イケメン

【高杉真宙インタビュー】デビューから13年、“大人の高杉”が違和感なければいいなと思う

2022.10.20

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13歳で俳優デビュー、早くからその実力を認められ活躍してきた高杉真宙さん。今年はバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』内の『ゴチになります!23』コーナーにレギュラー出演するようになり、意外なポンコツぶりが判明! 「イケメンなだけじゃなく面白い」と、ますます注目度が高まっています。その高杉さん主演の映画『いつも、いつか……いつまでも。』が1014より公開中。これまであまり見せてこなかった、色気ある大人の男を演じています。現在26歳。仕事の幅も、演じる役柄もどんどん変わりつつある今。映画のお話とともに、変わることに対する思いを伺いました。

インタビュー前編はこちら
https://www.vivi.tv/post303531/

――今作で高杉さんが演じられている俊英は、感情がほとんどなかったところから、亜子というこじらせ女子と出会って大きく変わっていきます。俊英は、変わっていく自分に抵抗せずどこか楽しんでいる印象があったのですが、高杉さんはこれまで自分がどんなふうに変わってきたと感じられていますか?

もう、変わりまくりですけどね。年齢的にもいろいろ変化が大きい時期なんだろうなあというのは、マジマジと感じています。その変化の中で最近楽しいなと思うのは、コミュニケーションですね。昔よりはマシになってきている気がするので。もともと僕は人とあまり話したいと思わないというか、人と話すことは有意義ではあるんですけど苦痛でもある、と感じていたんですよ。だから必要以上に話したくないな、どちらかというと人の話を聞いていたいな、と思っていました。

気の知れた相手にはお喋りなんですよ。でも、そうではない人たちと話すことはすごく難しかったりする。要するに人見知りなんですけど、245歳になってきたとき、そろそろ人見知りってのを言い訳にするのはダメなんじゃないかと思い始めて。そこからはできるだけコミュニケーションというものを取ろうと心がけて生きてまいりまして、ちょっとずつその努力が実って話せるようになっているかなあ、と。とくに今年に入って『ゴチになります』に出演して無理やりにでもトークというものをするようになって、人と話すことに対する不安感みたいなものが徐々に薄れ始めてはいますね。人見知りであることは変わらないと思うんですけど、徐々にそうやって話ができるようになってきていることには、少し喜びを感じています。

――話せるようになって、何が一番ラクになったというか、変わりましたか?

一番は、気まずい時間が流れることが少なくなった、ということですかね。同じ空間に誰かといると、気にはなるじゃないですか。こう、何か喋ったほうがいいかな、とか……。僕、誰かと一緒にいる場では、あまり携帯を触らないんですね。人がいると気になって全然集中できないというのもあって、携帯に逃げることができないので、「何か話したほうがいいのかなあ」、「次の撮影までけっこう時間がありそうだなあ」とかグルグル考えてしまうんですよ。できるだけスッと話せるようになりたいんですよね。最近はそういうことがちょっとずつ減ってきた、ということです。ありがたいですね。

――お仕事でも何か変化はありますか? 演じる役柄とか……

役柄もですけど、考え方もかなり変化していますね。勝手に、いつの間にか。こんな仕事をしていますけど、もともと僕は作品を通じて人に何か影響を及ぼすことをあまり好んでなかったんですよ。ていうか、嫌だったんですけど、最近はそれもまた良いのではないかと思い始めていて。ならば知ってほしいこととか伝えたいことっていうのをちゃんと理解したうえで、見る人にとって知ってもらう機会になるような作品に出られたらいいんじゃないか、と思うようになりましたね。

――なぜ影響を及ぼすことを好んでなかったんですか?

だって、怖いじゃないですか。たとえば相談に乗るということもそうだと思うんです。相談されて何かアドバイスをする場合、アドバイスをするということは一つの責任を負うということ。そこまでを考えて、僕はアドバイスをするべきだと思っているんですよ。反対に相談をするときも、相談するということは相手に何か負わせるということだ、と思っていて。もちろん映画やドラマの場合は、見る人たちが「役者に責任を負わせている」なんて思わなくていいと思うんですけど、見せる人たちは、やっぱり自信をもって見せなきゃいけないというか。その作品が誰かの何かに影響を及ぼす可能性があるわけで、さらにその及んだ人たちがまた誰かに影響を及ぼしている……、そう思うと「責任の取りようがないな」と思ってしまって。演じるうえで、そういう心のチグハグ感が僕はどうしても気持ち良くなかったんですけど、最近はそれもまた一つのエンターテイメントだなあと思うようになってきました。

――それってけっこう大きな仕事観の変化ですね。

そうですね、けっこうデカいですね。だってなかなかないじゃないですか、知らないものを知るきっかけって。映画やドラマがその一つになればいいなあ、と思うようになってからですかね。たとえば僕が以前に出演した作品は、今の日本にも義務教育を受けられない子たちがいる、という現状を描いていたんですけど、少なくとも僕はそういった現実は知らなかったんですね。そういう、知らないことを知るきっかけっていうのが少しでも多くなればなるほど良いのかな、と思うようになったんですよね。

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――今の高杉さんのお仕事の原動力って、一番はそこになってきている感じでしょうか?

原動力と言われると、単純に演じることが面白いというだけです。さっきお話した「知らないことを伝えられる」という魅力ももちろんありますけど。もちろんそれができたら幸せなことだと思いますけど、本当のところは演技がしたいからしている、という感じですね。

――自分の演技への評価ってどのくらい気になりますか?

人から言われたことに関しては、話半分ぐらいで聞きます。いいことも悪いことも全部。だって、人の意見ですから()。それで一喜一憂していてもしゃーないな、と思うんですよね。もちろん、客観的な意見を聞くことは重要だと思うんですよ。でも自分じゃないところの意見に100%左右されるというのは、すごくくだらないことだと僕は思うので。大事なのは、自分はそれを聞いてどう思ったか、だと思うんです。「そうだな」と思ったのならばそうすればいいし、「ちょっとそうだな」と思ったらちょっとそうすればいい。そのぐらいに取り入れていけばいいかなと思っていますね。結局のところ演技って感性のものだから、誰がどう思おうと役者それぞれなので。だからこんなに自己中心的に生きています()

――じゃあSNSの評価とかはあまり見ないんですか?

いやいや、そこは楽しんで見ています。ただ、それで「はい、そうですか」と影響は受けないですね。落ち込みもしないし、喜びもしない。ただ、楽しんで見ています。みんなそんなこと思うんだ、そっかそっか、っていう感じで。

逆に、最近は僕のほうが誰かが作った動画とか見るのにハマっているんですよ。めちゃくちゃ面白い。「こんな素材を使ってこんな動画が作れるんだ」とか、「こういう見せ方があるんだ」とか、そういう視点で見るのが好きです。だって本当にすごいんですよ、クリエイティビティが。そりゃあ次々に新しいものが出てきて、すぐ古くなってまた新しいものが出てきて、という消費社会になるよなって思いました。俳優もそうですけど、なかなか長く人気を博すのは難しい。いろんな引き出しを持っていないとダメだなって強く思いますね。

――そういう意味では13歳で俳優を始めて、はや13年。今年26歳になられて演じる役もだいぶ変わってきましたよね。今作でも、今まではあまり見られなかった大人の高杉さんが見られましたけど……

役柄はかなり変わってきましたね。今回は、大人の高杉が違和感なければいいなあ、とは思っていますけど。
皆さんそうだと思うんですけど、僕は何歳になっても、実際の年齢と自分が思っている理想の年齢とのギャップがすごくて。26歳になったといえどもこの役って僕にできるのかなあ、けっこう大人な役だなあ、というのは気持ち的にはありましたね。だから自分のでき得る限りの大人像をキャラクターにあてて、削って付け足して、っていう作業をやっています。ただやっぱりね、どうしてもギャップが……。難しいですよね、できる限り年齢に沿った自分でいたいなと思いますけど。

――自分の中ではどのくらいの年齢観なんですか?

え、26歳ですよ()26歳なんですけど、26歳ってこんなものなのかな、という気持ちにはなります。みんなそう思っているんだと思うんですよ。たぶん、4050代の人たちも、6070代の人たちも、なんか違うなあと思っているんじゃないかなって。でもそう思われないように、年下の子たちに対しては見栄張ってそれっぽく振舞っているんだと思うんです。多分、僕もそうしていると思う。きっとそれでいいんだろうなあって、最近は思っています。

――高校生役は可能な限りやっていきたいとおっしゃってましたが、その目標も変化が出てきました?

そろそろ制服が恥ずかしくなってきたなって、ちょっと思うようになりましたね。ちょっとですけどね。何かチグハグ感ていうんですか、白の中に黒が一つあるみたいな感覚が生まれてきたんです。だけどせっかくなら、「これが最後の高校生役です」って言いたいんですよ、取材とかで。皆さん、どういうタイミングで最後にするんだろう? あるとききっぱり、「もうこれが最後ですから」って事務所さんに言うのかなあ。それとも「もうキツいっすよ、これが最後じゃないですかね」ってやんわり言うのかなあ。あるいはマネージャーさんとかが「これ最後だからね」と決めてくれるのかな。気になりますね()

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――逆に、変わりたいけど変れていないところはありますか?

インドアじゃないですかね。家でいつもゲームばかりしているので。でもこれだけ変わっていないということは、変わりたいと思っているけど奥深くではそうじゃないのかもしれない。すんごい浅いところでは「変わりたいなあ」と言っている高杉がいて、深いところで「なんで変わりたいんだよ」と言っている高杉が多分いるんですよね。難しいですね。

一応、外には出たいしアウトドアにはなりたいんですよ。そのほうがいいと分かっているんです。ゲームしている時間ってもったいないと思っていますから。その時間を違うことに当てるというのが、僕の今後の人生の課題なんですよ。というのも去年、分かってしまったんです。僕は1つのゲームだけで1年間に1000時間以上プレイしていたことが。1年て8765時間しかないんですよ。つまりゲームをやめれば、僕の人生の約8分の1が別の行動に使われることになるんです。……ということが去年分かったんですよね。

――たしかに、1000時間あったらけっこういろんなことができますよね……

ドラマだったら1000本見られるんですよ。ショックが大きいですよね。皆さん、何となくお酒飲んで過ごしている時間とか、何となく携帯を見ている時間とかが可視化されたら怖くないですか? 1年のうち、そんなに長く何となく過ごしていたんだ!みたいな。まさにその気持ちです、自分のゲーム時間を知ったことは。マジで知りたくなかった……

――その1000時間に取って変わるものは何でしょう?

今のところ、僕は部屋の中にしか喜びを見出せていないですからね。探していかないと……。それにしてもマジで可視化ってえげつないですよね。人生には、知らないことが幸せなこともありますよね()

『いつか、いつも……いつまでも。』

海辺の小さな街で、医師として診療所で働く俊英(高杉真宙)。たまたま知り合いが持っていた写真に写っていた女性に憧れていたが、ある日、その女性にソックリな亜子(関水渚)という女性が現れる。しかし亜子は強烈なまでのこじらせ女子で、俊英のときめきは一瞬にして冷めてしまう。図らずも、祖父とともに亜子の面倒を見ることになった俊英。亜子に振り回されるうちに、淡々と生きてきた彼の中で何かが変わり始める。そして俊英たちと囲む温かい食卓に、亜子にも変化が生まれ始め……。二人の恋と家族のつながりを描くハートウォーミングな一作。大ヒット公開中。

配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2022『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』製作委員会

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PROFILE

高杉真宙199674日生まれ。福岡県出身。2009年に俳優デビュー。その演技力は高く評価されており、これまで多数の賞も受賞している。10月スタートのNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』に出演予定。また今年はバラエティ番組のレギュラーにも挑戦。『ぐるぐるナインティナイン』の「ゴチになります!23」コーナーに出演している。10月スタートのNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』、CX月曜21時『PICU 小児集中治療室』に出演予定。

Photos:Tohru Daimon
Hair&Make-up:Sayaka Tsutsumi
Styling:Daisuke Araki
Interview&Text:Naoko Yamamoto