日差しがどんどん強くなるこの時期、「そろそろ本格的に紫外線対策しなきゃ」と思っている人も多いはず。でもちょっと待って! その紫外線対策、間違えていませんか? 紫外線から肌を守り切るために、ここで一度、UVケアについてしっかりおさらいしておきましょう。日焼け止めの効果や正しい塗り方を美容皮膚科の先生に教えてもらいました。

美容皮膚科医 高瀬聡子先生ウォブクリニック中目黒総院長。ViViのスキンケア連載の監修を務めるほか、雑誌やTVなど多くのメディアに出演。わかりやすい解説と取り入れやすいスキンケアアドバイスが人気で、美容関係者からの信頼も厚い。
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Q.真夏以外も日焼け止めが必要なの?
A.日焼け止めは1年中必要です!
「必要です! 紫外線は1年中、地上に降り注いでいます。1回の浴びる量が少なかったとしても、そのダメージが蓄積すれば必ず肌にトラブルとして現れてくるので、真夏以外も日焼け止めを塗りましょう。特に今の時期は紫外線量が急増する時なので、まだ紫外線対策をしていない人は今すぐ始めて!」(高瀬先生)

資料提供/花王ビューティリサーチ&クリエーションセンタ
Q.日焼け止めは毎日塗るべき?
A.雨の日や部屋で過ごす日もUVケアを!
「紫外線は雨の日も降り注いでいます。また、紫外線の中のUVAはガラス窓を透過して室内に侵入するので、室内でも窓の近くで過ごす時は紫外線を浴びる危険が。晴れた日の外出時は当然のこと、雨の日や日が差し込む部屋で過ごす時もUVケアは必要です」(高瀬先生)
Q.日焼け止めはどのタイミングで塗るの?
A.スキンケアの最後に塗るのが基本
「スキンケアの最後、ベースメイクする前に塗るのが基本です。乳液やクリームがしっかりなじんだ後、日焼け止めを顔〜首にムラなく塗ってください。メイクする場合は、日焼け止めを塗った後に下地やファンデを重ねて」(高瀬先生)
Q.日焼け止めはどこに塗るの??
A.顔のほか首や耳などにもぬかりなく!
「顔全体にムラなく塗って。うっかり焼けしやすい首や耳、うなじ、あごの下などの細かい部分や鏡で見えにくい部分にも忘れずに。ボディも、肌を露出する部分には必ず塗っておきましょう」(高瀬先生)
Q.適量はどのくらい?
A.説明書に書かれた量を守って。量が足りないと効果減!
「全顔で10円玉大くらいの量が目安ですが、商品によって異なるので、必ず取扱説明書などに書かれた規定量を守って使用してください。量が足りないと紫外線カット効果が十分に得られないことがあるので要注意!」(高瀬先生)
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Q.日焼け止めにSPF・PAと書いてあるけど、なんのこと?
A.SPFはUVBの防止効果、PAはUVAの防止効果を表しています
「SPF・PAは紫外線への防御力を示したものですが、SPFとPAとで防御する対象が違ってきます。それぞれの数値をチェックして、目的に合った防御力の日焼け止めを選びましょう」(高瀬先生)
【SPF】
Sun Protection Factorの略。UVBによって肌が赤くなる「サンバーン」をどれくらい遅らせられるかを測定し、数値化したもの。数値が大きいほどカット効果が高く、現在の最高値はSPF50+。
【PA】Protection Grade of UVAの略。UVAによって肌が黒くなる「サンタン」をどれだけ遅らせられるかを、+の数で表したもの。+が多いほどカット効果が高く、現在は++++が最高値。
Q.SPF値が高くないと効かないの?
A.SPF値が低くても紫外線は防げます。ただし長時間の外出には不向き
「SPF値が低いからといって効かないわけではありません。ただ、SPF値が低いものはPA値も低い傾向があったり、より短時間でのこまめな塗り直しが必要だったりして、紫外線を長時間浴びる環境には向かない面も。外出時間や過ごし方に合わせてSPF・PA値を選ぶのが正解です」(高瀬先生)
SPF・PA値が高いもの → 外出時間が長い時におすすめ

【左】肌をふんわりトーンアップしながら、ナチュラルな血色感をプラス。サンゴなどの海洋生態系への影響にも配慮され、肌にも環境にもやさしい。ラゴム トーンアップサン UVクリーム SPF50+・PA++++ 40ml ¥3630(4月26日発売)/アリエルトレーディング 【中央】保湿成分のシルクパウダーを配合し、潤いと透明感を与えながら紫外線をブロック。肌に溶けるようになじむ使用感や癒される香りもポイント。シルキー デイ エッセンス UV SPF50+・PA++++ 40g ¥3080/トーン 【右】UVケアしながら、くすみや毛穴などにマルチに働きかけるビタミンCをしっかりチャージ。軽やかでおしろい効果もあり、メイク下地としても優秀。メラノCC ディープデイケアUV乳液 SPF50+・PA++++ 50g ¥1210(編集部調べ)/ロート製薬
SPF・PA値が高くないもの→ちょっとした外出や日差しが入る部屋で過ごす時におすすめ

【左】植物由来の保湿成分を配合した、乳液タイプの日焼け止め。肌なじみよくベタつかないテクスチャーで、石けんできれいに落とせる。ハーバルサンプロテクトローション 無香料 SPF30・PA++ 90ml ¥2530/マークスアンドウェブ 【中央】肌なじみのいいコーラルカラーで、くすみをカバーしてヘルシーな肌色を演出。天然精油をブレンドしたシトラス系の香りもGOOD! スキンプロテクション UVジェル C 01 SPF30・PA+++ 30g ¥4400/athletia 【左】みずみずしくて軽やかな“水膜ヴェール”が、肌の凹凸にもムラなくフィット。肌の潤いを守りながら、ベタつくことなく紫外線ダメージを防ぐ。サンシェルター マルチ プロテクション エクストリーム コンフォート SPF30・PA+++ 35g ¥3300/コスメデコルテ
Q.日焼け止めはどう選べばいい??
A.シーンや効果、使用感など総合的に自分に合うもの選んで
「過ごすシーンに合った紫外線カット力(SPF・PA値)のほか、テクスチャーや使用感、保湿やブライトニングなど+αの効果、携帯しやすさや石けんオフ可などなど、自分の肌に合うのはもちろん、プラスで欲しい効果や好みに合うものを選んで。毎日使うものなので、ストレスなく使い続けられるかどうかが重要です」(高瀬先生)
「海やキャンプで使いたい」場合は……
SPF50+・PA++++ かつ、スーパーウォータープルーフタイプをセレクト!

汗や水、湿気、熱に反応するとUVブロック膜が均一化して強くなる独自のテクノロジーを採用。太陽の下で思いっきり遊びたい人の味方! アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク N SPF50+・PA++++ 60ml ¥3300(編集部調べ)/資生堂
汗や水、湿気、熱に反応するとUVブロック膜が均一化して強くなる独自のテクノロジーを採用。太陽の下で思いっきり遊びたい人の味方! アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク N SPF50+・PA++++ 60ml ¥3300(編集部調べ)/資生堂
「べたつきが苦手」な場合は……
ウォータリータイプをセレクト!

水のようにスーッとのびてピタッと密着し、すぐにサラサラに。塗りたてでも髪や服がつきにくく、ストレスフリーに使えて快適! ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトローション SPF50+・PA++++ 70ml オープン価格/花王
「お家で過ごす時間が長い」場合は……
SPF・PA表示のあるデイクリームをセレクト!

独自開発の保湿成分をはじめとする美容成分が、各層の深くまで浸透。朝ケアにぴったりの軽い使用感ながら、乾燥する環境でも潤いをキープ。エッセンシャルイネルジャ ハイドレーティング デークリーム SPF20・PA+++ 50g ¥7150/SHISEIDO
Q.肌が敏感ぎみだから日焼け止めを塗るのが不安
A.敏感肌用アイテムでしっかりUVケアを!
「敏感になっている肌は、バリア機能が弱くなっていることが多く、紫外線ダメージを受けやすい状態です。刺激の少ない敏感肌対応の日焼け止めを塗って、しっかり肌を保護しましょう」(高瀬先生)

【左】敏感肌のことを考えた高保湿、低刺激、ノンケミカル処方。きしみ感やパサつき、白浮きがなく、使用感も含めて肌への負担をとことん排除。雪肌精 クリアウェルネス UVマイルドミルク SPF50+・PA+++ 50ml ¥2310(編集部調べ)/コーセー 【右】保湿成分と肌荒れをケアする有効成分を配合して、乾燥により敏感ぎみになった肌に刺激を与えず、紫外線からきっちりガード。キュレル 潤浸保湿 UVローション SPF50+・PA+++ 60ml ¥1760(編集部調べ・医薬部外品)/花王
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Q.ニキビ肌は日焼け止め塗らない方がいいって聞いたけど……?
A.ニキビケアラインの日焼け止めがおすすめ
「どんな肌でもUVケアは必要! ニキビができやすい人は、ニキビケアラインの日焼け止めや、毛穴詰まりができにくいノンコメドジェニック処方のものを選ぶのがベターです」(高瀬先生)

【左】ニキビや肌荒れを予防するとともに、メラニンの生成も抑える薬用UV。使用感もサラッと軽く、皮脂が気になる肌に◎。プロアクティブ UV プロテクター SPF50+・PA+++ 30ml ¥1980(医薬部外品)/ザ・プロアクティブ・カンパニー 【右】通気性がよくニキビに負担をかけないUVカット膜を形成。ベージュの色つきで、赤みやニキビ跡も自然にカバー。イプノス シーバムクリア UV プロテクション SPF38・PA++ 25ml ¥3080/アクセーヌ
Q.ボディ用と顔用は分けたほうがいい?
A.基本的には兼用でOK
「基本的に、顔用の日焼け止めを体に塗っても問題はありません。ただし、ボデイにはもったいないからと使う量をケチってしまうと十分なUVカット効果を得られないので、そういう場合はボディ用にもう1つ、どんどん使えるものを用意しておくといいでしょう。背中や脚の裏側などは塗り残しやすいので、背面もカバーしやすく髪にも使えるスプレータイプが便利でおすすめ」(高瀬先生)

【左】3種のビタミンC誘導体や保湿成分がしっかり入ったひんやりミスト。シューッとするだけで、UVケアしながら肌をすっきりリフレッシュ。VCサンプロテクトスプレー SPF50+・PA++++ 70g ¥2200(限定)/アンプルール 【右】ベビーパウダー配合で、ミストが肌になじんだ瞬間サラサラに変わり、汗ばむ環境下でもそのサラサラ感が長時間続く。パウダーinながら白く残らないのも嬉しい。サンカット プロテクトUV スプレー SPF50+・PA++++ 60g ¥880(編集部調べ)/コーセーコスメポート
Q.紫外線カット効果のある下地やファンデーションを使っているなら、日焼け止めは塗らなくていい?
A.日焼け止めを塗った方が安心です
「日焼け止めなしでも紫外線カットはできますが、層を厚くすることによる紫外線防御力の強化は狙えるので、日焼け止めも塗っておいた方が安心です。その場合は、日焼け止め→下地→ファンデーションの順で塗ってください」(高瀬先生)
Q.朝しっかり日焼け止めを塗っておけば、1日持つよね?
A.2〜3時間ごとに塗り直しましょう!
「日焼け止めの効果の持続時間は約2〜3時間と言われています。朝どれだけしっかり塗っても、汗や皮脂、こすれなどでとれてきてしまうので、2〜3時間ごとに必ず塗り直しを!」(高瀬先生)
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Q.メイクしているのに、どうやって塗り直せばいいの?
A.メイクの上から使える日焼け止めで“追いUV”を
「紫外線カット効果のあるファンデを塗り直すのでもいいですし、今はメイクの上から使える日焼け止めも増えているので、そういうものを携帯してメイクの上から塗るのもOK。自分が取り入れやすいものを選んでください」(高瀬先生)
ミストタイプ スティックタイプ

【左】細かいミストが肌に均一にのび広がり、みずみずしいオイルジェル膜に変化して密着。スリムサイズだから携帯にも便利。カネボウ チアリング ミスト UV SPF50+・PA++++ 30ml ¥3300/カネボウインターナショナルDiv. 【右】いつでもどこでもワンストロークで広範囲に塗れる幅広スティック。シカ成分配合で、暑さでほてった肌をやさしく落ち着かせてくれる。Dr.G グリーンマイルドサンスティック SPF50+・PA++++ 17g ¥1760/インターナショナルコスメティックス
クッションタイプ

潤い感満点のミルクをしみ込ませたクッションUV。狙ったところに的確に塗れるから、細かい部分や重ね塗りしたい部分をきちんとカバーできる。フーミー クッションUVパクト ピンク SPF50+・PA++++ ¥2530/Nuzzle
パウダータイプ

重ねづけしても粉感や厚みが出ず、スッと溶けるようになじむ繊細パウダー。毛穴やくすみを飛ばして肌の透明感をUP。SNIDEL プレストパウダー UV n 00 SPF50・PA++++ ¥4180/SNIDEL BEAUTY
Q.ところで、そもそも日焼けするってそんなに肌に悪いの?
A.紫外線はさまざまな肌トラブルや老化のもと!
「日焼け=肌が黒くなったりシミができたりする、というイメージがあると思いますが、紫外線によるダメージはそれだけではありません。『肌が老化する原因の8割は紫外線』と言われるくらい肌への影響が大きく、表皮だけでなく真皮にもダメージを与えて、シミのほかにも乾燥、くすみ、シワ、たるみなど、さまざまな肌トラブルや肌の老化につながっていきます。逆に言うと、紫外線ダメージを防げれば、肌のトラブルや老化の大きな原因を取り除けるということ。つまり、日焼け止めを毎日塗ることこそが、今と未来の美肌にとってとても重要なポイントになる、ということです!」(高瀬先生)
マスクなしで過ごす時間が増えそうな今年の夏。今まで以上に紫外線への意識とUVケアの知識をしっかり持って、紫外線ダメージに負けない美肌を手に入れましょう!
Text:Hiroe Miyashita Composition:Masami Oguma