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【フェミニズムを学ぶ】男女間賃金格差、日本はワースト4位!?公平な社会のために私たちが出来ること

2023.06.12

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『フェミニズム』の言葉の意味、知っていますか? 日本はジェンダーギャップ指数が非常に低く、先進国では最低レベル。でも、日常生活で男女格差をそこまで感じていないViVi読者も多いのではないでしょうか? 女性の多くが格差を感じるのは、社会に出てから、結婚や出産をする時と言われています。今、日本が世界と比べてどんな状況なのか、『フェミニズム』とは何かを知りましょう。知識が増えることで見えてくる世界があります。性別によって、人生や夢を制限される必要はありません。私は私。あなたはあなた。私たちの未来が良くなることを信じて、世界を見る目を養いましょう。

まずは数字で現実を見ると……

日本のジェンダーギャップ指数は、
116位/146ヵ国
先進国の中では最低レベル(;_;)

WEF(世界経済フォーラム)が発表した、2022年の日本のジェンダーギャップ指数の総合順位は、116位。部門別に見ると、『政治』は139位、『経済』は121位。日本の政治家や管理職には圧倒的に男性が多く、こうなっている背景には、日本社会の仕組みや、刷り込みとしてのジェンダーギャップが根深く存在している。

格差をなくすには『公平』な対応が必要

塀の前にいる人に『平等』と『公平』に台が渡されたイラスト。左側は、『EQUALITY=平等』に台が配られた図。右側は、『EQUITY=公平』に台が配られた図。ハンデが必要な場合、必ずしも『平等』な対応が正しいとは限りません。似ている言葉ですが、社会にとって大切な違いが表現されています。

広辞苑によると…
【平等】
かたよりや差別がなく、すべてのものが一様で等しいこと。
【公平】
かたよらず、えこひいきのないこと。

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「みんな違って当たり前」が
当たり前の社会へ

アルテイシアさんと学ぶ
「フェミニズム」なう。【前編】

“フェミニズム”の現状と知っておくべきトピックを教えてくれたのは、書籍『ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』の著者アルテイシアさん。「言われてみれば確かにそうだな」「自分の中にも偏見があった」など、納得の話がてんこ盛り。この企画が、自分や身近な人、社会について考えるきっかけになるといいな!

今回、フェミニズムを教えてくれたのは…
作家
アルテイシアさん
神戸市生まれ。大学卒業後、広告会社へ勤務。2005年に『59番目のプロポーズ』で作家デビュー。『生きづらくて死にそうだったから、いろいろやってみました』、『フェミニズムに出会って長生きしたくなった。』、『モヤる言葉、ヤバイ人』、『田嶋先生に人生救われた私がフェミニズムを語っていいですか⁉』など、著書多数。
\めっちゃ面白いフェミニズム論/

『ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』 ¥781/幻冬舎文庫 ●商品情報はViVi2023年7月号のものです。

文庫サイズのため手に取りやすい。フェミニズムを知りたい、誰かに知ってもらいたい、そんな人におすすめの爆笑フェミエッセイ。

【フェミニズム】とは……

性別による差別や抑圧をなくす運動。
“みんな違って当たり前”が当たり前の社会、個人の生き方や選択を否定するのではなく、それぞれの生き方や選択を尊重しようという考え方。性別による差別や抑圧をなくしてみんなが自分らしく生きられる社会を目指すこと

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女性は今、「徒競走」ではなく
「障害物競走」の状態

家事・育児・介護に関わる時間が長いのは女性。また、女性の平均賃金は男性の7割程度と言われ、OECD(経済協力開発機構)の2022年男女間賃金格差のランキングによると、日本はワースト4位。女性を優遇してほしいわけではなく、こういった格差をなくしてほしいだけなんです。

マジョリティ(多数派)は
自分がマジョリティと思わず
暮らしている。

「差別に関してあまりピンと来ない」と思うのは、マイノリティの苦悩に鈍感で、自分ごととして考えずに済む“特権”を持っているから。

フェミニストの逆は、
『性差別主義者』

ツイフェミという言葉や過激で男嫌いな女性というネガティブなレッテルがあり、「あなたはフェミニストですか?」の問いに、「違う」と答える人も多いのではないでしょうか。

または、特別な活動や発信をしていないと、フェミニストと名乗れないと思っていたり。フェミニストは、ジェンダー平等を目指し、性差別をなくそうとする人です。だから反対の意味は、セクシスト(性差別主義者)

「あなたは性差別主義者ですか?」の問いには、多くの人が「違います」と答えるのではないでしょうか。フェミニストは、男性と対立をしたいわけではなく、性差別や性暴力をなくしたいと願う人たちです。

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クオータ制をどう思う?

(*格差是正のために、マイノリティに割り当てを行ったり、男女の割合を揃えること)

政治家や管理職の9割が男性など、今が男性に偏り過ぎの状況なので、その偏りをなくそうという話なんです。特に、日本は政治や経済のジェンダーギャップ指数が低すぎるため、拘束力のあるクオータ制を導入すべきだと思います。

この話題になると「女性優遇の逆差別だ」「優秀じゃない女性が参入する」という声が必ず上がります。でも、女性が増えると政治や仕事に良い影響が出ることは、世界中のさまざまなデータが証明しています。

人口の半分を占めている女性が、意思決定の場に少ないのは不自然ですよね。ジェンダーギャップ指数上位の国々も、拘束力のあるクオータ制を導入してから社会が変わっていきました。日本のように“努力義務”では、男性優位社会を守りたいトップの男性たちは動きません。

『いいね!』やリツイートの、
アクションから始めよう!

自分はフェミニストだと思っても、無理して名乗る必要はありません。特別な活動や発信をしていなくてもいいんです。もし何か小さなアクションを起こしたいなら、共感する投稿や記事に「いいね!」やリツイートなどをすることから始めてみてください。

Text&Composition:Yumiko Ito Cooperation:EASE