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生理痛やPMSの軽減も!「低用量ピル」がもたらす意外な効果【はたらく細胞LADYに学ぶ】

2022.08.29

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『はたらく細胞LADY』4巻にも登場する「低用量ピル」。一般的には避妊薬として知られていますが、実は女性特有のさまざまなお悩みを解消する存在なんです。今回は婦人科医の大島乃里子先生に、その働きを教えていただきました。

教えてくれたのは……

クレアージュ東京 レディースドッククリニック 婦人科顧問 大島乃里子先生 日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医。東京医科歯科大学 産婦人科学 博士課程 修了。婦人科腫瘍のほか、女性医学の専門医でもあり、思春期から老年期まで幅広い女性のお悩みと日々向き合っている。

そもそも「低用量ピル」とはどんな薬?

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.19、20

低用量ピルとは“エストロゲン”“プロゲステロン”という2種類の女性ホルモンを、50マイクログラム以下という低用量で配合した薬剤のことです。大きく分けて避妊目的で処方される“OC(オーシー)”と、月経困難症に処方される“LEP(レップ)”の2種類があります」(大島先生)

ピルの働きを紹介する前に、「女性ホルモンと生理」の関係をおさらい!

月経のリズムに合わせて、体内では女性ホルモンである、エストロゲンとプロゲステロンの量が変化していきます。

資料提供/ファムメディコ

月経後から次の排卵にかけては、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンと相関関係にある「エストロゲン」が体内で増加し、気分が安定しやすくなります。また水分代謝が促されるために、全身がすっきり整う感覚も。

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「一方で、排卵後から次の生理までは、エストロゲンが減少し、代わりにプロゲステロンが増加します。プロゲステロンは体内に水を抱え込む働きがあり、生理直前はむくみやだるさを感じやすくなります」(大島先生)

月経前はエストロゲンとともにセロトニンも減少するため、精神的にイライラしたり、落ち込みやすくなったりすることも。低用量ピルを用いてこれら2種類の女性ホルモンを定期的に摂取することで、体内のホルモンバランスを一定に保つことが可能です。

低用量ピルの働きとは?

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.20、21

ホルモンのバランスを一定に保つ

本来は生理周期に合わせて変化する女性ホルモンの量を、体内で一定に保ちます。ホルモンバランスが安定すると、子宮内の環境やメンタルの安定にもつながります。

排卵を抑制する

体内でエストロゲンが増加した時に、脳から卵巣に「排卵を促す指令」が出ます。低用量ピルは体内のエストロゲン量を一定に保つことで、排卵を抑制します。

子宮内膜の増殖を抑える

子宮内膜の細胞は、受精卵が着床しやすいように、排卵に向けて増殖していきます。この子宮内膜の増殖を抑えることで、妊娠や経血量の増加を防ぎます。

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生理痛やPMS(月経前症候群)の軽減につながる効果も

前の項目でご紹介したピルの働きによって「月経痛」や「PMS(月経前症候群)」 など女性特有の生理にまつわるお悩みを軽減する効果が期待できます。

生理痛を軽減する

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.27

生理中はプロゲステロンの影響で、体内にプロスタグランジンという子宮を収縮させる働きがある物質が増加します。プロスタグランジンは同時に痛みの原因ともなる物質です。

低用量ピルは、プロスタグランジンの働きを抑えて痛みを軽減し、また子宮の収縮による生理痛を防ぎます」(大島先生)

月経過多を防ぎ、貧血を予防する

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.27

月経は受精卵が着床しなかった子宮内膜が、月に1度剥がれ落ちて、体外に排出される現象です。

「低用量ピルは、子宮内膜が着床に向けて厚みを増すのを防ぎます。体外に排出される経血量が減ることで、貧血の予防にもつながります」(大島先生)

PMS(月経前症候群)を改善する

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.22、25

生理周期にあわせ、女性の体内では女性ホルモンが変化していきます。この変化により、体の不調やイライラ感、落ち込みなどの「PMS(月経前症候群)」が発生すると考えられています。

低用量ピルは、体内の女性ホルモン量を常に一定に保つことで、PMSを軽減する働きが注目されています」(大島先生)

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子宮内膜症など、婦人科疾患の予防に

低用量ピルは、婦人科疾患の治療や予防のために用いられることもあります。代表的なものの1つが、20代~40代女性の10人に1人がかかるとされている「子宮内膜症」です。

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.21

子宮内膜症とは、本来子宮の内側を覆っているはずの内膜が、卵巣や腹膜などに発生する病気です。低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑える働きから、子宮内膜症の治療薬としても処方されています」(大島先生)

その他にも、排卵を抑制することで卵巣のダメージを防ぐ働きから「卵巣がん」の予防につながります。さらに病気の進行にエストロゲンが関与する「子宮体がん」「女性の大腸がん」リスクを軽減する効果も注目されています。

「出産年齢が上がり、少子化の現在。女性が生涯に経験する月経の回数は、450回以上といわれています。毎月女性ホルモンの影響を受けるため、比例するように婦人科疾患も増加しているんですね。低用量ピルは女性ホルモンのバランスを一定に保つことで、子宮環境の安定を助ける存在でもあります」(大島先生)

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低用量ピル服用時の注意とは?

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.29

低用量ピルには、プラセボ(偽薬)を入れた28錠タイプと、実薬のみで構成された21錠タイプ連続して服用するタイプがあります。
24日間実薬を服用し、4日間偽薬を飲む(28錠タイプ)か、21日間実薬を服用し7日間休薬することによって、28日サイクルで定期的に生理のリズムを整える(21錠タイプ)、または実薬を服用する期間を引き延ばすことによって生理の間隔を28日よりも延長し年間の出血回数を減らす(連続して服用するタイプ)、という方法です。

飲み始めの頃にまれに嘔吐感等が発生することがありますが、月経困難症に処方されるLEPは種類が豊富ですので、薬剤を変えてみるのも1つの手です。服用中に違和感を覚えたら、婦人科医に相談して下さい」(大島先生)

本来低用量ピルは、毎日同じ時間に服用するのが理想的です。飲み忘れても2日まではリカバー可能ですが、3日飲み忘れると一度サイクルをリセットする必要があります。

どのようなタイミングで服用するかも、ぜひ婦人科医に相談を。女性は月に1度訪れる生理のたびに、不調に悩まされる方が少なくありません。たとえば受験や就活など、人生における重要な場面を、ベストなパフォーマンスで迎えるために、上手に低用量ピルを取り入れて頂けたらと思います」(大島先生)

クレアージュ東京 レディースドッククリニック
【住所】東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館17階 【TEL】0120-815-835 【営業時間】人間ドック/健康診断:8:30~11:00/ 14:00~15:30 【定休日】日曜日・月曜日
公式HP ▶︎ https://www.creage.or.jp/

Information
はたらく細胞LADY(4)
©︎原田重光・乙川灯・清水茜(『はたらく細胞』)/講談社
大ヒット細胞擬人化漫画『はたらく細胞』の、“女性”に特化したスピンオフ。第4巻で取り上げるのは、出産から数年後の女性の体内! 出産から幾年月を経て、仕事に育児に頑張るお嬢様。充実した日々を送る一方、その体内では静かに変化が訪れていた。加齢にともなうシミやシワ、暴飲暴食に耐えられなくなる内臓、そして子宮には謎の異物が……。異物の側から現れたのは、血管や内臓を構成する不随意筋・平滑筋細胞。お転婆な平滑筋細胞を素敵な淑女へと導くため張り切るマクロファージ。新たな仲間が増え、細胞たちが賑やかな日々を送る中、沈黙を続ける子宮の異物は巨大化してゆき……。 ご購入はこちらから

Text: Namiko Uno