フォーマルなレストランに行ったとき、目上の人と食事をすることになったとき……。「これでマナーは合ってるの?」と不安で、食事を味わうことができなかった、という人は多いのでは? そこで、鬼のマナー講師として知られる平林都先生に「これさえ覚えておけば大丈夫」という基本のテーブルマナーを教えてもらいました。アナタも、そしてまわりも幸せになるマナー術をこの機会に是非、習得しましょう! 今回は人には聞きづらいテーブルマナーの疑問について。「お料理の写真は撮ってもいいの?」「箸留めがなかなか外せない……」「食べている最中に話しかけられたら?」そんな疑問や不安を解決します!
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他にも分からないことだらけ……
こんなときはどうしたらいい?
人には聞きづらいギモン編
Q.お料理の写真は撮ってもいい?
一人で行ったとき、または同席者が仲のいい友達や気心の知れた恋人、家族なら撮影してもかまいません。でもそれ以外の人と一緒のときはダメ。なぜなら、料理を撮影している間は周囲を待たせることになってしまうから。撮影しなくても、お品書きを持って帰れば後から料理を思い出せます。お品書きはお店がアナタをどうもてなしてくれたかを知るためのものでもあるので、必ず持って帰るようにしましょう。
Q.一枚だけ残ったサラダがいつも上手くすくえません!
お皿に一枚だけ残ったサラダは、無理に食べなくてもかまいません。食べたい場合は、ナイフで寄せてフォークに乗せるのが良いでしょう。指を使ってフォークに乗せようとするのは、汚いので絶対NG!

Q.テーブルクロスを汚してしまったらどうすればいい?
テーブルクロスは食後に取り替えるものですから、多少の汚れは気にしなくてかまいません。洋食の場合、本来はお皿を動かすのはNGですが、汚れが気になる場合は少しだけ動かして隠してもかまいません。たくさんこぼして目立つ場合は、給仕の人にお願いしてクロスを変えてもらうと良いでしょう。
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Q.こぼれたパンくず、どうすればいい?
パンはお料理の上でちぎれば、パンくずが落ちてもそのままいただけるのでスマートです。もしテーブルの上にこぼれてしまっても、給仕の人が専用の道具ですくって片付けてくれるので気にする必要はありません。
Q.和食の箸留め、破ってもいいもの?
箸留めを外したり破いたりしてお箸を取り出す人がいますが、そんなことをしなくても、お箸を一本ずつ抜けば箸留めを破らずに取り出すことができます!
Q.口に料理が入っているときに話しかけられたら?
料理をほおばった状態で話をするのはマナー違反です。相手に話しかけられたときは、失礼にならないよう相槌だけして、食べ終えてから答えるようにして。そのためにも食事は、咀嚼時間が長くならないよう一口サイズにカットして食べるのが基本です。
マナー通に見える裏ワザを伝授!

あえて“ムダな所作”を入れてみましょう
マナーには「ムダの魅力学」といって、あえてムダな所作を入れることで優雅に見せる、という裏ワザがあります。たとえば右側のものをあえて遠い左手で取る、など。時間をかけてみせることで、丁寧な印象を与えるのです。ただしやり過ぎると相手にイライラされることも。「ムダな所作」はここぞというシーンでだけ入れてください!

マナーはあくまで一緒にいる人に嫌われないためにおこなうもの。だから家に一人でいるときは意識しなくていいんです。ただし、普段ズルズルと音を立てて食べている人が、いきなりきちんと食べようとしてもできないもの。ある程度の訓練は必要です。
実は私も昔は正しいマナーができませんでした。しっかり勉強して、訓練を積んで身につけたのです。言い換えれば、マナーは訓練さえすればどんな人でも身に付けられるということ。諦めずに習得して、自分もまわりも美味しい食事で幸せになってください!

平林 都 著ビジネス社会で成功する人は、必ず他人から好かれる人。商談も人事査定も決め手は人間関係。ビジネスの場は舞台。相手が望むものを演じることで「夢」を売る。就活にも役立つ「面接」戦略、社会人としての基本ルール、相手の心をつかむ「話し方」やいまさら聞けない食事マナー……。ビジネスにおいて最強の武器になる「接遇」という「人に好かれる技術」を具体例を交えて解説。
2022年4月21日発売
価格:1650円(税込)
Text:Naoko Yamamoto Illustration:Ayaka Suzawa