kemioが会いたい人とセッションする不定期連載『ハウス オブ ハイビスカス』。久しぶりにカムバということで、近況はもちろん、3年ぶりに出した書籍のことや、SNSに対する心境の変化などをじっくり語ってくれました。
HOUSE OF HIBISCUSって一体なんなのさ?
『家族』とか『仲間』的な意味で、友達とテキトーに作った言葉。何がいいかなーって考えてた時、目の前にハイビスカスが咲いてたの。ハイビスカスって可愛いでしょ?
NEWな本も出たし、語らせて〜
SNSの総合演出は自分。フェイクだって思った方が気持ちが楽。
本のタイトルが『ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう』だったから、久しぶりに会ったViViのスタッフさんたちに、“kemioくん、何かあったの?”、“まんくうって一体何なの?”って聞かれまして(笑)。特に大きな出来事が自分にあったわけじゃないの。ちなみに“まんくう”は、考えないで感じる言葉です(笑)。数年前に友達の間で流行った言葉ですw 意味はそれぞれ自分で決めてくださいね。
ここ数年は、世界的にコロナの影響が大きかったのかなあっていうのもあって。お仕事のこととか未来への希望が持てなくなっちゃう時もあったり。それで、SNSについて考えたんだよね。私ってプライベートをSNSに載せてるじゃないですか。でもそれって、よし、載せるぞ!って意識はなくて、ただシェアが好きで載せてます! だからロックダウンが明けた今は、友達と一緒に居る時に動画を回さなかったり。
例えば、この前よしとミチとハワイに行ったんですが、昔だったら絶対撮ってたのに、回してなかったの。それがここ最近の変化ですかね。なんかバランスを取りたくなったのかも……。自分の中で。思い出は動画でシェアじゃなく、脳内のiCloudに格納したくなってきちゃって。多分、10年以上SNSで活動してきたから、そういう私も出てきたんだと思う。
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やっぱり動画撮るってなると自分に『動画モード』みたいなスイッチが入るし、友達にも悪いかなとか思っちゃったり。別に嫌なことがあったわけじゃなくて、私ってスマホに依存し過ぎちゃってたと思う。だから距離はちょっと取らないとなあって。SNSなんてフェイク。
これは本にも書いたんだけど、SNSに投稿されてる生活がスタンダードだと思ってる人がいたら、それは違うよって教えたい。だってスマホの画面でリアルなサバイバルライフを切り取ってるんだから。
そもそもフォロワーや“いいね”を買ってる人もいるし、加工だってみんなバンバンしてるわけだし。アートみたいな感覚でしょ。自分の劇場の総合演出なんだよね。自己満のたまり場なんです。SNSを見て息が詰まった時、『この世界はフェイクなんだ』って思った方が、気持ちが楽になるんじゃないかなと思います。
じゃあ、SNSに投稿していない私の生活はどんななのよ?って聞かれたら、特に何もないんですけどね(笑)。SNSっていう自分劇場で、私はキム・カーダシアンだと思ってる。なので、リアリティーショーのスターとして今後もSNSはツールの一つとしてやっていくつもりなので、みんなも良かったら観にきてね♥
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シャツ¥37400、靴¥44000/ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR) タンクトップ¥15400、パンツ¥33000/ディーゼル ジャパン(DIESEL) アクセサリー/本人私物 ●商品情報はViVi2022年8月号のものです。
SNSは一枚フィルターをかけて見ることが大事。「あぁ、これは作品を見せられてるんだ」ってね。だから、それでその人の全てを知った気になるのはちょっと違うよね。
やっぱり生身でコミュニケーションを取ってるリアルな関係性ではないから。そうやってバランスを取ることができたら、キラキラしてる誰かの人生と自分の人生を比べてストレスになったり悩み過ぎることもないと思うの。

カットソー¥13200、靴¥22000、キャップ¥8800/ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR) デニム¥53900/ディーゼル ジャパン(DIESEL) アクセサリー/本人私物 その他/スタイリスト私物 ●商品情報はViVi2022年8月号のものです。
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おてんばギャルの前途
叶えた夢もたくさんあるけど人生、まだまだやりたいことだらけ!
――どんなに無謀だと言われても、やりたいことは言葉にする。そうやって見事に色んな夢を叶えてきたkemio。だけどまだまだやりたいことは盛り沢山という、おてんばマインドは健在。大人の階段を上って、目指す未来とは?
私って、日々思いつきで発信してて、意識がマジ流星なの。動画のアイデアを考えてるのに、音楽聴き出して、そっちをディグり始めちゃったり、一生着地しないことも日常茶飯事。前日に考えてたことだって引き継ぎできてないから、本当に思いつきの日雇いクリエイターなんです。そんな自分は認めつつ、今回本を出す経験を経て、一人だけでやるんじゃなくて、色んな人と一緒にアイデアを出し合うコンテンツをいつか作ってみたいなって強く思ったの。
思いついたことを消費するっていうインスタントなコンテンツじゃなくて、もっと長〜く堪能してもらえるような作品を作りたいなって。映画やドラマを作るのも面白そう。演技もそうだし、脚本も書いてみたり。あ、今も思いつきの日雇いで言っちゃってるかもしれないんだけど(笑)、この瞬間は、確かにそう思っています。
ありがたいことに、20歳を過ぎてからお仕事で色々な所へ行かせてもらっているんですが、それって実は、10代の頃に思い描いていた目標の生活だったのね。それが叶って、本当に(涙)って感じなんだけど、きっと今の自分も将来にバトンを渡す為に生きてるんだと思ってます。
やりたいことはなるべく口に出して、それに向かってイッケ〜〜!って感じで突っ走ってきたし、形になった夢は沢山あるけど、やり切った感は全然ないの。やりたいことはまだまだいっぱい! これからもぶっ飛ばしていくつもりです。
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“ウチら”って使い続ける本当の意味
今回の帰国で、2年ぶりぐらいにkemio storeのイベントでファンミーティングをやったんですね。私のファンの方って、同世代はもちろん年下の子も人生の先輩たちも性別がバラバラなんです。色んなジャンルの方が会いに来てくれたんだけど、本当に私って恵まれた環境に居るなって実感するのが、みんなそれぞれ自分が達成した目標とかを伝えてくれるんです。
「kemioくんの本を読んで、こういう決断をしたよ」とか「仕事を辞めて、自分でビジネスをスタートしました!」「海外留学にこれから行くんです」とか。「kemioくんのこと応援してるよ」って推しな言葉も掛けていただけるんですが、自分の決断や夢を発表してくださる方がめちゃくちゃ居るの。その発表を聞いていると、私も頑張ろうと思えるんですよね。
みんなのポジティブなパワーを逆にもらってる感じがすっごくあるんです。だから、本のタイトルにもつけているくらい、“ウチら”って言葉が大好きなんです。みんなと一緒に成長している感覚がずーっとある。それを再認識できた最高のイベントでした。
みんなと会えるとめちゃくちゃポジティブになる。勇気が湧いてくる。これからもっと頑張ろうって元気になれる。アリーナのみんな〜〜本当にありがとう〜〜! I ♡ YOU GUYSだよ〜!

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Photos:Kodai Ikemitsu(TRON) Styling:Tetsuya Nishimura Hair&Make-up:Itatsu Interview&Text:Yumiko Ito