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偽ブランド品を買うのは罪になる?知らずに犯罪組織に加担している可能性も……

2022.04.15

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ブランドのコピー商品を購入することがよくないとは感じていても、それがなぜ問題なのか、正確にはわからない人も多いのではないでしょうか。今回は「コピー商品の問題点」について、ライターの平川裕さんに解説していただきました。

YU HIRAKAWA

幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウィークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からは法律事務所のPRマネージャーを務める傍ら、フリーランスとしてファッション及びファッションロー関連記事の執筆も行う。
Twitter ▶︎@_YuHirakawa

インフルエンサーが偽ブランド品着用で炎上

今年1月、韓国のインフルエンサー、ソン・ジアがハイブランドのコピー商品を着用したことで炎上し、活動停止に追い込まれる事態にまで発展しました。

騒動のきっかけとなったコピー商品は、ソン・ジアが出演したNETFLIXの恋愛リアリティーショー「脱出おひとり島」で着用したシャネルのロゴ入りトップスでした。これ以外にも、ディオールのロゴをあしらったトップスや、ヴァンクリーフ&アーペルのアルハンブラコレクションのネックレスのコピー商品など、SNSにアップしていたアイテムの数々が偽物だと発覚。本人も偽物を着用していた事実を認め、謝罪しています。

ソン・ジアを批判する声が多かったものの、一部のファンからは「偽物を着用していたことがそんなに悪いの?」と擁護する声もあったようです。

感覚的に「ニセモノは“悪”」と思っている人は多いはず。でも、実際のところ、なぜ偽物は“悪”なのでしょうか。

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1.“コピー”の2種類の定義

“コピー”とは“真似する・模倣する”という意味ですが、大きくは、ソン・ジアのケースのように、そのブランドが実際に販売している商品であるかのように誤解させる“コピー商品”のパターンと、②デザインの一部が(意図的であっても偶然であっても)似てしまったというパターンに分けることができます。

①にはいわゆる“スーパーコピー”と呼ばれる、実在するアイテムに精巧に似せて作られたものも含まれますし、そのブランドが実際は販売したことがないアイテムでも、実在していてもおかしくない商品が作られる場合もあります。いずれにしても、ブランドが本当に販売しているアイテムだと消費者を騙そうとして製造・販売されている点が特徴です。

これに対して②は、独自のブランドのアイテムとして販売していますが、別ブランドがすでに販売しているアイテムとデザインが似てしまったことで問題になるケースです。特にファッションはトレンドが大きく影響する世界。トレンドを追い求めるあまり、すでに発表されているアイテムと似た商品を発表すれば、「パクリ商品」とみなされてしまう恐れがあります。

似ているからといって必ずしも違法だというわけではありませんが、違法でなくともSNSで炎上してしまうリスクを抱えてしまうことになります。

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2.“コピー商品”は法律でどう定められている?

今回はソン・ジアのケース、つまりブランドが実際に販売している商品であるかのように誤解させる“コピー商品”について解説します。

“コピー商品”は、商標権や意匠権など、知的財産権を侵害するアイテムを指します。

例えば、ソン・ジアが番組で着用した偽物のシャネルのロゴ入りトップスの場合、シャネルのロゴの権利を持っていない第三者が無断で使用し、偽物のトップスを製造販売したので、これは商標権侵害に該当します。

商標の一番大切な機能は、“商標権を所有するブランドの商品と、それ以外の第三者の商品を区別する”ことです。消費者は「シャネルの商品だから品質もいいし、価格が高くても納得」と考えます。つまりシャネルのロゴが品質を保証する役割を担っていることになります。それを他者が無断で使用すれば、消費者はシャネルの正規品だと誤解して商品を購入してしまう恐れがあるので、法律で第三者が無断でロゴやブランド名などの商標を利用することを禁止しています。

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3.コピー商品を買うとどんな悪影響がある?

あくまでコピー商品を作って販売した人が商標権侵害を犯しただけで、あなたがコピー商品を購入したからといって、ただちに違法行為を犯したことにはなりません。それでも、コピー商品を購入すると以下のような危険があるので注意が必要です。

知らないうちに犯罪組織に加担しているかも?

コピー商品を生産・販売しているのは犯罪組織である場合が多いです。あなたがコピー品を購入した際に支払った金銭が、犯罪組織の活動資金になることもあり得るので、コピー商品を購入しただけでは罪にはなりませんが、社会的には大きな影響を与えることになります。

肌荒れやケガの元?健康被害の恐れも。

ハイブランドのアイテムが高価なのは、品質を保証するために使用する素材や製造工程にこだわり、高品質なものを提供するためでもあります。

その一方でコピー商品は表向きのデザインやロゴだけを真似るだけで、品質までは真似てくれません。そのため、本来は使用されていない染料や有害物質などが含まれている恐れもあり、コピー品を着用して健康を害する恐れや、縫製や作りが粗かったためにケガをしてしまう恐れもあるのです。

自分が罪に問われる可能性も!

自分がコピー品を「買うだけ」であれば違法行為ではありませんが、フリマアプリやオークションサイトで転売した場合、自分が「コピー商品の販売者」の立場になってしまうため、罪に問われる可能性があります。

また、これまでは海外からコピー品を「自分で使用するため」に購入して持ち込むことに法的な規制はありませんでした。ですが、改正によって今年4月から個人で使用する目的であってもコピー品を海外から持ち込んだ場合は商標権侵害となり、税関で差し止めることができるようになりました。つまり、せっかく安価でコピー商品を購入しても、没収された上に、支払った金銭も戻ってこない、ということが起きる可能性があるということです。

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4.コピー品を買うことでブランドが消滅する?

「憧れのブランド、でも手が届かない……。」

コピー品を購入してしまう一番の理由はこれではないでしょうか。こうして多くの人が正規品ではなくコピー品を購入すると、正規のブランドはビジネスチャンスを失ってしまいます。「自分一人だけなら大した損害は与えない」と思いがちですが、こう考える人が増えれば、ブランドにとっては大きな損失です。

ハイブランドは、高品質の商品を作るために莫大な費用を投じています。コピー品が出回らなければ正規品を購入していたはずの消費者が、正規品ではなくコピー品を購入してしまうと、ブランドが本来販売できたはずの商品を売ることができず、この投資を回収できなくなってしまいます。

これが続くと腕利きの職人を雇えなくなったり、これまで使用していた高品質の素材を調達できなくなったり、という事態が起こり得ます。そうすると最悪、ブランドの経営が立ち行かなくなり、ブランド自体が消滅してしまう可能性もあるのです。

さらに、コピー品が世の中にあふれれば、コピー商品だと知らない消費者に、「このブランドって高いのに品質は悪いんだな……」という悪印象を与え、ブランドの価値を傷つけてしまいます。そうするとさらにブランドの商品は売れなくなり、ブランドの経営を圧迫する……という負のループに陥ってしまいます。自分が憧れていたブランドがなくなってしまうのは悲しいことですし、憧れのブランドの価値を貶める手伝いをすることになるのは本意ではないですよね。

自分が大好きなブランド、憧れのブランドを守るためにも、「コピー商品は悪」ということを常に頭の片隅に置いておきましょう。

Text:Yu Hirakawa

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