皆さんこんにちは。花上惇(はなうえじゅん)です。一体私が何者なのかって? 私は、悩めるギャルズの駆け込み寺。普段SNSで活動しているラブリーでチャーミングな、今一番ホットなギャルよ(言うだけタダ)。現代社会を生きるやんごとなきギャルの私たちは、常日頃、世の荒波に揉まれながら人生をサバイブしているわよね。この連載では、普段エンパワーメントを発信している私が、これまでに出会った人物や作品、フレーズの中から、人生に影響を受けたものをpick upして、そこで思った考えをシェアしたいと思うの。
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LGBT当事者としてジェンダーレストイレを考える
連載第21弾で取り上げるのは、この時期、毎年話題に上がる「五月病」について。久しぶりに再会した知人とのエピソードをもとに話したいと思う。
人は誰しも他人には“見えない重荷”を背負って生きている
最近通い始めたジムで、偶然にも昔の知人と再会した。彼は、私が昔ミックスバーで働いていた頃に、お客様として時々飲みにきていた人。明るく楽しい人柄で、周りにとても愛されていた。知り合った当時から某大手企業に勤めている彼だったが、久しぶりの再会で彼が話してくれた近況には少々驚かされた。
「俺、今2ヶ月くらい休職してるんだよね。分かりやすく言うと躁鬱みたいな。」
少し恥ずかしそうに笑いながらそう話す彼を見て私は思った。あなたも“見えない重荷”を背負っているのね、と。
驚いてしまった理由は、彼が「そういうタイプ」には見えなかったから。「そういうタイプ」って何だよ、という感じではあるが、私から見た彼は冒頭でも書いた通りの人柄で、決して休職に至るまで精神を病んでしまうタイプには見えなかったのだ。
しかし、それは私の身勝手な思い込みであり、単に彼をそこまで深く知らなかっただけの話。私は所詮、彼の表面だけを見ていたに過ぎなかった。それを私は深く反省した。

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「五月病」という名の心のアレルギー反応。その正体は?
楽しかったGWも過ぎ去り、徐々に普段の日常が身体に馴染み始めてきた頃かと思うが、中には心に「五月病」という名のアレルギー反応が出ている方もいるのではないだろうか。
「五月病」とは、進学・就職・転勤・異動など、生活環境が大きく変わる春に、期待や不安で緊張感が続き、GWの連休でその緊張感が一度緩むことで、「倦怠感」や「物事を悲観的に考えてしまう」など、気分が落ち込んでしまうこと。医学的には「適応障害」や「うつ病」と診断されることもあるそうだ。
対策法をググってみたところ、どのHPにも同じようなことが書いてあった。
・睡眠の質を上げる(適度な休息を取る)
・栄養バランスの取れた食事をする
・適度な運動を心がける
・他人とのコミュニケーションをしっかり取る
どの項目もストレスを軽減させる為の対策だとは思うが、私はソレを無くす努力をするよりも、ストレスの原因となりうるものが、そこにあることを受け入れたうえで、上手く向き合い、付き合っていくことの方がより大切なのでは、と思う。
走り続けていたら息が上がるのは当たり前。こまめな水分補給や休憩を取ることもとても大切なこと。無関係の他人にどう思われようが、なんと言われようが、決して自分のペースを崩さず、心の中でこっそり“Fワード”を唱えましょう。
この現代社会においてストレスフリーなんて夢物語だろうから。
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心の傷は可視化できないからこそ見落としがち
そもそも、ストレスは可視化できないものだからこそ自覚しづらいのだろう。身体は擦りむけば出血し、瘡蓋となり治癒の経過が分かりやすいが、心はそうではない。
誰しも知らず知らずの間に背中に積み重なる荷物の重量に耐え切れなくなり潰れてしまう。
まずは、ストレスをストレスだと自覚すること、そしてそれに対する自分自身のキャパシティを自覚することが大切なのかもしれない。それが向き合うということではないだろうか。
第二に、ストレスを自覚すれば、それを回避することができるようになる。キャパシティーを自覚すると、潰れる前に荷物を一つ下ろせるようになる。これが付き合うということではないだろうか。
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ストレスに打ち勝とうとする必要はない。十分あなたは強いから。
ジムで再会した彼は五月病というわけではないが、「休職なんて情けないよな」と自虐しながら笑っていた。
しかし私はそうは思わなかった。
彼は自分の限界を自覚したうえで対策を講じただけのこと。全てを手放す覚悟で自分を立て直そうとしている強い人。
ViVi読者の方の中に、もし絶賛・五月病という方がいるのであれば、そんなあなたに伝えたい。真面目で責任感が強い方や、完璧主義だという方には尚更ね。
これまで目の前の物事に責任感を持ち、向き合い、ひたむきに努力してきた自分をぜひ評価してあげてほしい。
ストレスに打ち勝とうとする必要はない。
“共存”、それが私の考える上手な向き合い方、そして付き合い方であるということを。

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