皆さんこんにちは。花上惇(はなうえじゅん)です。一体私が何者なのかって? 私は、悩めるギャルズの駆け込み寺。普段SNSで活動しているラブリーでチャーミングな、今一番ホットなギャルよ(言うだけタダ)。現代社会を生きるやんごとなきギャルの私たちは、常日頃、世の荒波に揉まれながら人生をサバイブしているわよね。この連載では、普段エンパワーメントを発信している私が、これまでに出会った人物や作品、フレーズの中から、人生に影響を受けたものをpick upして、そこで思った考えをシェアしたいと思うの。
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他人軸のダイエットと自分軸のダイエット
連載第23弾で取り上げるのは、最近話題の「結婚」について。独身の友人たちのリアルな声をもとに、なぜ日本の若者たちが結婚を望まないのか、その本当の理由を考えていきたいと思う。
少子化対策はもちろん、誰もが結婚できる社会はいつ訪れる?
5年ごとに実施される国勢調査の統計によると、国内の生涯“未婚”率は男性が28.25%、女性が17.85%と年々増加している。まず、この場合における「生涯」の定義として、50歳まで一度も結婚をしたことがない人を指す。
この割合の中には積極的に婚活に励む男女も含まれているとは思うが、ここ最近は男女共に結婚というもの自体に対し消極的な意見が目立ってきている。「結婚は人生の墓場」なんて極端な言葉もあるが、果たして本当にそうなのだろうか。
私自身は物心ついた頃からセクシュアルマイノリティーとして生きてきた中で、自然と結婚を選択肢から除外する癖が染み付いてしまっているが、やはり周りの仲睦まじい夫婦を見て、喜びも悲しみも共有できるパートナーが側にいることはとても素敵だと羨ましく思う。私もいつか素敵な人と出会えたら、そしてこの国の法律が改正された際には、と憧れの気持ちがある。

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昔は男女ともに、結婚する「メリット」があった
ちなみに1980年の生涯“未婚”率は、男性が2.6%、女性が4.45%、1990年は男性が5.57%、女性が4.33%だったそう。つまり私たちの親世代である、現在50代以上の男女にとっては結婚が非常に身近で当たり前のものだったのだろう。
それは恐らく今ほど経済がひっ迫していなかったことや、社会生活における“結婚していることによるメリット”が男女共に大きかったからかもしれない。
女性は今ほど社会進出ができず、一家の大黒柱である男性の収入に頼らざるを得なかった時代。そして男性は未婚というだけで「半人前」扱いされるという謎の風潮。それが出世に響いてしまったりすることもあったのだとか。もちろん今も完全にゼロになったのかと問われると全くそうではないが。
家電も今ほど自動化が進んでおらず、家事一つとっても非常に手間と時間がかかってしまっていた。一日の大半を労働時間に費やす男性にとって、それらをカバーしてくれる女性の存在は何よりもありがたかったはず。
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未婚者がより生きやすくなった社会背景
周りの独身の友人達は、“結婚したくない”というより“一人が気楽”と考えている数が非常に多かった。
その理由を尋ねてみたところ、「そもそも経済的に余裕がない」という意見が圧倒的に多く、とある男性の友人は、「一人で生きていく分には問題ないが、パートナーや将来の子供を養う余裕はない」と言った。
近年の婚活市場においては女性だけでなく、男性側も女性の経済力を考慮する割合が増えているのだとか。
独身の頃に自分の為だけに使えていたお金が家族の共有財産となる。それに喜びを感じる人もいるだろうが、もっと気楽でいたいという層が増えているのかもしれない。考え方によっては、逆に責任感が強い……と言えなくもないが(?)。
以前、結婚直前の夫婦の平均貯金額は300万円前後という話を耳にしたことがある。結婚自体にお金がかかるわけではないが、結婚式などを考慮すると、最低でもある程度のお金を貯めておく必要があって、その後に出産や育児がある場合などはさらに出費がかさむ。
今、物議を醸している「異次元の少子化対策」も、リアルな子育て世代が求めているものとはかなりのズレがあるように感じた。
さまざまな意見の中には、将来子どもを持つことを考えたら夫婦になるよりも、敢えてシングルという“かたち”を選択をした方が手厚い補助が受けられるというものも。家族にとって子どもにとって“幸せ”とは何か、そのために国ができることは何か。
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結婚を考えない理由として、次に多かったのは「自分の時間を自由に使いたい」という意見。
自分の自由な時間を自分の為だけに使えることも未婚者の特権の一つだろう。趣味や娯楽の多様化、その情報量も増え、結婚が必須事項ではなくなった今の男女とって、ある程度の制限が生じる結婚生活は窮屈に感じてしまうのかもしれない。
別に一人でも問題なく生きていけるのに、あえて我慢が多い選択はしたくないよね、ということなのだろうか。
若い世代が向きあうべき問題は、もっと先にある
未婚率が低かった80年代~90年代は意外と職場恋愛が多かったそう。今は良くも悪くもコンプライアンスが厳しい時代となってしまい、些細なことでもセクハラ疑惑が囁かれる。このような時代背景が恋愛をより難しいものにしている側面もあるのかもしれない。
男女ともに言えることだが、職場の気になる人を一対一で食事に誘っただけで、何かしらのハラスメントと言われてしまったら堪ったものじゃない。
もちろん、誘う側に落ち度がない場合に限るが。一方からすれば、ただ食事に誘っただけかもしれないけど、もう一方からは、普段から何かと仕事で高圧的なことを言われていて、仕事終わりくらい自由に過ごしたいのに、飲みの席で仕事のアドバイスをされる……という可能性もあり得るからだ。
昨今、一人用のカウンター席の両隣がパーテーションで区切られた飲食店などが増え、おひとり様に寛容な世の中となり(コロナ禍の影響もある)、未婚者がより生きやすくなったと言える。
その為、結婚により多方面で我慢を強いられるくらいなら独身でいい、という意見も当然なのかもしれない。
今後も上昇し続けると言われる生涯未婚率。今後の課題は更なる少子化や孤独死、年金問題など、未婚率上昇による弊害への対策となってくるだろう。
若い私たち世代が向きあうべき問題は、もっと先にあるかもしれないということ。
逆に必要に迫られ、“焦って妥協の結婚をする必要がなくなったことは良いこと”と言えなくもないかもしれないけれど。

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