ViVi読者さんにオススメのマンガを月に1回ご紹介している、マンガ大好き芸人の吉川きっちょむです。あっという間にGWが終わり、心地よい陽気で個人的には年間通して一番好きな季節がやってきました。そして、人によっては新しく始めたことが上手くいかなかったり、梅雨の気配も感じてすこし気落ちする方もいるタイミング。そんな人のために今回は、勇気が湧いてきたり、癒やされたり、心に新しい風が吹き込んでくるような爽やかなマンガを紹介していきたいと思います!
勇気が湧いてくる系マンガ
『メダリスト』

©︎つるまいかだ/講談社
【あらすじ】夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。 でも2人には、誰より強いリンクへの執念があった。 氷の上で出会った2人がタッグを組んで、フィギュアスケートで世界を目指す!
正直に言うと1話目で、剝き出しの心の叫びが刺さってボロボロと泣いてしまいました。
学校でも家でも何をやっても上手くいかない11歳の少女・いのりは、憧れていたスケートをやりたくても母親から止められてしまいます。
フィギュアスケートはトップを目指すには5歳から始めるべきと言われるような過酷なスポーツですが、いのりにはスケートに賭ける並々ならぬ執念があったんですね。
「ダメじゃない部分がある自分になりたい」
と涙ながらに訴え、他の子にできないことを頑張りたい、誰にも負けない何かがある自分になりたいと強い意思を見せます。
こんな小さな子が覚悟を決めて絞りだした言葉に心を撃ち抜かれて、強く背中を押されたような気持ちになりました。
読むと、自分もまだまだ頑張るのに遅いなんてことないんだと、勇気も元気もムキムキ湧いてきます!
誰にも期待されてこなかった少女が、挫折を経験したコーチと二人で世界を目指す姿を見て熱くならないわけがないんです!
これから頑張る自分に強く助走をつけたい人にこそオススメしたいです!
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癒してくれる系マンガ
『雨と君と』

©二階堂 幸/講談社
【あらすじ】雨の降る日に、1人と1匹は出会いました。“あともうちょっと”がほっこり尊いと話題です。Twitterで1億6000万PVを突破した、たぶん仲良しなコンビの日常コミック!
なんだか疲れちゃったな、やる気が出ないな、というときにちょうどいいのが、短くてほっこりかわいい話!
1人の女性と1匹の不思議なたぬきが出会い、ともに暮らす何気ない生活の中でのやさしいやりとりに思わず表情が緩みます。
1つの話がたったの4ページでまとまっているのも、ガッツリ長編を読む気分じゃないときにはありがたいですよね。
そして、たぬきがフリップを書けちゃう賢さなのにちょっぴりおバカで好奇心旺盛なところがとってもキュート!
個人的に好きなのは、四季折々の変化が服装や食べ物や景色にさりげなく出てくるところ!
日々の暮らしの中でゆっくり変化していく季節がとても心地よいので、頭で考えるのをやめて全身でじんわり感じてほしいです。
目の前の雑事からひとまず思考を遠ざけて、体温に近いお湯に浸かるようにゆったり癒やされるように楽しんでほしいマンガです。
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心に新しい風吹き込む系マンガ
『子供はわかってあげない』

©︎田島列島/講談社
【あらすじ】読むとうっかり元気になる、お気楽ハードボイルド・ボーイミーツガール、開幕なんです!
なぜこうも「夏休み」という響きには大人になっても心惹かれ続けるものがあるんでしょうか。
それまで関わることのなかった高校生の男女が夏休みの学校で出会い、部活終わりの日常から二人が意気投合していくと、奇妙な共通点が見つかり歯車が回り始めるのです。
そして、主人公・朔田美波の個人的な気持ちから始まった父探しから、まさかの新興宗教や超能力が絡んだちょっとした冒険(?)に発展していく展開に次ぐ展開!
ヒヤヒヤしつつもどこか日常の一線を超えないゆるさ、旅に連れていかれるような感覚、どこか懐かしいような安心感が詰まったひと夏の青春に胸が弾みます!
かわいらしい絵でちょくちょく挟まれる、のらりくらりとしたユーモアセンスも秀逸でクセになるので要注目。
この話では一貫して、どんな人も優しく肯定されています。だから、読んでいると自分も受け止めてもらえているようで心が温かくなるのです。
周囲との関わりの中で個人としてどう生きるか思い悩む方も多いと思いますが、そんな問いに一つの答えを出してくれています。
様々な感情で心が動いたかと思ったら特大の甘酸っぱさも待ち構えていて、最高に爽やかな読後感があるので、ジメッとした季節にカラッと読んでみてほしいです。
上下巻でサクッと読めるし、「マンガ大賞2015」2位にランクインしていて映画化もされたので間違いなくオススメできる名作です!
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今回は3作品紹介しましたが、マンガは様々な形で栄養を与えてくれる心の食事だと思っています! 頑張りたいとき、疲れてるとき、気分転換したいときなど、気分に合わせて気軽にお召し上がりください!
皆さんが素敵なマンガライフを過ごせますように!
Text: Kittyom Yoshikawa Photo: Lana Shimada