年末年始の大掃除。やらなきゃと思っていても、なかなか手が進まないという人も多いのでは? 今回は「断捨離®」提唱者のやましたひでこ先生に、今すぐクローゼットを整理したくなる、“捨て活”メソッドの基本を教えていただきました! 意外と知らない捨てる服の見分け方から、目指すべき目標まで分かりやすく教えてくれたので、ぜひ最後までチェックしてみて♡

一般財団法人「断捨離®」代表 やました ひでこさん 『断捨離』をはじめとするシリーズ書籍は、国内外で累計600万部を超える大ベストセラー。その明るいキャラクターに世界中にファン多し。
“服”を捨てられない人こそ
年末の大掃除は最高のタイミング?
大掃除というとお家をキレイにしたいのが大きな目標ですよね。だけど「いざ大掃除だ!」と思ったのに、急にやる気がおきなくなったことってありませんか? 断念してしまう主な理由は、汚れ以前にそもそも部屋が“散らかっている”から。基礎的なことなんですけど、これをきちんと理解できている方は案外少ないんです。一度頭の中を整理して、まずは何のために大掃除をするのかを理解することが大事です by やましたひでこさん
覚えておきたい基本の「断捨離」
①まずは余計なモノがない、スッキリ空間をつくる!
これが何より先! 12月に「さあやろう!」と思っても無理なんです(笑)。どこから手をつけていいか分からない状態で、諦めのまま終わってしまう人がほとんど。問題なのは、余計な物が蓄積しているということに無自覚でいる状態です。現状認識が甘い!
②断捨離への近道、3ステップ!
スッキリ⇒モノのため込みをスッキリさせる
ピカピカ⇒汚れを取り除く
うっとり⇒うっとりとした空間をつくる
ほとんどの人がスッキリさえも実現していないのが現状です。さっそく乗車率300%の満員電車のクローゼットを7割に減らしていきましょう!

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簡単に服を捨てるための
「5つの手順」

溜め込んでいる服を一度全部出して確認していく
服を全部出したら、まずここで2つ驚いてほしいんです。1つめは量。「こんなにクローゼットに入っていたんだ」ってびっくりするはず。2つめは質。今見たら、まだこの服を持っていたんだって気づけるでしょう。簡単に言ったら、美味しいか美味しくないか。人間は、気分で食べて気分で着るもの。流行りモノをその時の気分で買っているの。目の前に溢れているものを目の当たりにして、初めて実感するんです!

必要なものは迷わない!迷ったら、人に譲るか手放して循環させる
目の前にたくさんある服を見て、「本当に必要かな?」「まだ着るかな?」って迷うはず。そんなあなたに一つお伝えしたいのは、モノは無くなって初めて「いらなかったんだ」「やっぱりアレは必要だった」と“気付く”ということ。むしろ100着あるうちの1〜2着、出番がない服をずっと閉じ込めているほうが、よっぽどストレスになっていませんか? それなら思い切って手放したほうがいい!

今、着たいものを選び抜こう! 捨てるんじゃなくて選び抜く。判断基準のものさしは「今」と「自分」
よく「1年着なかった服や、毛玉が付いた服は捨てましょう」と言われることがありますが、断捨離の大きな特徴はそのマニュアルがないこと。「ものさしは自分で作る」のが大切。去年買った服と今年購入した服では、それを目の前にした時の気持ちが絶対に違うはずなんです。
服って「またいつか着るかもしれない」と思わされるの。いろんな必要性を自分で捏造するのね(笑)。だからずっと溜め込んでしまう。大切なのは、自分が今この服を着て出かけたい気分になれるかどうか。流行りの服は期間限定のユニフォーム。服も生ものなんです。ViVi読者の方は、旬のファッションを思い切り楽しんで着倒して! 今の自分の気持ちに向き合って素直になりましょう。

クローゼットは物の通り道が必要。取りやすく仕舞いやすい7割収納を目指して
断捨離はテトリスのようにぎゅうぎゅうにしまい込む収納ではなく、ディスプレイなんです。「なぜ余りの3割にモノを入れないの?」と思うかもしれませんが、収納場所には物の通り道が必要で取りやすく仕舞いやすいクローゼットの空間を作るには「収納は7割」のガイドラインを順守して。理想はクローゼットをセレクトショップのディスプレイのような空間にすること。空間も洋服の一部です。お洋服に一生懸命になるのと同じくらい空間づくりも意識してみてください!
これをメイクに例えるならぎゅうぎゅうの収納はコテコテメイク。ミニマリズムは全部取り除いてしまうからガサガサメイク、それなら断捨離は潤いメイクといえるでしょう。適度にバランスを考えて、物を手放して! だって自分を包んでくれているお洋服は、私たちに与える影響力も圧倒的に大きいはずだから。

「要・適・快」を見極める。
今68歳の私にも、16歳の頃があったんです。当時の私に必要だった服は制服。16歳の女子高生にはふさわしく、まさに適していたんです。そしてその制服を着られることが嬉しかった。心地いい快楽ですよね。
制服は生地もしっかりしているし、傷んでいないから今も着ようと思えば着られるわけ。でも同じ制服を今の私が着たら、不要で不適で不快でしょ。だから同じモノでも自分との関係が変わったら、時間の経過共に見極めることが大切なんです。
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「最後にやました先生からメッセージ」
断捨離はダイエットや人間関係ともリンクしています。人間関係はもっと複雑で分からないことも多いはず。だからViVi読者の人にも、まずはモノでトレーニングしてほしいんです。溜め込んでいたら、いいことひとつもないよって話。しょうもない恋人をずっと引きずることにもなり兼ねない。だからモノも人間関係も新陳代謝が大事! 私たちは新陳代謝して生きているわけだから。
いかがでしたか?
年末もラストスパートで、大掃除へのプレッシャーにつぶされそうなあなた。まずはスッキリ空間を目指すことを目標に、行動あるのみ! 次回は、普段の生活でなかなか手放せない、書類や保証書といった資料の整理の仕方をやました先生が分かりやすく解説してくれます!
Interview&Text: Miyuki Nezasa