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「オネエ言葉を使う理由」フリーターが水商売の世界に入り人生が激変したお話。

2022.10.21

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皆さんこんにちは。花上惇(はなうえじゅん)です。一体私が何者なのかって? 私は、悩めるギャルズの駆け込み寺。普段SNSで活動しているラブリーでチャーミングな、今一番ホットなギャルよ(言うだけタダ)。現代社会を生きるやんごとなきギャルの私たちは、常日頃、世の荒波に揉まれながら人生をサバイブしているわよね。この連載では、普段エンパワーメントを発信している私が、これまでに出会った人物や作品、フレーズの中から、人生に影響を受けたものをpick upして、そこで思った考えをシェアしたいと思うの。

連載第6弾で取り上げるのは、私が池袋のゲイバーで勤務していたときに出会った、伝説の先輩従業員である、通称「池袋のファン・ビンビン」からかけられたこの言葉。

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矛盾やハラスメントと闘う女性は私たちの鏡

矛盾やハラスメントと闘う女性は私たちの鏡【花上惇のギャルマインドコラム連載】

花上惇さん(中央)と池袋のファン・ビンビン(右奥)

私生活がどうであれ、本当の自分がどうであれ、お客様には関係のないこと。求められる姿を演じるのもお給料のうち。つまり私たちは女優。私は池袋の「ファン・ビンビン」よ。

大学卒業後、定職に就かず、派遣やアルバイトでその日暮らし。代わり映えのない毎日を過ごしていた。毎朝、乗車率120%の電車に揺られ、職場では決められた仕事をルーティンのように淡々とこなす。少し残業をした後、家に帰って飯を食って寝るだけ。お給料が安かったので毎月の固定費を差し引くと手元に残るのは1万5千円ほど。借金こそ無いが貯金もなし。

そんな自分の状況を変えたくて飛び込んだのが水商売の世界。思考が単純すぎてウケる(笑)。

とにかくもう、お金の心配をしたくなかった私は、水商売ならそれが叶うんじゃないかと思ったの。当時の私には、履歴書にドヤ顔で書けるような資格も、スキルも、何もなかったから。
その点、水商売なら一切不問だもの。そんな私が門を叩いたのは、池袋のゲイバー。

そのお店は、場所が池袋である事や、いわゆる観光バーだった事もあり、ゲイのお客様が出入りするようなお店ではなかったの。

お客様はノンケが9割以上。普段キャバクラやクラブなどに通うおじ様が、お気に入りの嬢を引き連れてアフターで来るようなお店だったわ。※同性愛者から見た異性愛者のこと。

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私にとって「オネエ言葉」は仕事のスイッチ

私にとって初めての水商売。お酒の作り方すら分からない。20歳以上年の離れたおじ様と何話せっていうの? こんな状態で半年ほど経った頃、お客様から忘れられないひと言を言われたわ。

「お前普通だな? クソつまんねぇんだけど!」

本当意地悪でしょ?(笑)
そんな言い方しなくてもいいじゃん?(笑)

その当時の私はナイーブだったから、それはもう深く傷ついたの。
その日は眠れなかったわよ(笑)。

実は私、その時は今と比べてかなり男の子っぽかったの。見た目も髪が短かったし、オネエ言葉を使ったこともなかったわ。今の私からは想像つかないでしょう? 紆余曲折あって現在の極上オネエが完成したの(笑)。

だけどよくよく考えたらそうよね。ノンケのお客様が数多のバーの中で、ゲイバーを選んで来店する理由は、やはりTVなんかで普段目にするようなオネエ言葉を駆使するデフォルメされたキャラクターを求めていたはず。

そこから大きく外れた私は期待外れだったというわけね。

求められる姿を演じるのもお給料のうち。つまり私たちは女優よ。

そんなある日、お店の先輩従業員からこの言葉をかけられたのよ。

彼は中国人。年齢は30代後半。モヒカン頭で顔は谷村新司さん似(笑)。髭面でガチムチのザ・男って感じの見た目にも関わらず、毎日のようにISSEY MIYAKEのプリーツのドレスを着て、「私はファン・ビンビン(中国人女優)」と口癖のように言っていたわ。

日本人の我々でも圧倒されるくらい饒舌で勢いもすごく、お客様からも人気。

仕事の面ではすごく尊敬していたの。
でもその後、薬物で捕まり中国へ強制送還されてしまって(笑)。 色んな意味で伝説のオネエとして私の記憶に残っている人物よ。
私生活での問題が多い人だったから、プライベートで関わることはしていなかったけれど。

でもそんな彼から仕事終わりの朝方、2人で朝食を食べていたときにかけられたあの言葉が私を変えたのかもしれない。

ゲイがオネエ言葉を使う理由はさまざま。
本人のポテンシャルという場合もあれば、身を置く環境によって知らず知らずのうちに影響を受けて使うようになる人もいるわ。周りにゲイの友達が多いとか、普段から2丁目界隈によく行く方ならなおさらね。だけど私の場合、今でもゲイの友達は少ないけれど、ゲイバーで働く前は特にノンケの友達とばかり遊んでいたから、日常の中でオネエ言葉を使う機会がなかったの。

彼からその言葉を言われて、お客さまの期待に応える事が大切なんだと改めて気がついた私は、自分のブランディングをガラッと変えたわ。オーバーに女性っぽい仕草や言葉遣いで自分を表現し、エピソードトークを話す際も、嘘ではないものの、より笑ってもらうために多少脚色したわ(笑)。
その頃から次第にお客様の指名が増えていき、同伴も増えたのよ。

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「なんて簡単なんだろう」と思ったわ。「こうすればよかったんだ」って。やりすぎくらいが丁度良い世界なんだと気づいたの。だから私にとってオネエ言葉は仕事のスイッチ。

円滑に事を運ぶ為の私の武器の一つ。

そんなものが武器なのかって? もしかしたら中には馬鹿にしている人もいるかもしれないけれど、案外この武器って使い方によっては強いわよ。インスタグラムのフォロワーを4千人から23万人まで増やしたんだもの。

オネエ言葉を使う自分が本当の私かと聞かれれば違うかもしれない。だからと言って居心地が悪いわけでもないの。だってこれは、もはや私の一部だから。

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Profile

はなうえ じゅん 花上惇 SNS総フォロワー約50万人。ポジティブなマインドを発信するオリジナル動画がクセになると人気上昇中のインフルエンサー。独学で学び流暢に英語を話す姿にも反響がある。また2020年には『THEカラオケ★バトル』で優勝した経験も。Instagram   TikTok   YouTube   Twitter