1999年に発表され大ヒットした宇多田ヒカルさんの名曲「First Love」と、その19年後に発表された「初恋」。この2つの楽曲にインスパイアされた究極のラブストーリー『First Love 初恋』がNetflixで話題。ヒロインの10代〜20代前半を演じた八木莉可子さんに作品への思いを語ってもらいました。
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【八木莉可子】Netflixで話題沸騰中の「First Love 初恋」を振り返る!一歩を踏み出せたのは宇多田ヒカルさんのおかげ
満島ひかりに教わった「役としてその場で生きる大切さ」
―― 「First Love 初恋」は20余年に渡る壮大な愛の物語が描かれ、八木さんはヒロインである野口也英の10代〜20代前半を担当。也英を演じていて共感できた部分はありますか?
「也英は心配性なタイプなのですが、そこは私と同じです。細かいことがいろいろと気になってしまって、『あれも必要かも。これも使うかも』と、仕事用のバッグがパンパンになってしまいがちです(笑)。慎重なところがいちばん共感できた部分ですね」
―― 今作は宇多田ヒカルさんの名曲「First Love」と「初恋」にインスパイアされた物語ですが、役作りにおいてもこの2曲を意識していましたか?
「今回はロケバスなどで移動する時間も長かったので、集中力を保つためにもずっと宇多田ヒカルさんの楽曲を聴いていました。前の撮影から日数が空いたときも、「First Love」と「初恋」を聴けばすぐに也英の気持ちに戻れましたし、助けられた瞬間が多いです。Spotifyでも宇多田さんの楽曲をヘビロテしているユーザーの一人として表示されたくらい聴き込んでいました(笑)」
―― 「First Love」は1999年に発売されてから幅広い世代に愛されている超名曲ですが、八木さんはどんなところが好きですか?
「個人的には『明日の今頃には あなたはどこにいるんだろう』という歌詞がすごく印象的で。普通は『今、どこで何をしているの?』と思っちゃいそうだけど、明日のことまで気になるというのは、それほど相手のことを深く知りたい証拠なのかなと。この曲ならではの尊い愛が際立っている部分であるような気がして、私はすごく好きです」
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―― 仕上がった映像を見てどんな感想を抱きましたか?
「北海道の絶景の中でロケ撮影が行われたので、やっぱり映像が美しいと思いました。そして、ダブル主演の満島ひかりさんと佐藤健さんのお芝居が本当に素敵で、ひとりの視聴者として引き込まれてすごく泣いてしまい、翌日、まぶたを腫らして大学に行きました。
ただ、正直なところ、まだ私はお芝居の経験も浅いですし、自分のお芝居を冷静に見るのは難しいですね。どうしても『大丈夫かな?』と不安になってしまうので、昨日、事務所の社長さんとマネージャーさんに電話して励ましてもらいました(笑)」
―― 撮影期間中に大変だったことを教えてください。
「也英が晴道に出会い、運命だと感じて、恋に落ちてく。その特別な心情をどんなお芝居で表現すればいいのか……そこはすごく悩みました。一人で考えていると凝り固まった表現になってしまいそうだったので、地元の友だちに電話して大切な人に対する気持ちを教えてもらったりして。
そもそも私は本格的な役作りをした経験がほとんどなかったので、どんな準備をしておくべきなのか? 撮影現場ではどんな振る舞いをするのが正しいのか? などなど、分からないことがあって悩んでばかりで……」
―― その後、吹っ切れたきっかけがあったんですか?
「私は台本を読み込んで自分なりにお芝居のプランを固めておくべきだと思っていたのですが、満島ひかりさんとお話させてもらったときに、『台本にとらわれ過ぎずに、莉可子ちゃんのキラキラした部分が写ればいいね』と言っていただいたんです。そう言っていただけて、役としてその場で生きることが大切だと気づきました。
自分なりに考えることは大切だけど、私が『こうしよう!』と思い込んでいたら、お芝居の相手から意外な反応が返ってきたときに対応できません。結果、どんどん不自然な掛け合いになってしまいます。そのお話を聞いてからは、撮影現場でその瞬間を生きて感じたことを素直に表現することを心がけていました」
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―― 一番印象に残っているロケ地はどこですか?
「やっぱり北海道ですね。現地でもニュースになったほど豪雪の日に撮影したこともあったので、とにかく寒くて。吹雪の中だとスタッフさんの姿も見えないし声も届かないので、衣装のバッグにトランシーバーを入れて指示を受け取っていました。
遭難しているような感覚を味わいましたね。しかも、也英はスカートの衣装が多くて……分厚いタイツを履いていたものの、さすがに寒さが身にこたえました(笑)」
―― 普段の八木さんはどんなファッションが好きですか?
「お仕事で個性的な服を着させていただく機会が多くて、それもすごく楽しいのですが、普段はシンプルな服装が落ち着きます。秋冬はついつい白いニットばっかり買っちゃうのですが、今年はブレザーを羽織った大人っぽいコーディネートに挑戦してみたいです」
―― この作品を観て自分の大切な初恋を思い出す人が多いと思いますが、八木さんの初恋は甘い記憶ですか? それとも、ちょっと苦い記憶ですか?
「今回の撮影を通して、本当の初恋がいつだったのか、自分でも分かっていない可能性もある気がしました。もう少し年齢を重ねた時に、いろいろ気づけることがあるのかなと……。
ただ、始めて男の子を好きになったのは幼稚園の頃です。英会話の教材に出てくる外国人の少年を好きになりました。『僕についてきて!』みたいなことを言う男の子で、すごく頼りがいのある姿に胸キュンしていたのかな(笑)。そう考えると甘い記憶なのかと思います」


Photo:Anna Miyoshi(TRON) Styiling:mie bon minagawa(the few) Hair:Tomoko Sato(mod’s hair) Make-up:NAO YOSHIDA(VOW-VOW) Composition&Text:Satoshi Asahara