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涙腺崩壊させたらごめんなさい…!マンガ大好き芸人・吉川きっちょむオススメの恋愛作品

2021.12.19

CMを見ると続きが読めます。CMを見ますか?

はい

はじめまして。本日からNET ViViでマンガの紹介をしていくことになった、吉本興業所属のマンガ大好き芸人、吉川(よしかわ)きっちょむと申します。四六時中マンガばっかり読んでる僕がまさかViViさんに連載を頼まれるなんて、と驚きましたが、あわあわ狼狽する売れてない芸人を想像させてばかりいても忍びないので、これからは胸を張ってViViと共に歩んでいく人生を楽しもうと思います。さて、マンガを浴びるように読んでいる僕ですが、どちらかというと少女マンガより少年マンガ、青年マンガが好きで、そのあたりのラインナップを中心にViVi読者さんに読んでほしい作品を紹介していきたいと思っていますので、ぜひお付き合いください。

今回紹介するのは、ピュアな恋愛と心に染み渡る複雑な感情をまっすぐ届けてくれるこの2作品。

一途すぎて苦しい……
青野くんに触りたいから死にたい

【あらすじ】高校2年生の刈谷優里は同級生の青野くんに告白し付き合えることになるが、付き合って2週間で青野くんが死んでしまう。絶望した優里があとを追おうとすると、幽霊になった青野くんが止めに現れ、思いとどまった優里と幽霊の青野くんの奇妙な共同生活が始まる。

©椎名うみ/講談社

僕がいま一番好きなマンガは何かと聞かれたら迷わず『青野くんに触りたいから死にたい』と答えるほど、ぶっちぎりで大好きなマンガです。

何もかもが初めてのピュアな優里と、幽霊の青野くんの生と死を超えた「ラブストーリー」であるのと同時に、たびたび変貌してしまう黒青野くんや、周囲で起き始める怪現象はまさに「ホラー」であり、この事態を通じて新しくできた友人たちと協力する「青春劇」でもあるのです。

少女マンガのような可愛らしい絵柄からは想像できないほどにじわじわと怖い展開に連れて行かれるギャップも大きな魅力なんですけど、このマンガのド真ん中にあるのは愛の物語だと思っています。

主人公の優里は、友達もいなくて初めて話しただけの青野くんを好きになり、青野くんが死んだから自分も死ぬと手首を切ろうとしてしまうくらい何も持ってなかった子。その根底には、まともに愛を与えてくれなかった家族との歪んだ関係があるとのちに分かってきます。

そんな優里が、青野くんや友達とのコミュニケーションを通して様々な「愛」を知って、相手への理解を深め、自分がしてきたことの残酷さに気づくことで成長を遂げていきます。

いままで誰も拾えなかったような繊細な生きた感情を優しくすくい上げて、ハッとするような血の通った言葉で語りかけてくるので、毎回読み終わったあと感動して深く浸ってしまう素敵な作品です。

コメディ要素も含まれるなど、複数のテイストが混在し、脳がバグるような強烈なパワーを持ったこの作品。2022年春からWOWOWでドラマ化も決まっているので、この素晴らしいエンターテイメントをぜひ先にマンガで体験してほしいです。

NET ViViで試し読み

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ピュア過ぎて心配!
ひとりぼっちで恋をしてみた

【あらすじ】何をしても上手くいかず言いたいこともうまく言えず、ドジでおっちょこちょいでよく転んで「天然な女の子」と言われがちな女子高生・有紗は、豊崎先生に恋をしている。そんな有紗がある日、人に迷惑をかけたくないからと家出をして、行く先々でいろんな人に出会い、助けられ成長していく。冬の北海道が舞台の物語です。

©︎田川とまた/講談社

このあらすじを見ると、ほっこりほのぼのラブストーリーだと思ってしまいそうですが、それは少し違います。

このマンガ、絵もリアルで上手いんですが、登場人物の性格の掘り下げ方がとんでもなくリアルなんです。痛々しいほどに切なくて、その不器用さと切実さに喉がきゅうっと締め付けられて、冬の寒さが身に染みて、僕は読みながら震えて静かに泣いてしまいました

実在の、生身の女子高生を描いているんじゃないかと思ってしまうほどに、彼女はマンガの中で精一杯生き、パワーに溢れ、希望に輝いていて、読み終わったあとはしばらく天井を見上げていました。

主人公の有紗のように、周囲から言われる「天然」という、呪いのような言葉に苦しめられた人はたくさんいるんじゃないでしょうか。

言われた当人は「天然」を可愛いなんて全く思えなくて、馬鹿で鈍臭くて不器用で騙されやすくてトンチンカンで人に迷惑ばっかりかけて誰にも理解されなくて……と心の中でやりきれない孤独を抱えていることも多いのではないかと思います。

そんな有紗は、何をしても人に迷惑をかけてしまう自分がみんなの優しさに甘えてここにいちゃダメだと思い込んで家出し、自分を変えるべく冒険の旅を始めます。

すごく好きなシーンがあって、有紗が歩き疲れてゴミ捨て場で凍死しかけていたところを助けてくれた水商売の女性・千晶さんがすっごくかっこよくて、親切を素直に受け入れられないでいた有紗にバシッと言うんです。

「世ん中にはね『ありがとう』っていう便利な言葉があんの!!」(1巻第4話)

痺れました。堰を切ったように有紗は「ありがとう」を伝えて、人からの好意を素直に受け止めることを覚えるんです。

こうやって出会った人に少しずつ影響されて、どんな自分でも受け入れて付き合っていく覚悟を決め、前を向いていく様子が涙腺にグッとくるので、全4巻ぜひ読んでいただきたいです。

コミックプラスで
試し読み

今回2作品紹介しましたが、どちらも恋愛や人との関わりを通して愛を知って成長し自分を大切にできるようになる話になっています。

冬って落ち込んだ気持ちになりやすいので、自分に自信がない方にはぜひ読んで前を向いてほしいなと思って選びました。

ぜひ素敵なマンガライフをお過ごしください!

PROFILE
吉川きっちょむ
1988年12月11日生まれ。吉本興業所属のお笑いコンビ。2021年10月15日に「ウーピーウーピー」を結成。吉本一最新の漫画に詳しい芸人の一人。よしもと漫画研究部の部長。
Instagram:@kittyom
Twitter:@kittyomz

Text: Kittyom Yoshikawa Photo: Lana Shimada

吉川きっちょむさん
インタビュー