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Z世代の仕事、結婚観って?元アイドルと女性活躍アクティビストが語る女性のリアル(前編)

2022.07.29

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”多様性”や”自分らしく”とは言うけれど、わかっていても周囲の声や目が気になってそれができなかったり、そもそも自分がどんなふうに進んでいけばいいのかわからなかったり。そんな生き方に悩むViVi読者世代は、どう自分と向き合っていけばよいのか、元アイドルでアクティビストの和田彩花さんと、高校在学中に多様な女性の生き方を発信する有志コミュニティ「Women’s Innovation」を立ち上げた大山友理さんにお話しいただきました。

どんな仕事をしたいかよりも、“働き続けられる環境かどうか”(大山)

ーー女性が社会に出たり、結婚や出産など先々のライフプランを立てる上で、生き方や働き方に悩みを抱えている人は多いと思います。お二人が女性の在り方について発信されるようになったキッカケは何だったのでしょうか?

 私は高校1年生でデビューしたグループを2019年に卒業したのですが、今振り返ればグループ活動を通じてジェンダーに対する疑問を発信したり、行動したりということが難しかったことがキッカケになったと思います。

 私もWomen’s Innovationという団体を立ち上げた動機というのが、高校3年のとき、この先どうやって生きていけばいいのか見えなくてもやもやしていて、人生の先輩達の選択を聞きに行こうと思ったのがきっかけです。

 そうなんですね。どんなことでもやもやしていたんですか?

 そもそもは将来どうやって生きていけばいいんだろうって。でも、対談が始まっていきなりですみませんが、実は今もう、自分自身もやもやしていることはないんですよね。

 え?(笑)。

 今年4月に新卒で「オイシックス・ラ・大地」という食品宅配サービスを提供する会社に入社したんです。会社自体が、忙しい共働き世代に寄り添ったサービスを提供していることもあって、社員にもお子さんのいる方が多く、お父さん、お母さん社員に優しい会社なんです。産休、育休から戻ると「復職式」があったりするくらい。そんな会社と出会えたので、今はもう自分自身がこれからどう働いていきたいか、というイメージが凄く湧いているんです。

田 素晴らしい環境ですね。

 でも、こういう会社を見つけるまでには結構時間がかかりました。探し求めて「ここだ!」と思えたので入社したという感じですね。

 そっか、大山さんのようなケースはやっぱりまだまだ数少ない環境だという認識をもっていたほうがいいんですね。同級生の方も、大山さんのように「復職できるような環境」を求めて職探しをしていた方は多いんですか?

山 そうですね、「どんな仕事をしたいか」というよりも、いろんな意味で「働き続けられる環境が得られるかどうか」で仕事を選んだ人は多いと思います。

 働き続けられるってどういうことですか?

 私、「女子大学生の進路選択に有効なキャリアサポートとは」というテーマで卒論を書いたのですが、そこで女子大生25人にインタビューしたんです。少し前までの大学生は、転職を前提に1社目で経験を積むなど、いろんなキャリアプランを考えていた人がいると思うのですが、今は安定を求めて「長く勤められる会社」を志向する人が多くて。「結婚・妊娠出産・育児といったライフステージの変化を迎えられる会社」であるかを重視し、実際に人事の方に「最終面接の前に、出産後も働き続けている女性社員の方と面談させてほしい」と交渉した人もいました。

 ひとつの会社でキャリアを積み重ねたい、という感じ?

 管理職になりたいとまでは思っていなくても、細く長く働き続けたいという感覚だと思います。

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アイドルとして結婚・妊娠出産・育児に不安を持っていた(和田)

ーーアイドルの業界ではどのような悩みを抱えている人が多いのでしょうか?

 アイドルの世界ではだいぶ様子が違いますね。アイドルはセカンドキャリアを築くことが難しいです。私は、ライフステージが変化してもアイドルは続けられるのかをまさに今試している最中なのですが、メンバーや後輩の話を聞いていると結婚出産を経てファンがついてきてくれるはずはない、アイドルという職業は長くは続けられないって思ってるんです。

大山 そう思いながらアイドルを続けるのってなかなか難しいのかも……。

和田 アイドルを卒業した後の不安定な状況っていうのが割とリアルに目の前にあって、それなら安定する道として結婚したい、という意見を聞くこともありました。みんな不安定な状況に追い詰められているのかなと感じます。キャリア形成について考える機会があったらと思ったりもするけれど、私のようにアイドルを続けながらライフステージを変えていくというのはとても数少ない事例なんだと思います。

子育てと仕事をうまく両立する先輩がいても不安はありました(大山)

ーーそういう悩みってアイドルに限らない話かもしれないですね。

和田 そうですね。友人と話していると先のことをたくさん考えていて、大学を卒業してから継続的に働くっていうのが当たり前じゃないんだって感じます。

大山 私はまだ大学を出たばかりでこれらからの具体的なライフステージを全然イメージできていないのですが、きっともう2、3年するとそういうことを考えるようになるんですよね。

和田 でも私もまだわからない。まだ結婚や出産を考えていない立場からすると、どうやって仕事と両立させていくのかめちゃくちゃ関心があります。

大山 私、大学のときに「Business Insider Japan」という経済メディアと「NEXTWEEKEND」というコミュニティメディアでインターンをしていたのですが、いずれも女性編集長でスタッフも働くお母さんが多かったんです。おふたりとも編集長自身が時間のやりくりをして働いてきたので、部下に対する理解が素晴らしくて。「私よりもっと楽に働いて」という声がけをしている姿も何回も見ました。

和田 きっとレアケースだと思うけど、ずっと環境に恵まれてきたんですね。

大山 そうですね。私は高校生の時バイトをすることができずインターンで初めて働くということを経験したのですが、そこが子育てと仕事を両立できる場所だったので、一般的な方から見るとライフステージを考えること不安はなかったほうだと思います。それでも同じように自分ができるのかと考えると全く不安がないとはいえなかったので、Women’s Innovationの活動を続けていたのですが。

和田 今はこんなふうに働いていこうというイメージができているんですか?

大山 いえ、あんまり先を見据えてこういう選択をしようと考えるのは、まだ先かなと思っています。あと2、3年くらいしたら人生設計をし始めるのかも。

和田 私は5年くらい先まで計画を持っているんです。31歳くらいまではとりあえず自由の身でいよう、と(笑)。子供を持ちたいとあまり考えたことがないので、5年後くらいにはライフステージをどうしていくか、具体的に考えてみようと思っています。

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子供を持ちたいとしたらタイムリミットがあるんだと気付かされました(和田)

ーー子供を持ちたい人の場合、その選択がさらに早まる感じはありますよね。

和田 私は子供をどうしても持ちたいと考えているわけではないので気楽なのかもしれないけど、多くの友達はやっぱりみんな漠然と子供が欲しいと思っているみたいです。まだ先のことと考えていたのに、ある取材で例えば子供をふたり欲しいなら、27歳から準備を始めるのが理想という意見を聞いて、え、それってもう今からだ、とハッとしたんです。子供を持つという点ではこの先の自分の人生を見ておくことは大事だなと思っています。

大山 そうですよね……。

和田 とはいえ、あまりそれに囚われすぎず、周りの結婚ラッシュや出産ラッシュに焦らず進みたいなと思います(笑)。

大山 私はまだ22歳ということもあって、自分が子供を生んで育てながら働き続ける毎日をイメージできていないんです。子供は欲しいと思っているのですが、一方で何歳までって決めると苦しくなっちゃいそうで考えたくない。だとすると妊娠しやすい年齢とかを頭の片隅に置きつつキャリアやライフプランの意思決定をしていく、っていうのが自分の理想の生き方かなと思います。和田さんの同世代の方は、皆さん自分なりのライフプランを立てていらっしゃるんですか?

和田 友人達と話していると、それぞれライフプランを考えているようです。どうしても周りの意見を重視しちゃう傾向があるからみんながやっているステップを踏まなくては、と囚われることも多いんじゃないかと思うんだけど、一人ひとりに聞いてみると自分のスタンスをもっている人が多いことに気づきました。

大山 すごい。それぞれ自分の考えで行動されているんですね。

和田 でもそれってやっぱり25歳を過ぎてからですね。それまでは私もわからなかったし、同世代の友達が結婚や子供を持つという状況になって初めて自分の可能性に気づいて、やっと自分ごとになった感じ。大山さんとかViViの読者さんの年齢で見えてこないっていうのは、多分自然なことだと思います。

大山 私の周りの人はまだ結婚とか子供を生んだ人とか、ライフステージの変化を経験していないんですよね。でも、あと3年くらいな? 今一番歳の近い先輩たちは、Facebookとかで月イチくらいのペースで「結婚しました」みたいなメッセージが流れてくるんです(笑)。でもあと3年でそういう時期が来るのかと思うと結構近いですよね。実際にそういう状況になったら、焦ることなく生きたいように生きていられるかというと、自信がないですね。

和田 自信がないんですか?

大山 そういうところ、結構流されやすいんです(笑)。勢いで「この人と結婚しようかな」とか思っちゃうかも。

和田 笑!!

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PROFILE

アイドル 和田彩花1994年群馬県生まれ。2009年アイドルグループ「スマイレージ」(後に「アンジュルム」に改名)の初期メンバーに選出、リーダーに就任。2019年アンジュルム、およびHello! Projectを卒業。アイドル活動を続ける傍ら、執筆や登壇、美術の発信も行う。現在はパリに留学中。
Instagram▶︎@ayaka.wada.official
Twitter▶︎@ayakawada

有志コミュニティ「Women’s Innovation 」代表
大山友理
2000年生まれ。2017年4月、高校3年生のときに有志コミュニティ「Women’s Innovation」を立ち上げ、全国各地に多様な女性のロールモデルを取材し発信。2022年に津田塾大学総合政策学部を卒業し、4月よりオイシックス・ラ・大地に入社。現在は経営企画本部新規事業開発準備室チームに所属。
Twitter▶︎@Yuri20009

後編はコチラ

Z世代は大変?SNSネイティブが周囲に惑わされず自分らしく生きていく方法(後編)

取材・文/吉野ユリ子