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9番街レトロ・京極風斗の連載【0か100かで生きてゆく】#12「レールの敷かれた人生」

2022.01.26

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神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動している芸人「9番街レトロ」の京極風斗(きょうごく・かざと)さんは、極端なほどに“0か100か”で生きている。「この先、どう進めばいい?」「このまま夢を追いかけていいのか……」いわゆる一般的な“レール”から外れ、夢に向かって突き進む京極さんが考える“幸せの基準”とは?

9番街レトロ・京極風斗
連載【0か100かで生きてゆく #12】

ーレールの敷かれた人生

Illustration: Kazato Kyogoku 

幸せの基準は人それぞれ

「レールの敷かれた人生」なんて表現がありますね。

大学を出て、就職して、結婚して、子供を授かって、定年で退職して、家族に看取られて天国へ。

個人的には簡単に実現していける項目ではないと思うのですが、「レール」なんて言われるぐらいですから、これが最も真っ直ぐな人の道なのでしょう。

いわゆる「普通の人生」ってやつです。

なんとなくそう生きるのが安定している感じがしますし、親がそれを望むケースが多いです。

 

みなさん夢はありますか。

さきほど挙げた「レールの敷かれた人生」という夢がある人は除きます。

それ以外の、レールから外れるような夢です。

 

例えば僕は「芸人として売れること」が夢です。

レールから外れ、山に突っ込み、猪を横目に裸足で駈けるような人生。

そんな人生を歩みたいと周りに打ち明けるとどうなるでしょう。

どうかしていると思われます。

「そこそこ勉強して、そこそこの会社に入れば、幸せになれるのに」と。

大きなお世話です。

 

幸せの基準など人それぞれなのに、「自分がそれで幸せだから、もしくは自分がそうなりたかったから、だから誰にとってもそれが幸せに決まっている」と思っている。

 

無視でいいです。

もし夢が破れたら「だから言ったでしょう」と言われるでしょう。

 

それも無視でいいです。

そういう奴は、成功したらしたで、「運が良かっただけ」と言うでしょう。

どのみち否定されるなら好きにした方が良いじゃないですか。

人生に安定したレールがあると本当に思っている人間なんて、相手にしなくていいです。

僕はレールに沿っていようが外れていようが楽しめる人間です。

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人生はどのみち危険まみれ

「レールの敷かれた人生」なんてのは、学歴の価値が揺らがないと思っている、就職した会社が潰れないと思っている、結婚相手と変わらない関係性を築けると思っている、子育てに大きな問題が起きないと思っている、退職金が出ると思っている、そもそも天寿を全うできると思っている人間の妄想です。

それぞれ一切の確証はありません。

「どんな道にもリスクがある」のです。

その道が自分に向いているかどうかは、その道を歩いてみないと分かりません。

一度進んでみてすぐに引き返すのは恥ずかしいことではありません。一歩目を踏み出さずに諦める人間よりよっぽど利口です。

 

夢がある人間が、初めから夢を諦めるのは愚かです。

ここからが大事です。

別に僕はレールから外れることだけを正当化しているわけではありません。

レールから外れたなら、自分の人生に不平不満を言ってはいけません。

「レール」というとかなり整備されたイメージですが、正しいイメージとしては「轍」です。

先人たちが通った道。

「そこを進むと安全だ」という幾億の経験が作った道。

その道を無視して、草むらに足を踏み入れたくせに、「蛇に咬まれた」と叫んでも「だから言ったでしょう」としかなりません。

せっかく示してもらった指針を無視するなら、それなりの覚悟を持ってやるのが、夢を追う者の責任だと僕は思います。

結局レールに沿った方が良さそうな例えになりましたが、レールというのは、「今までは」大丈夫だったという証でしかありません

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要は確率の問題です。

「レールの敷かれた人生」の方が、失敗の確率が低かったというだけの話です。

レールから外れるのは当然危ない。危険まみれです。だからといって、「レールに沿ったら安全」というわけではないとも思うのです。

どのみち冒険なら、やりたいことを諦めないでもらいたいというお話でした。

もしこの記事を読んで、「レールから外れてみようかな」と思った方は、贅沢を言っている自覚を持ってください。

世の中にはスタート地点が沼の人間もいるのです。

夢うんぬんの前に、まずは、レールに沿うのかどうかを選べる環境に感謝してくださいね。

photo by: Ryo (Kotora)

連載『9番街レトロ・京極風斗の0か100かで生きてゆく』は第2・4水曜日に更新!

PROFILE
京極風斗(きょうごく・かざと)
1995年8月9日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属のお笑いコンビ。2019年4月1日に9番街レトロを結成。神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動中。
コンビのYouTubeチャンネルは毎日更新!
個人チャンネル「京極風斗の道楽ちゃんねる。」ではアートとインテリアを軸に、好きなことを週2(月・木曜)で配信。絵が得意で、自らデザインしたオリジナルグッズをSUZURIで販売している。

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9番街レトロ・京極風斗の連載【0か100かで生きてゆく】#11「せめて家賃分は楽しまないと。」

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Photo: Ryo (Kotora) Text & Illustration: Kazato Kyogoku