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「もしも大切な家族が亡くなったら」悲しみを乗り越えたい人へ伝えたい言葉の処方箋。

2022.11.18

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皆さんこんにちは。花上惇(はなうえじゅん)です。一体私が何者なのかって? 私は、悩めるギャルズの駆け込み寺。普段SNSで活動しているラブリーでチャーミングな、今一番ホットなギャルよ(言うだけタダ)。現代社会を生きるやんごとなきギャルの私たちは、常日頃、世の荒波に揉まれながら人生をサバイブしているわよね。この連載では、普段エンパワーメントを発信している私が、これまでに出会った人物や作品、フレーズの中から、人生に影響を受けたものをpick upして、そこで思った考えをシェアしたいと思うの。

連載第8弾で取り上げるのは、『大丈夫。世界は、まだ美しい。』という作品で出会ったこの言葉。

『大丈夫。世界は、まだ美しい。』著者・荒井瑞貴

ただ住む世界が変わっただけ。ただ会えなくなっただけ。ただそれだけ。

引用:『大丈夫。世界は、まだ美しい。』第9話 p.84、P.85

11月上旬、曽祖母が死んだ。享年101歳。なんとも大往生だ。なんとなく、そろそろかもしれないと覚悟していたので、亡くなった当日の朝、母からの電話で訃報を聞いたその瞬間は、割と冷静に受け入れることができた。涙も、そのときは出なかった。

彼女は色彩のセンスやバランス感覚に優れた人で、染料を用いて布を染め、切って貼って、造花を作るのが趣味だった。実家には至るところに曽祖母の作品が散りばめられていた。
ひ孫である、私や弟のことはとても可愛がってくれた。

晩年の曽祖母は、認知症が進み、私のことも思い出せなくなっていた。少しお節介で余計なことを言ってくることも多い人だったので、疎ましく思うこともあったわ。今思えばそれすらも可愛らしく思えるけれど。とにかくもっと優しく接してあげれば良かった、と思う。

通夜当日、私は新幹線で実家に戻り、棺の中で冷たくなった曽祖母に対面した。シワやシミがとても少なく、綺麗に死化粧を施されたその姿は、とても101歳とは思えない美しい姿だった。白と薄紫の死装束がとても素敵だった。色彩にうるさい曽祖母もご満悦だったに違いない。

彼女の頬に触れたとき、そこで初めて涙が溢れた。二人きりで公園でピクニックをした日のこと、エビフライが大好きだったこと、私の髪型に文句を言う姿、色んな記憶が一気にフラッシュバックした。

私は「死」に直面するとき、その悲しみと向き合うとき、常にこう思うようにしている。

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“ただ住む世界が変わっただけ。ただ会えなくなっただけ。ただそれだけ。”

これは荒井瑞貴先生著、『大丈夫。世界は、まだ美しい。』という作品の中に出てくる言葉。もちろん「死」とは、辛く悲しいものであるけれど、「死」=「永遠の別れ」なのだろうか。

私は死んだ経験をしたことがないから分からないし、実際に死んだ人に聞くこともできないので知りようのないこと。もしかしたら死後の世界があるのかもしれないし、そうではないのかもしれない。そんなことは誰にも分からない。

今は遠くに行ってしまっただけ。ただ住む世界が変わっただけ。またいつか会えるかもしれない。そんな考え方をこの作品は教えてくれた。

だから私は身近な人が亡くなったとき、「さようなら」の代わりに「またね」と声をかけるようにしている。

荒井先生は作品の中でこうも言っている。

その人の印象が「笑顔」っていうことはその人を「笑顔」にできたってことなのだと思う。

引用:『大丈夫。世界は、まだ美しい。』エピローグ p.106、P.107

私自身、思い出す曽祖母の顔はいつも笑顔なのだ。つまり私は、曽祖母を笑顔にできていたということなのかもしれない。そう思うと少し心が軽くなるような気がした。

正直、曽祖母に対しては、もっとこうしてあげれば良かった、あのときこんなことを言わなければ良かった、など、タラレバは止まらない。大切な身近な人の死はいつどんなタイミングで訪れるか分からないもの。だから今これを読んでいる皆さんには、後悔のないよう、普段から大切な人へ感謝や愛情を伝える事を怠ったり、後回しにしたりしないでほしいと思う。人って本当に突然死ぬのよ。

これから会いたいと思ったときに会えないことは確かに辛い。けれどこれが永遠の別れかどうかは、現時点では分からない。 だからいつか、今度は私がピクニックに連れて行ってあげたい。お弁当にはエビフライを入れて。

だから、また会える日まで元気でいてね、おばあちゃん。

シャツ、パンツ/@sublations_official ネックレス、イヤーカフ(シルバー)、リング/@heres_official その他/スタッフ私物

以前の連載はこちら>

Information
『大丈夫。世界は、まだ美しい。』©荒井瑞貴 / 講談社(モーニング)

モーニングが開催する新人賞「第8回 THE GATE」にて、審査員の三田紀房氏、古屋兎丸氏が絶賛し、大賞を受賞。ある日突然、世を去った彼女への想いを切々とつづったエッセイ漫画。著者初の単行本作品。 ご購入はこちらから
Profile

はなうえ じゅん 花上惇 SNS総フォロワー約50万人。ポジティブなマインドを発信するオリジナル動画がクセになると人気上昇中のインフルエンサー。独学で学び流暢に英語を話す姿にも反響がある。また2020年には『THEカラオケ★バトル』で優勝した経験も。Instagram   TikTok   YouTube   Twitter

Text&model: Jun Hanaue Photos: nae Styling: Itaru Araya Hair&make-up: Kanako Composition:Arisa Uchida