フォーマルなレストランに行ったとき、目上の人と食事をすることになったとき……。「これでマナーは合ってるの?」と不安で、食事を味わうことができなかった、という人は多いのでは? そこで、鬼のマナー講師として知られる平林都先生に「これさえ覚えておけば大丈夫」という基本のテーブルマナーを教えてもらいました。アナタも、そしてまわりも幸せになるマナー術をこの機会に是非、習得しましょう! 今回は服装とナプキンの使い方についてレクチャー。「レストランでの服装に迷ってしまう……」「正しい口の拭き方がわからない」「食後のナプキンはくしゃくしゃに置くといいって本当?」そんな疑問や不安を解決します!
そもそもマナーとは?
マナーとはまわりに迷惑をかけないためのものであると同時に、“人に好まれるワザ”です!

一緒にいる相手に食事を美味しく食べてもらいたい。誰もがそんなふうに思っていると思いますが、そのためには自分が美味しく食べることが必要。そこで、“人に好まれるワザ”として生まれてきたのがマナーです。だからこそ、マナーはきちんと学んで覚える必要がある。一緒にいる人に嫌われないためにも、しっかり学んでいきましょう!
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レストランでは“すっきり”した装いを。香水やアクセサリーには要注意!
服装編
✔︎ 胸元が見える服は着ない!
同席者はアナタの胸を見て料理を見なくなってしまう。それではお互いに美味しく味わえません!
✔︎ 髪は束ねること
長い髪を垂らしていると、料理に髪がかかる絵を同席者に想像させてしまうので、必ず束ねて行きましょう。食事にうっかり髪がかかってしまったら最悪。不潔で食べられなくなってしまいます!

✔︎ 香水のつけすぎに注意!
つけている自分は案外気づかないものですが、強い香水は料理の香りを損ないます。香りが弱いものにするか、できればつけないようにしましょう。
✔︎ アクセサリーは最小限に
指輪やブレスレット、チェーンの長いネックレスなどは食器に当たってカチンカチンと音が出ることも。フォーマルな場での食事のときは、アクセサリーは最小限にとどめましょう。

服装は “心に魔法をかけるマナー” です。
服装がみすぼらしくて自信が持てないと、人にも会いたくなくなるもの。早く帰りたいなという思いから、食べ方もガツガツと急いで汚くなります。反対に「キマッている」と自信があるときは、堂々としていられるので食事も美味しく優雅に味わえます。マナーある服装は、アナタの心に魔法をかけてくれるのです!
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指や口が汚れてしまったら、ナプキンでスマートに拭きましょう
ナプキンの使い方編
✔︎ ナプキンは2つに折ってひざの上に置く
ナプキンは真ん中から2つに折り、折り目をテーブルのほうに向けてひざの上に置きましょう。こうすればナプキンの汚れが服につきません。

✔︎ 指が汚れたら中面の真ん中部分で拭く
指を拭くときは、中面の真ん中を使うこと。表に出ている面を汚すと、ひざに置いたときに汚れが洋服についてしまう危険があるからです。

✔︎ 口を拭くときは“中面の右から左”に
口についた汚れを拭くときは、2つ折りにしたナプキンの上側中面の端をくちびるに当て、右から左へと軽く拭いてください。片面の端を使い終えたら、裏返して反対側の中面を使うようにしましょう。
✔︎ うっかりテーブルの左サイドに置かない!
ナプキンをテーブルの左サイドに置くと、「料理を下げて」というサインになってしまいます。お手洗いに行くため席を立つときは、左サイド以外ならどこに置いてもOK。椅子の上に置いても背もたれにかけてもかまいませんが、このとき汚れが見えないように置くことは意識しましょう。
✔︎ 落としても自分で拾わない
床は汚れがついているところ。そこに落ちたナプキンを拾って使うことは、床の汚れを指につけてしまうことを意味します。落としてしまった場合は、必ず給仕の人にお願いして取り替えてもらいましょう。
✔︎ 食事が終わったら、軽くたたんで左サイドに置く
食事を終えて退席するときは、ナプキンは軽くたたんでテーブルの左サイドに置きましょう。それ以外の場所に置くと、まだ食事中だと思われてしまい、いつまで経ってもお皿を下げてもらえません。

赤ちゃんのよだれ掛けのように使うのはやめましょう!
ナプキンはあくまで何かを拭くためのもの。前掛けとして使うのはNGです!
▼カトラリーの使い方編▼

平林 都 著ビジネス社会で成功する人は、必ず他人から好かれる人。商談も人事査定も決め手は人間関係。ビジネスの場は舞台。相手が望むものを演じることで「夢」を売る。就活にも役立つ「面接」戦略、社会人としての基本ルール、相手の心をつかむ「話し方」やいまさら聞けない食事マナー……。ビジネスにおいて最強の武器になる「接遇」という「人に好かれる技術」を具体例を交えて解説。
2022年4月21日発売
価格:1650円(税込)
Text:Naoko Yamamoto Illustration:Ayaka Suzawa