イケメン

杉野遥亮「どんな世代であっても価値観や考え方が共有されるべき時代に入っている」

2022.07.05

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スタートアップ企業を舞台に、夢に恋にと挑戦する人たちの姿を描いた大人の青春ドラマ『ユニコーンに乗って』TBS系)が放送開始! 物語は、23歳で教育系アプリを手掛ける会社を起業した成川佐奈と、銀行から転職してきた異色のおじさん新人・小鳥智志、そして佐奈に思いを寄せる共同創設者・須崎功の奮闘と様々な心の揺れ動きを軸に展開していきます。誰もが勇気をもらえそうなこの一作。須崎を演じる杉野遥亮さんに、作品のみどころや自身が挑戦したいことなど、いろいろと伺いました。

『ユニコーンに乗って』は今だからこそ見てほしい作品

――火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』は、若いスタートアップ企業に突然、おじさんサラリーマンが入社してくるという設定が注目を集めています。様々な世代の視点が入り混じるからこそ見えてくるものがあると思うのですが、台本を読んでみてとくにどんなところが面白いなと思われましたか?

杉野 僕自身、このドラマのお話をいただく前から、人生の先輩方と若い人たちの価値観、考え方というのが共有されるべき時代に入っているんじゃないか、ということは感じ始めていました。そのぼんやり思っていたことが軸として描かれている作品という点では、今だからこそ見てほしい作品だと思っています。先輩世代として、西島秀俊さんがおじさんサラリーマンの小鳥さんを演じられているのですが、とくに僕が演じる須崎の視点で見ると、小鳥さんの考え方や価値観にはすごく納得させられるところがあるし、一方でいつまでも情熱を失っていなくて素敵だなと思うところもある。そういったところも、このドラマの持つ魅力かなと思います。

――杉野さんも俳優というお仕事柄、年齢が上の人との共演が多いと思いますが、コミュニケーションで意識していることは何かありますか?

杉野 気を遣ったり敬意を払ったりということは無意識にしているところかもしれないですけれど、あえて意識しているとすれば、気を遣うことと敬意を払うことがごっちゃにならないようにしないとな、と思っています。……でも、あまり気にせず、気になることがあったら臆したりもせず自分から話しかけたりしています。それは、年下の相手でも年上の相手でも変わらないです。

――演じられる須崎功についての印象も教えてください。

杉野 須崎の成長幅が大きいんじゃないかなと思っています。その理由は素直だから。良いものは素直に受け入れていくところがあるので、それってやっぱり成長につながる一番の要素だと思うんですよね。
あとは、須崎は永野芽郁さん演じる佐奈に恋心を抱いているんですけれど、そこに大人の小鳥さんが現れ影響を受けていく。その小鳥さんへの思いというのが須崎の成長の軸になっていきますので、そこも見どころの一つだと思っています。
須崎は裕福な家庭環境に育って、それゆえ反発を覚えて自分の力で頑張ってきたところとか自立しているところもあるんです。そういうところも僕はとても素敵な男性だと思っています。須崎と佐奈が初めて出会うシーンでは、監督から、そこで佐奈のことを「いいな」と思った感じを出してほしい、と言われて。ちょっと動転しました()、それってどういうことなんだろう?って。ただそのシーンのおかげで、何となく須崎という人に触れられたような気もしたんです。

――須崎と似ているところ、似てないところはどこでしょう?

須崎 実家が不動産業なのは似ていないです。親に対しての複雑な感情というのも似てはいないですけれど、すごく理解はできます。台本を読んでいると、須崎が親から「さんざん投資したのに」と言われるシーンがあるんですよ。親からそんな風に言われるしんどさっていうのは、想像できます。そりゃあ、「はぁ?」って思ってしまいます……
似ているなあと思うのは、自分がいいと思ったものには正直なところ。それが佐奈だったり小鳥さんだったりするんですけれど、そういう直感に従うところは僕にもあるかなと感じます。

――共演の永野芽郁さんと西島秀俊さんの印象も教えていただけますか?

杉野 (取材時は)まだ撮影が始まっていないんですけれど、永野さんは、台本を読んでいるところをお見受けした限りでは、すごく役に没頭される方なのかなあ、と思ったりしました。僕も役に集中するところはあるので、そこは似ているのかな、と。
西島さんも(取材時は)まだ演技はご一緒していないんですけれど、お会いする前は、風格やオーラがすごいので怖い方なのかな、と思ったりするところもあったんです。でもとても優しくてあたたかくて、今は早く撮影したいという気持ちでいっぱいです。すごく楽しみですね。

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僕の中で、支えるというのは相手の心に寄り添うこと

――須崎にとって佐奈はビジネスパートナーであり、一途に恋をしている相手でもあります。仕事相手に恋をする気持ちは共感できますか?

杉野 須崎っておそらく、佐奈という人がいるからこの会社を一緒に始めた、というところもあると思うんですよ。仕事と佐奈への思いがごっちゃになっているのかなって。そういう線引きが上手くできていないところは理解できますけれど、僕自身は相手をしっかり見つめてからじゃないと好きにならないところがあるので、仕事仲間は……。佐奈と須崎がお互いをどこまで知っているか分からないですけれど、仕事だとどうしてもそこまでの機会はない気がするので、おそらく恋愛をするということはないと思います。

――須崎は、佐奈との関係性を壊したくなくて思いを伝えられません。それゆえ佐奈も須崎の気持ちに気付いておらず、女性からするともどかしさを感じるのですが、こういう男性心は「分かる分かる」って感じですか?

杉野 それはすごく分かります。そりゃそうだよなって思います。仕事も関わっているし、すぐに言うのは無理でしょう。だからこそ誰しもが悩むわけですし、このドラマの共感してもらえるポイントなんじゃないかなと思っています。

――須崎は共同創設者ではあるけど、どちらかというと佐奈を支える立場。杉野さんは好きな人を支えたいタイプ? それとも支えられたいタイプ?

杉野 どちらもあります。お互いの関係値の中で、支えたり支えられたりということを積み重ねていけるのが理想なのかなとは思います。僕の中で、支えるというのは相手の心に寄り添うことだと思っているんです。だから僕ができるとしたら、ただそばにいるとか話を聞くとか、そういった程度だとは思います。

――このドラマは、新しいことにチャレンジする人を応援したいというメッセージも込められていると思います。杉野さんは新しいことに挑戦するとき、躊躇なく飛び込めるほうか、それとも足踏みしてしまうほうか、どちらでしょう?

杉野 僕は、新しいことは絶対にやりたいから躊躇なくやるほうです!

――これまで、一番思い切ってチャレンジしたな、挑戦だったなと思うことは何ですか?

杉野 舞台の仕事はチャレンジする気持ちが強かったと思います。自分の中でいつかは経験したい仕事だとは思っていたんですけれど、それでもいざやるとなったときは、一つ明確に挑戦という意識はありました。やはり未知でしたから。お客さんが目の前にいるという経験はしたことがなかったし、そこには自分が今までやったことがない表現、演じ方というものがある。そういったことに対して、どうなっていくんだろうという怖さはありました。

――そういう怖さはどうやって克服するんですか?

杉野 打ち込むしかないです。怖いという気持ちは、つまり自分に自信がないということでもあります。じゃあ自信がつくようにどうしたらいいかと考えると、自分がやれることをどれだけ出し切れるか、しかないと思うんです。だから自分ととことん向き合ってできることは何か見つめたり、これができるはずだと信じたり……。結局、自分自身との戦いだと思います。

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いろんな景色を見たり、新しい空気を感じたりするのが好き

――今、挑戦したいことは何でしょう?

杉野 挑戦したいこととはちょっと違うんですけれど、いつか世界一周する番組をやらせてもらいたいな、と思っています。単純にいろんな世界を見たいというだけなんですけれど、それが仕事だったらいいなと。とくにこの国に行きたいというわけではなくて、いろんな景色を見たり、新しい空気を感じたりするのが好きなんです。

――この年齢までにこれに挑戦して……とか、先々の目標を立てて達成していくタイプですか? それともあまり決め込まないタイプでしょうか?

杉野 その場その場、その瞬間その瞬間、というタイプだと思います。あんまり先の目標とかを決めないですから……。大事なのは、その瞬間どれだけいいものを出せるかということなのかな、と思いながらやってきています。
もちろんそのときどきによって先のことを考えることはありますけれど、結局考えたところで変わっていくというか。この仕事は変化し続けると思っているので、常に、考えては思い通りにいかなくてまた崩して考え直して……の繰り返し。で、今は目の前のことにとにかく集中する、という心境に達した感じかもしれません。

――今のところ考えている、一番遠い未来のことは何でしょう?

杉野 僕たちの仕事でいうと、1年とか2年先のお仕事のお話をいただくこともあるんです。とくに舞台のお仕事などは、1年半から2年ぐらい前に決めることもあるから、そこへの挑戦を決めるときは、さすがにその頃の自分がどうなっているか、どうなっていたいかといったことも考えたりします。でも、その先はあんまり考えないです。

――もし俳優になっていなかったら、どんな仕事についてみたいと思いますか?

杉野 地方で農業をやってみたいです。あとは、それこそ、先日スタートアップ企業の方々のお話を伺う機会をいただいて、すごくいいなあって思ったんです。型にハマッていない感じに、すごく惹かれました。

――もし自分が起業するなら、どんなことをやりたいですか?

杉野 地方と都市をつなぐ橋渡し的な会社を作ることができたらいいな、なんて思ったりします。実際に農家の方のお仕事を拝見したときに、「どれだけいいものを作れるか」と一瞬一瞬にかけている感じが、どこか職人さんと重なって見えて。それが個人的にすごく素敵だなあと魅力的に感じたので、何か橋渡し的なことができたらいいなと思ったんです。

――ちなみに佐奈は仕事とプライベートの切り替えができず、全て仕事になっています。杉野さんはいかがですか? お仕事柄、オンとオフの切り替えが難しそうですが……

杉野 どうしても役に集中してしまうところがあるので、意識的にスイッチは切り替えるようにしています。その助けとなっているのが、洋服。衣装を着るのも、私服に着替えるのもそうですけれど。だから家に帰ったら、すぐシャワーを浴びて部屋着に着替えます。Tシャツと短パンとかで、そんなこだわりはないですけれど、外着のまま何となくダラダラ過ごすということは絶対にしないですね。そうやって、家に戻ると自然と自分という人間に戻っていく。これは意識的というより、自然とそうするようになった感じです。

――最後に、このドラマのみどころをお伝えください。

杉野 見どころは一つではなくて、たくさんあると思っています。でもやっぱり一番は、須崎と佐奈の関係かな。何だかもどかしくてなかなか進まないんですけれど、でもそういったすれ違いとか繊細な感情が、すごく丁寧にピュアに描かれています。そこは楽しみにしてもらえたらなと思うのと同時に、やはり先輩・小鳥さんの放つ言葉、感性、考え方にも注目してもらいたい。そこには今の世の中に大事なものが詰まっていますし、心がほっとするものもあるんです。あとは、世界観が新しいドラマだと思うので、そこも楽しんでいただけたらと思います!

杉野遥亮

1995918日生まれ。千葉県出身。2015年、FINEBOYS専属モデルオーディションでグランプリを獲得。翌年、映画『キセキあの日のソビト』で俳優デビューを果たす。その後『ハケンの品格(2020)』、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』など話題作に多数出演。来年はNHK大河ドラマ『どうする家康』で榊原康政役を務めることが決まっている。

『ユニコーンに乗って』
23歳で教育系アプリを手がけるスタートアップ企業を立ち上げた成川佐奈(永野芽郁)。当初は急成長を見せたものの、3年が経ち、次の一手を見出せずにもがいていた。そこへ入社してきたのが、銀行から転職してきた小鳥智志(西島秀俊)。佐奈は、一回りも離れた小鳥を最初は疎ましく思うものの、次第に助けられ、親しみを持つように。それによって、佐奈のビジネスパートナーで、長年佐奈への恋心を秘めてきた須崎功(杉野遥亮)の心にも変化が……。全ての頑張る人を応援するドリームキュン♡ドラマ。7/5よりTBS系にて毎週火曜22時から放送。

Photos:Tohru Daimon
Interview&Text:Naoko Yamamoto