SNSの総フォロワー数13万人超え。現役モデル・TikToker(ティックトッカー)として幅広く活躍中の美容男子・ケヴィン(Kevin)さん。今回はあまり明かされていない彼の素顔を探るべく、NET ViViが独占インタビューを実施。22歳で人気インフルエンサーの地位まで上り詰めた軌跡から、「社会的に下に見られていると感じる場面が多い」TikTok(ティックトック)での活動を通して感じた本音、新卒でフリーランスとして働くに至った経緯までを赤裸々に語ってくれました!
TikToker・ケヴィンが誕生するまで
―メイクはいつ、どんなきっかけで始めましたか?
高校2〜3年生の頃、「お前ニキビやばいよ、大丈夫?」と指摘されるほどひどい肌荒れに悩まされていて、それが原因で自信を失い家に引きこもるようになってしまったんです。だけどある時、「今の状態を脱却しないと……」と思い、肌荒れを隠すためにコンシーラーを使い出したのが、メイクを始めたきっかけです。
本格的にTikTokを始めたのは、今から約1年半前です。コロナの影響でモデルの仕事が減り、学校ではオンライン授業が始まり……という時でした。最初はダンス動画しか上げていなかったのですが、メイクを始めた時から、いつか同じ悩みを抱えている人に勇気を与えられるような存在になりたいと思っていたので、僕自身が肌荒れを改善したスキンケア方法やメイクテクを紹介するスタイルに一気に変えたんです。視聴者さんからのアドバイスも積極的に取り入れていくうちに、だんだんとフォロワーが増えていきました。
―TikTokを始めた時の周りの反応は?
2021年の3月に大学を卒業したので、始めた時はまだ学生だったのですが、その頃は周りの目を気にする気持ちの方が強く、TikTokで活動していることを周囲には伝えていませんでした。
僕の活動に気づいた人からは、「それで生活していけんの?」とか「ケヴィン将来大丈夫かな」という否定的な声がほとんどで、前向きな言葉はあまりかけてもらえなかったです。その人たちも、僕の投稿がバズったりフォロワー数が増えてきた途端に、手の平を返したみたいに反応が変わって(笑)、「もう本当に人間って!」と思っちゃいました(笑)。
だけどそのお陰で自分を守れるのは自分だけだということに気づけたし、一人でやっていけるように頑張ろうという考え方の軸ができたと思っています。

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インフルエンサー=仕事の現実
―他のSNSではなくTikTokに的を絞った理由は?
TikTokは1本2時間くらいで動画が出せるので、YouTubeと比較して始めやすかったというのもありますが、1年半前はTikTokの勢いが出てきた時だったので、選択肢がそれしか思い浮かばなかったんです。TikTokを始めたのがちょうど就活の時期だったということもあり、やるからには卒業までにこれを仕事にしたい!と思い投稿を頑張りました。
―SNSを使ううえで気を付けていることは?
撮影する時はなるべく加工をしないで、ありのままの姿を見せるように心がけています。数年前からSNSで心を病む人が多いというニュースを耳にしますが、それは発信者である僕自身も他人事ではないと思っています。そこでSNS上と現実の差を広げることは自分を精神的に追い込む結果になると思い、自分を守るためにできることの一つとして加工しすぎないことを心がけています。
あとは他人と自分を比べることをやめました。SNS上では本当に自分本位でいいと思っていて、自分が納得するもの、自分にとってプラスになるものだけを取り入れるようにしています。発信する場合はどうしたらもっと綺麗になれるか、自信が持てるかを考えるきっかけ作りができるように工夫する。そういう根本的なSNSのあり方をみんなは忘れちゃってるんじゃないかな。
―求められているものと自分がやりたいことの乖離はありましたか?
周りの要求に応えようと自分のポリシーに反することをやった時期もあったのですが、見ている人に求められる“ケヴィンらしさ”を損なえばみんなが離れていってしまうし、僕自身やる意味がないと感じたので、それからは自分らしさを表現するために努力しています。

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―SNSの影響力を感じたエピソードは?
TikTokを始めた当初は、商品の値段や買った場所、品番などを載せていなかったのですが、フォロワーが増えるにつれて、「いくらですか?」とか「何色ありますか?」、「どこで買えるんですか?」というコメントが急に増えました。他にも、以前あるブランドで僕がおすすめしたアイテムだけが売り切れているのを見た時に、本当にみんな買ってくれているんだなと実感しました。
―仕事での信念はありますか?
影響力があるTikTokで活動しているからこそ、“自分が本当におすすめしたくない商品は紹介しない”ことが仕事でのポリシーです。フォロワー数やいいねが多くても信憑性に欠けた内容の動画を出している人が結構いることに気がついて……数字が伸び悩んだ時期も数に囚われず質を重視して動画を作ってきました。もしSNSで嘘をついたりしたら、きっと後で自分に返ってくるじゃないですか。僕ビビりなので(笑)、その性格がかえって自分を守ってくれたと思っています。
―ちなみに今本気でハマっている美容アイテムは何ですか?
それこそViVi(2021年12月号)で紹介させていただいたモディッシュの『hi-biオイル』。あれは美容感度が低い人、高い人問わず全国民に使って欲しいです! あと僕の一番お気に入りの成分はセラミドで、それが入っている商品を見つけると、「わぁこれセラミド入ってる!」ってブワーッと買っちゃいます(笑)。ひと言でセラミドと言っても、植物セラミドか天然セラミドかヒト型セラミドかで保湿力が変わってくるから、何のセラミドが入っているのかは気にしてチェックしています。
▼ケヴィンさんのバッグの中身は……?

【左から】クッションファンデーション(NARS)、アンプルバーム(NATURE REPUBLIC)、香水(DIOR)、ハイライトバーム(ETVOS)、クリームチーク(CANMAKE)、精油カラーリップスティック(THE PUBLIC ORGANIC)、ティント(Fujiko)、リップ プランパー(DIOR)、グロス(DIOR)、ペンシルアイライナー(msh)、アイブロウペンシル(UR GLAM)、ブラシ/すべて本人私物 ※各ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
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TikTokerとしての本音
―TikTokerとして活動する中で葛藤を感じたことはありますか?
初めてお会いする方にご挨拶した時に、「TikTokerか(笑)」って下に見るような反応をされたことがあったり、知り合いに「自分のことをなんて紹介すればいいかな?」って聞いたら、「TikTokerじゃなくてモデルって言った方がいい。TikTokerっていう時点で負けだから」と根拠もなく言われたことがあって、今はまだ社会的に下に見られているなと感じる場面が多いです。自分としてはこの仕事に誇りを持っているので、くやしい思いをすることもあります。
だけどYouTuberも最初の頃は「えっYouTuber?」って言われていたじゃないですか。それが今となっては、子どもたちが憧れる職業になっているんだから、TikTokerの現状が続くのも時間の問題かなと思っています。
―今後挑戦したいことは?
今後やりたいことは自分のコスメブランドを持つことです。もう一つは自分のエステサロンを開業すること。肌を綺麗にしたくてもセルフケアでできることには限度があると思うので、綺麗になるための糸口を提案するエステを作りたいと考えています。他には、SNSで活動している美容系インフルエンサーの方の中には誤った表現をしている方も結構いるので、TikTokのスクールビジネスもやってみたいと思っています。
また、インフルエンサーとしてスピーカー的な役割を果たしていきたいので、ビューティーを入り口に社会問題や環境問題に訴えかける活動をしていきたいと思っています。僕自身プライベートではすごい弱々なんですけど、こっちの世界では「ヨッシャー!!!」って頑張れるので(笑)、この立場を上手く使って社会問題に訴えかける活動をしていきたいです。

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現代の働き方について
―新卒で正社員ではなくフリーランスとして働くことに抵抗はありましたか?
ぶっちゃけ抵抗はめっちゃありました。中学生の頃から銀行員とか国際ビジネスに関わる仕事に憧れがあったので、その道に進むための教育を選んで受けてきたし、就活して大学を卒業して良い企業に入って……という流れを想像していたから、まさか自分がこうなるとは思わなかったです。
僕自身、「YouTuber? 絶対将来的には正社員になっておいたほうがいいでしょ!」って言っていた側なんですよね(笑)。もともとそういう固定観念があったのですが、いろんな人と出会う中で「今は正社員だからって会社が守ってくれるとは限らない」という意見があることや、「形は気にせず好きなことをやる」人がいることを知って考え方が変わったんです。だからもし周りの人が何か意見を言ってきたとしても、“こうあるべきだ”という一般論は絶対ではないと思っています。それが自分に合うか合わないかは、まず自ら足を踏み入れて自分の目で見て判断しないと分からないから。
今の仕事は、本当に美容が好きな僕でも、実際にそれを仕事にしたらどうなるんだろう?って不安だったんです。“何事も続けることが大事”って言うけど、好きじゃないと続けられないから。だけど今、嫌なことがあっても続けられているということから、心の底からこの仕事が好きなんだと気づけました。やってみないと分からなかったです。
―もし自分の夢への一歩が踏み出せない人がいたら、何と声をかけますか?
これは過去の自分にも言いたいことなんですけど、「今は不安でも、好きなことにチャレンジしてみな?」って伝えたいです。死ぬこと以外はかすり傷! もし思い詰まった時は、宇宙規模で考えると今抱えている悩みや不安がちっぽけだって思えて気持ちが楽になるから、僕はそうしています。不安を抱えたままでは何も変わらないし、周りの意見に囚われず、とりあえず自分で選択してチャレンジするべき。絶対なるようになるから。

TikToker・モデル ケヴィン(Kevin) 大学時代からモデルとしても活動し、22歳(2021年12月時点)の現在はTikTokをメインに活動している。現在SNSの総フォロワー数は13万人超え。TikTokではスキンケア方法やトレンドコスメの紹介はもちろん、メンズメイクのHow Toまで美容情報を幅広く発信し、それが“参考になりすぎる”と話題。TikTokkonnichiwakevin
Instagramkonnichiwakevin
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