意外と知らない!スキンケア、ピル、ストレス……生活習慣が自分の身体に及ぼす影響とは?【はたらく細胞LADYに学ぶ】

2022.09.09

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みなさんは、自分の生活習慣が一体どんな影響を身体に及ぼしているのか、説明できますか? 朝晩にスキンケアしていたり、ホルモンバランスを整えるためにピルを服用していたり……何気なく行っている行動によって自分の身体に起きる変化って、意外ときちんと知らないもの。今回は、大ヒット中の細胞擬人化漫画『はたらく細胞』の“女性”に特化したスピンオフ『はたらく細胞LADY』のストーリーをもとに、医師に詳しく解説していただきました! 今回は3つのテーマについて、まとめてチェック!

①スキンケア後の肌状態って?

脱毛・保湿・UVケアは、今や男女問わず当たり前になりつつある美容習慣。「なぜそのスキンケアが必要なのか?」、「もし行わなかった場合に体がどんなダメージを受けるのか?」……定番のスキンケアを行った際、細胞にどんなことが起きているのかを深掘り!

今回教えてくれるのは……

皮膚科医 川﨑 加織 先生 皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科医として「皮フ科かわさきかおりクリニック」を経営する傍ら、雑誌やテレビ出演など幅広く活動中。外国の医療の最前線や流行の美容法、新しい治療法などを織り混ぜた“自然美+α”のための情報を提供している。クリニック公式HP ︎https://hifuka-kkc.com/

<化粧水だけ>で保湿をすると細胞は……

乾燥は肌の大敵!化粧水だけで保湿をすると肌にどんなことが起こる?

引用:『はたらく細胞LADY(2)』第6話「真の美容は細胞から」(P.15〜16より)

Q. 化粧水だけでは「まったくの無意味」といわれる理由は?

表皮と呼ばれる部分は、「角質層(かくしつそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」の4つに分かれていて、化粧水にはこれらの部分に水分や栄養を補う成分が入っていることが多いです。しかし、いくら有効成分が入っていようと、水分は乾燥している方に移動しやすいため、化粧水だけを使った場合は蒸発が避けられません。そもそも夏は、体温調節のため発汗や皮脂分泌が増えるうえ、湿度が高く肌の水分が蒸発しにくいために肌がベタつき、逆に冬は肌の水分が蒸発しやすいために乾燥するという現象が起きます。そういった水分の移動は油分で蓋をすることで防げるから、乳液やクリームは必要なんです
※角質とは、一般的な垢のこと

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<化粧水+乳液>で保湿をすると細胞は……

保湿は完璧!でも元々オイリー肌の人は栄養過多になる可能性も!?

引用:『はたらく細胞LADY(2)』第6話「真の美容は細胞から」(P.28〜29より)

Q. 油分は肌を守るために必要不可欠って本当?

しっかり保湿をした翌朝、肌がテカテカしていますよね。それはもともと肌にある天然の皮脂膜によるもの。これに肌が覆われていることで、肌がバリアされ正常な皮膚の状態を保つことができます。これがないと肌に直接刺激が当たり細胞が傷んだり、かゆみが出たり、アレルギー反応が強く出たりする可能性も。「過度なこすり洗いやW洗顔は控えて!」といわれているのはそれが理由の一つです。つまり乳液やクリームといった油分は、洗顔をしたことで失った皮脂膜の代わりとしての役割を果たしているんです

引用:『はたらく細胞LADY(2)』第6話「真の美容は細胞から」(P.37より)

Q. 油分による肌トラブルを防ぐにはどうしたらいいの?

皮膚にもともといる常在菌は油分を好んで繁殖します。健やかな肌であれば毛穴から油分が流れ出て肌がテカテカするだけで済むのですが、甘いものや油っこいものを食べすぎたり、メイクが残ったままにしていたりすると毛穴が詰まって白ニキビができます。そこにアクネ菌を代表とする菌が過度に繁殖することで赤ニキビが発生するという仕組みです。だから毛穴詰まりを解消するためにも丁寧な洗顔を心がけるのが基本。また、もともとオイリー肌でスキンケアに力を入れているのに肌荒れが治らないという人は肌が栄養過多になっている可能性も。そんな人は逆に乳液やクリームなど油分の補給を一旦やめてみるのも一つの手です

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UVケアを行うと細胞は……

365日降り注ぐ紫外線にはどんな対策が有効なの?

引用:『はたらく細胞LADY(2)』第6話「真の美容は細胞から」(P.30〜31より)

Q.紫外線が肌に与える影響とは?

紫外線には波長の短いUVBと波長が長いUVAがあり、UVBとは皮膚の表面の表皮と呼ばれる部分にまでしか届かない紫外線のことで、主に日焼けやシミ、くすみなどを引き起こします。対してUVAUVBよりも深い真皮という部分にまで届く紫外線のこと。主に肌のコラーゲンに影響を与え、肌のボリュームを落としてシワやたるみ、ハリの低下を引き起こします。紫外線は季節問わず降り注いでいるので、UVケアは一年中行うことをおすすめします

スキンケアについて
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②ピルの服用後、身体には何が起きている?

『はたらく細胞LADY』4巻にも登場する「低用量ピル」。一般的には避妊薬として知られていますが、実は女性特有のさまざまなお悩みを解消する存在なんです。今回は婦人科医の大島乃里子先生に、その働きを教えていただきました。

教えてくれたのは……

クレアージュ東京 レディースドッククリニック 婦人科顧問 大島乃里子先生 日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医。東京医科歯科大学 産婦人科学 博士課程 修了。婦人科腫瘍のほか、女性医学の専門医でもあり、思春期から老年期まで幅広い女性のお悩みと日々向き合っている。

そもそも「低用量ピル」とはどんな薬?

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.19、20

低用量ピルとは“エストロゲン”“プロゲステロン”という2種類の女性ホルモンを、50マイクログラム以下という低用量で配合した薬剤のことです。大きく分けて避妊目的で処方される“OC(オーシー)”と、月経困難症に処方される“LEP(レップ)”の2種類があります」(大島先生)

ピルの働きを紹介する前に、「女性ホルモンと生理」の関係をおさらい!

月経のリズムに合わせて、体内では女性ホルモンである、エストロゲンとプロゲステロンの量が変化していきます。

資料提供/ファムメディコ

月経後から次の排卵にかけては、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンと相関関係にある「エストロゲン」が体内で増加し、気分が安定しやすくなります。また水分代謝が促されるために、全身がすっきり整う感覚も。

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「一方で、排卵後から次の生理までは、エストロゲンが減少し、代わりにプロゲステロンが増加します。プロゲステロンは体内に水を抱え込む働きがあり、生理直前はむくみやだるさを感じやすくなります」(大島先生)

月経前はエストロゲンとともにセロトニンも減少するため、精神的にイライラしたり、落ち込みやすくなったりすることも。低用量ピルを用いてこれら2種類の女性ホルモンを定期的に摂取することで、体内のホルモンバランスを一定に保つことが可能です。

低用量ピルの働きとは?

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.20、21

ホルモンのバランスを一定に保つ

本来は生理周期に合わせて変化する女性ホルモンの量を、体内で一定に保ちます。ホルモンバランスが安定すると、子宮内の環境やメンタルの安定にもつながります。

排卵を抑制する

体内でエストロゲンが増加した時に、脳から卵巣に「排卵を促す指令」が出ます。低用量ピルは体内のエストロゲン量を一定に保つことで、排卵を抑制します。

子宮内膜の増殖を抑える

子宮内膜の細胞は、受精卵が着床しやすいように、排卵に向けて増殖していきます。この子宮内膜の増殖を抑えることで、妊娠や経血量の増加を防ぎます。

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生理痛やPMS(月経前症候群)の軽減につながる効果も

前の項目でご紹介したピルの働きによって「月経痛」や「PMS(月経前症候群)」 など女性特有の生理にまつわるお悩みを軽減する効果が期待できます。

生理痛を軽減する

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.27

生理中はプロゲステロンの影響で、体内にプロスタグランジンという子宮を収縮させる働きがある物質が増加します。プロスタグランジンは同時に痛みの原因ともなる物質です。

低用量ピルは、プロスタグランジンの働きを抑えて痛みを軽減し、また子宮の収縮による生理痛を防ぎます」(大島先生)

月経過多を防ぎ、貧血を予防する

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.27

月経は受精卵が着床しなかった子宮内膜が、月に1度剥がれ落ちて、体外に排出される現象です。

「低用量ピルは、子宮内膜が着床に向けて厚みを増すのを防ぎます。体外に排出される経血量が減ることで、貧血の予防にもつながります」(大島先生)

PMS(月経前症候群)を改善する

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.22、25

生理周期にあわせ、女性の体内では女性ホルモンが変化していきます。この変化により、体の不調やイライラ感、落ち込みなどの「PMS(月経前症候群)」が発生すると考えられています。

低用量ピルは、体内の女性ホルモン量を常に一定に保つことで、PMSを軽減する働きが注目されています」(大島先生)

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子宮内膜症など、婦人科疾患の予防に

低用量ピルは、婦人科疾患の治療や予防のために用いられることもあります。代表的なものの1つが、20代~40代女性の10人に1人がかかるとされている「子宮内膜症」です。

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.21

子宮内膜症とは、本来子宮の内側を覆っているはずの内膜が、卵巣や腹膜などに発生する病気です。低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑える働きから、子宮内膜症の治療薬としても処方されています」(大島先生)

その他にも、排卵を抑制することで卵巣のダメージを防ぐ働きから「卵巣がん」の予防につながります。さらに病気の進行にエストロゲンが関与する「子宮体がん」「女性の大腸がん」リスクを軽減する効果も注目されています。

「出産年齢が上がり、少子化の現在。女性が生涯に経験する月経の回数は、450回以上といわれています。毎月女性ホルモンの影響を受けるため、比例するように婦人科疾患も増加しているんですね。低用量ピルは女性ホルモンのバランスを一定に保つことで、子宮環境の安定を助ける存在でもあります」(大島先生)

ピルについて
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③“忙しい人たち”に共通する恐れって?

はたらく細胞4巻でも登場する「子宮筋腫」。実は2040代女性の3人に1人に存在するといわれています。「そのままにしておいたらどうなるの?」「どの程度で治療が必要?」「痛みはあるの?」婦人科医の大島乃里子先生に、子宮筋腫と「婦人科検診」の重要性について詳しく教えて頂きました!

教えてくれたのは……

クレアージュ東京 レディースドッククリニック 婦人科顧問 大島乃里子先生 日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医。東京医科歯科大学 産婦人科学 博士課程 修了。婦人科腫瘍のほか、女性医学の専門医でもあり、思春期から老年期まで幅広い女性のお悩みと日々向き合っている。

忙しい女性たち。気づかぬうちに不調に陥ることも……!?

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.12

現代の女性たちは、誰もが日々忙しく過ごしています。学校や職場でストレスを感じたり、睡眠不足が続いたりすると、女性ホルモンのバランスが乱れる原因に。

肌やからだの不調に加え、ホルモンバランスの乱れは生理周期や経血量の増加など、女性特有の不調につながることもあります。

特に20代など若い世代は、学校や職場の健康診断は受けても、婦人科検診まで受ける方が非常に少ないんです。実は子宮の中に小さな筋腫が存在し、知らないうちに成長していることがあるかもしれません」(大島先生)

女性の3人に1人に存在する「子宮筋腫」とは?

女性特有の不調の中で、自覚症状もなく気づきにくいのが「子宮筋腫」です。

子宮内で平滑筋が過剰に増殖した結果、発生する良性の腫瘍です。20代~40代女性の3人に1人に存在すると言われています」(大島先生)

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第16話「三十路は不調のデパート」P.38、39

3人に1人とは、人ごとでは済ませられない確率です。一方で、子宮筋腫は良性の腫瘍であるため「はたらく細胞」にもあるように、免疫細胞が反応することもありません。よって痛みも感じないため、検査をしないと早期発見は難しいといえます。

「仮に子宮筋腫が発見されても、自覚症状がなく体調に問題がなければ“経過観察”となるケースが多いでしょう。しかし、筋腫の場所や個数、大きさによっては、治療が必要な場合もあります」(大島先生)

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放っておくと、生理のたびに成長!?
不妊の原因になることも

子宮筋腫は、女性ホルモン「エストロゲン」の影響を受けて成長します。生理周期に合わせて月に一度、体内のエストロゲン量は増加するため生理がある間は子宮筋腫も成長する可能性があります。

引用:『はたらく細胞LADY(4)』 第20話「レディーのお暇」P.184〜186

「テニスボール大や、極端な例ではバレーボール大にまで成長することがあります。ここまで大きくなると、他の臓器や血管を圧迫するリスクが生じます。また子宮筋腫があることで、子宮内膜の面積が広くなり、経血量が増加して貧血に悩む方も少なくありません」(大島先生)

子宮筋腫自体は良性の腫瘍ですが、体に何らかのトラブルが発生する場合は治療が必要。エストロゲン量を一定に保ち、子宮筋腫の成長を抑えるために薬が処方される場合もあれば、大きさと位置によっては内視鏡手術や、開腹手術で除去することもあります。

「子宮筋腫は受精卵の着床を妨ぎ、不妊の原因になることも。将来的に妊娠・出産を考えている方は、早めに婦人科検診を受けることをおすすめします」(大島先生)

子宮筋腫について
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