリリースを指しますが(A.B.C-ZはCDではなくDVDリリース)、生田斗真さんや風間俊介さんのように「ジャニーズJr.からの卒業」を発表し、デビューとする場合もあれば、ふぉ~ゆ~のようにジャニーズ事務所公式「Johnny’s net」のアーティストページにグループ名が記載されたことで、ジャニーズJr.卒業とするパターンもあります。

一方で「CDをリリースした(参加した)」にも関わらず、デビュー扱いにはならない場合も……。単発のプロジェクトだったということだろうな、というふうに飲み込むしかないですよね。

平たく言えば、形がなんであれ「もうJr.ではないですよ」という発表があればデビューなんでしょうし、それはつまり「ジャニーズ事務所所属タレントとして正式な認証を受けた」ということなんだと思います。その証拠として、公式ホームページにきちんとスペースが与えられる。「単発ではなく、本格的なプロジェクトとして始動した」、そのタイミングをデビューと呼ぶのだろうなと。もはや概念の世界です。

もちろん、CDを出してくれれば分かりやすいですし、ファンもCDという「形」が欲しいという思いはきっとあるはず。それでも、先述したようなご活躍をしているなら「デビューしなくても充分じゃない?」と思う方もいるかもしれません。でも、そうではないんです。

Page 3

形あるものを手元に置いておきたいファン心理

ジャニーズJr.はどれほど人気があろうとも、とても不安定な存在です。考えたくはないですが、人気ユニットでも容赦なく解体はあり得ますし、突然いなくなってしまうこともある。ファンは常に、明日の保証もない不安な日々のなかにいます。明日も彼が、このユニットが、変わらず存在するという約束はありません。

つまり、「言葉だけじゃなくて、形で示してよ!」という、トレンディドラマみたいな心情なわけですよね(昭和生まれ)。安心材料として発表がほしいし、CDも出してほしい。だからジャニーズのファンは、CDを買うのではないでしょうか。もちろん、サブスク解禁が進んでいないという背景はありますが、やはり「CDデビュー」が当たり前ではない世界だからこそ、形あるものを手元に置いておきたい気持ちが大きいのかもしれません。

ちなみになにわ男子は、今回のツアーでジャニーズ初「全公演のMCをYouTubeで生配信」という試みをし、その結果、デビュー決定の瞬間を多くのファンと共有しました。そういった意味でも、幸せなデビューなのではないでしょうか。

ライブ中、本人たちも知らされていないなかでのデビュー発表としては2011年のKis-My-Ft2も同様の形。10年後には、デビューの瞬間をYouTubeで分かち合う日が訪れるなんて……ジャニーズの文明開化、ありがとう。この2年間で「配信」という形が進んだ影響もあったのかもしれませんね。

Page 4

“デビュー”の瞬間を分かち合える喜びは、ジャニーズの醍醐味

ジャニーズだけでなくさまざまなアイドルを取材していていつも感じるのは「どのグループもみんな、ただひたすらに頑張っている」ということ。

「ジャニーズはいいよな、恵まれてて」。そうした世間の(一部の)声を聞くたび、彼らにかかる「1位を獲って当然」という計り知れない重圧を想像しますし、そもそもデビューを掴むことがどれほど大変か、頑張っていたのに運が巡らず、夢を諦めた人がどれほどいたか、など……いろいろなことを考えてしまって、少し悔しくなるのも正直なところ。

だから、ジャニーズにおける「デビュー」がいかにすごいことなのか、奇跡みたいなことなのかをほんの少しでも覚えておいていただけたら嬉しいし、今この瞬間もたくさんのジャニーズJr.が夢に向かって頑張っていることを知っていてほしい。

ジャニーズJr.きってのエンターテイナー・Travis Japan、ローラースケートパフォーマンスの常識を覆すパワフル集団・HiHi Jets、ジャニーズの王道を真っ向から突き進む美 少年、ジャニーズが誇る本格派バンド7MEN 侍、全員が主役級のポテンシャルを持つ少年忍者、ようやく花開いた実力派の苦労人・IMPACTors、華のあるパフォーマンスが目を引くJr.SP。

関西ジャニーズJr.も勢いがあります。個性に次ぐ個性と実力を兼ね備えたAぇ! group、フレッシュな現役高校生・Lil かんさい、これから先が楽しみでならないBoys be、未知の可能性を秘めた最新ユニット・AmBitious。もちろん東西ともに、ユニットには所属していないけれど頑張っているジャニーズJr.がたくさんいます。

ジャニーズに限らず、ファンになるって楽しいことばかりではありません。でも、幸せなんですよね。そして「デビュー」という最高の瞬間を分かち合える喜びは、やっぱりジャニーズの醍醐味。だからみんな幸せになってほしい、これがいちファンの願いです。

最後になりましたが……なにわ男子の皆さん、デビューおめでとうございます!

Page 5

PROFILE
ライター 新 亜希子 音楽・エンタメ関連の媒体を中心に執筆活動を行う。著書に『なぜ90年代J-POPはあんなにアツかったのか?』

Text:Akiko Shin