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9番街レトロ・京極風斗の連載【0か100かで生きてゆく】#42「動物愛」

2023.05.10

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神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動している芸人「9番街レトロ」の京極風斗(きょうごく・かざと)さんは、極端なほどに“0か100か”で生きている。そんな京極さんは愛だって“100”注ぎ込むタイプ! 愛すべきものたちでいっぱいの部屋の様子とともに、京極さんの愛し方を聞いてみました。

9番街レトロ・京極風斗
連載【0か100かで生きてゆく #42】

ー 動物愛

Illustration: Kazato Kyogoku

超可愛いものたち

僕は動物が好きです。

結構好きです。

部屋にも動物を模したアイテムが沢山あります。

気付いたらこんなに集まってました。これはかなり好きですよね。

しかしながら、生きている動物は1匹もいません。植物ですら全てフェイクです。

これは好き故になんです。

好き故に、「動物を飼う」ということにかなりのためらいがあります。

この27年間、何度も何度も、ペットを飼いたいと思いました。

一番現実的なところまで考えたのは文鳥です。

文鳥って超可愛いんですよ。

鳥類ってのは孵化して初めに見たものを「親」と認識することが多いらしいんですが、その習性のおかげで、生まれた時からしっかり育てると、手に乗ってくれるぐらい懐くんですよ。

超可愛いでしょ。

文鳥についてネットで調べまくって、文鳥についての本も3冊読んで、その上で迎え入れるかどうかをかなり検討して、やっぱりやめておきました。

トイレの場所を覚えないから?

どこでやってもらっても構いません。

医療費が高いから?

お金で解決するなら安いもんです。

毎日帰らないといけないから?

毎日帰ればいいだけです。

全くもってデメリットではありません。

ありませんが、

それは実際には飼っていない僕の想像でしかないですよね。

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例えばフンを、パソコンのキーボードの隙間にされたら「イラッ」とするかもしれません。

医療費も今は払えるから「安いもんだ」と言えるだけで、とんでもなく困窮しているタイミングで病気になったら、すぐに対応するのは難しいかもしれません。

飼いたいと思っているだけの今の自分では分からないことが、たくさんあるはずです。

一番の不安は、「毎日帰らないといけない」です。

僕は芸人ですので、泊まり込みの仕事が多いです。

しかし、飼い主に懐いた文鳥は、飼い主に毎日会えないとストレスを溜めてしまうんですね。

なので、自腹を切ってでも新幹線で一旦帰らないといけないんです。

迎え入れたということは、僕の中でそれぐらいの覚悟は決めているはずなので、帰ること自体はいいのですが、それを「帰らないと”いけない”」と思ってしまう時点で、僕には生き物を飼う資格が無いなと思いました。

「帰らないといけない」ではなく、絶対に、絶対に、「帰りたいじゃないといけないんです。

一秒たりとも、「やってあげている」なんて思ってはいけないんです。

動物にそんな感情があるのか分かりませんが、「この人に引き取られて良かった」と思われないといけないんです。

ペットが飼い主を選べない以上、飼い主側が「絶対」と言える愛を持たないといけないんです。

命を飼うってそういうことじゃないですか。

それをなすには、僕はまだまだ未熟者です。

別に皆さんに強要するつもりはありませんが、もしペットを飼おうと思っている方がいるなら、それぐらいの覚悟を持ってほしいなと思います。

将来、人生に相当な余裕ができたら、その時にまた検討します。

今はぬいぐるみでええ。

photo by: Ryo (Kotora)

連載『9番街レトロ・京極風斗の0か100かで生きてゆく』は第2・4水曜日に更新!

#京極風斗
『0か100かで生きてゆく』

PROFILE
京極風斗(きょうごく・かざと)
1995年8月9日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属のお笑いコンビ。2019年4月1日に9番街レトロを結成。神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動中。
個人チャンネル「京極風斗の道楽ちゃんねる。」ではアートとインテリアを軸に、好きなことを配信。
コンビのYouTubeチャンネルでは日々の出来事やネタの動画を配信。
そのほか、絵が得意で自らデザインしたオリジナルグッズをSUZURIで販売している。
Twitter @9th_kyogoku
Instagram @9th.kyogoku
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Photo: Ryo (Kotora) Text & Illustration: Kazato Kyogoku