音楽を愛し、ラーメンを愛し、服を愛する。センスの良さだけでなく、そのブレない生き方が男女問わずファンを集め、誰かのマネじゃない、唯一無二の「ViViモデルのmiu」を確立した5年間。誰よりもストイックに“モデル”を極め、新しいViViモデルの形を確立しみんなに愛されてきたmiuが、ついに卒業します。今回は、miuがモデル論を語ります。モデルの仕事をはじめて約2年。2017年に、当時のViViでは珍しい、ストリートなイメージとともにViViモデルとなったmiu。“モデル”という職業に誰よりも誇りを持って向き合ってきた5年間。新しいViViモデルの形を作ったmiuとViViの軌跡をプレイバック。
ViViはどんなmiuでも受け入れてくれて、
自分らしくいさせてくれた
これで本当に最後なんだな~。卒業までのカウントダウンが始まっても現場の雰囲気は変わらないから、あまり寂しさを感じなかったんだよね。けど、さすがに今日は胸にくるものがある。
きっとね、ViViで私の存在を表現できていたかどうかって、離れてからわかることのほうが大きいと思うの。これから先ずっとViViの撮影を思い返す日がくるんだろうなと思うと寂しさを感じるけど、最後にやりたいことをやって、今はすべてをやりきったなって感じ。この卒業企画は私の集大成。仕上がりを見るのが楽しみだな♡
5年前、ViViの専属に決まったときはね、ものすごく嬉しかった。それまで経験したことのないジャンルの媒体だったこともあって、毎回どんな現場なのか楽しみで仕方がなかったの!
とにかく呼んでいただけることが嬉しくて、なにより私は人見知りだったから、早く現場に慣れたい気持ちでいっぱいだった。もちろんコンプレックスだってあったけど、周りと比べるんじゃなくて自分をどうやって知ってもらうかを一番に考えていたな。
私はそれまでフリーモデルとしての活動しかしてこなかったから、有名な人たちに囲まれて、どうやって私を知ってもらおう……って、周りのモデルとの…知名度の差に正直、一番悩んだ。でも、私はSNSが得意なほうでもないし、無理してやっても続かないから自分ができることをやるしかないな、って。
私は今までモデルらしい生活をしてこなかったから、逆に親しみを感じるプライベートの姿をあえて出していこうと考えたの。そういうことが少しずつ自分らしさにつながっていったらいいなと思っていました。
ちょうどストリートカルチャーやメンズっぽい服が受け入れられていたから、結果、いい方向に行けたのかもね。タイミングが良かったんだと思う。
最初は手探りだったよ~。私服企画も私だけラフなTシャツ姿でいいのかな?って初めは不安だったけど、皆いろんな格好をしているわけだし、並びで見ると面白いのかも!って途中から思えた。
好きなことを追求していたら、ViViがどんなmiuでも受け入れてくれて、自分らしくいられる環境を作ってくれました。それは本当に感謝しています。
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ViViを選んだことが一番のターニングポイント
私がViViに与えられたことは……なんだろう、自分にしか…出せない抜け感は表現できたのかな。それまでは服をどうかっこよく見せるかを優先にポージングを考えていたから、ViViでは同じくらい顔も可愛く見せなきゃいけないと気づいて、そういう表現の仕方もあるんだなって。
そういう意味で自分の顔の作り方みたいな意識の仕方は変わったかな。表情次第で写真の見え方が変わるから、そこで、私らしさが出せたらいいなと思って。
もちろん、顔を作りすぎてもそれはそれでモデルではなくなってしまうから、その抜け感のバランスは私の強みになっていたと思います。
あとね、ViViを通じての変化はファンが増えたこと! ViViモデルになってファンを意識するようになって、改めて大切な存在だな、と思いました。
今までも、「かっこいい」とコメントをもらうことはあったけど、一つの雑誌を通して、読み続けて長く応援してくれる人ができたのってViViでだからできたことなんだよね。
ViViモデルになったことで、「ファンのためにも頑張らなきゃいけないな」と意識が芽生えたの。きっと自分よりも若い子たちもたくさん応援してくれていて、そういう人たちに対しても何か響くものがあればいいなって。
オフ会とか恥ずかしくてやったことがないけれど、いつか写真集を出したり、そういう機会があれば握手会とかちょっとやってみたいなって今は思うよ。みんなと話してみたい。緊張して、手汗かいちゃうと思うけど(笑)。
私にとって、ViViを選んだことがモデルとして、人生において一番のターニングポイント。移り変わりが激しいこの世界で、長く仕事ができるって本当にすごいことだと思う。
もしもViVi専属モデルにならなかったら私はフリーモデルのままできっとへこたれてたんじゃないかな。モデルとしての知名度も上がって、今までになかったジャンルの仕事も増えて、人生が変わりました。

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ただ立っているだけで
かっこいい人になりたい
私にとってモデルとは、撮影現場で、瞬間的にイチから築き上げる仕事。服が用意されていてヘアメイクをして、写真を撮ってくれる方がいて編集してくれる人がいて、その中に飛び込むのは大好きだった。みんなが求めてることに対して応えたり探ったりするのはすごく面白かった。そこは自分がディレクションしたいとかはまったくなくて、探って上手く組み合わされるのが楽しいよね。
ViViに入って、たくさんの人がポージングを褒めてくれたんだけど、私の理想はただ立っているだけでかっこいい人。ずっとそういうモデルになりたいなって思ってる。ViViの最初の頃の撮影では、それまでと服のテンションが違うから、合うポージングを自分で探るのが楽しかったの。もちろん先輩たちの姿はステキだったけど、私が真似するのは違うと思っていて、あえて見ないようにしたり……。私、天邪鬼だから(笑)。
…ViViを読んで写真の雰囲気は勉強したけど、ポージングだけは自分らしさを出したいってずっと思ってた。私はViVi ではじめて同年代のモデルと一緒に撮影したから、それも刺激になったんだよね。集合で撮るときは相手とは違う見え方をしないといけないし、並んだときにバランスよく見せたい。「そっちがそういうポーズするなら私はこうするよ」みたいな、反応しあうことも楽しくて。スタッフさん含め、みんなで一つの作品を作り上げる現場の雰囲気はやっぱりいい思い出。みんなでワイワイして作り上げる現場は本当に楽しかった。いろんな個性が集まって、それぞれのフィルターを通して作り上げたものが世の中に出て、新しいViViの価値観を作っていく。これから先、またどんどん変化していくViViを見るのが楽しみです。

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photos:Saki Omi(io) model:miu(ViVi exclusive) styling:Kana Tanaka hair&make-up:Hitomi Matsuno composition:Nirai Ikeshiro