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バイアグラはスピード認可、なのに低用量ピルは40年遅れ…何故?Z世代が等身大の『フェミニズム』を語る

2023.06.19

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『フェミニズム』の言葉の意味、知っていますか? 日本はジェンダーギャップ指数が非常に低く、先進国では最低レベル。でも、日常生活で男女格差をそこまで感じていないViVi読者も多いのではないでしょうか? 女性の多くが格差を感じるのは、社会に出てから、結婚や出産をする時と言われています。今、日本が世界と比べてどんな状況なのか、『フェミニズム』とは何かを知りましょう。今回は、長谷川ミラさんと藤井サチが等身大のフェミニズムを語ります。気になることは自ら取材! ジャーナリズム魂を持つZ世代のオピニオンリーダー長谷川ミラさんと社会問題を熱心に勉強中のサチが、白熱フェミトーク。実は週1で会うほど仲良しな2人。Z世代としてリアルに感じることを、ありのままに語ってもらいました。

バイアグラは一瞬で認可されたのに、低用量ピルの認可は欧米より約40年遅れ……。

サチ 2020年のコロナ禍の特別定額給付金が、“世帯主”に入金されたことで、夫からのDV被害で別居中の女性などが給付金をもらえなかったってニュースがあったよね。

家族の形も多様化してるのに、その入金方法には違和感を感じました。政治的決定権を持つ場に、女性や一般市民の感覚を持つ人が少ないから、その方法だと、給付金をもらえない人が出てくるって発想にならなかったんだなと。

ミラ 分かる。あと、バイアグラは半年くらいのすごいスピードで認可されたのに、低用量ピルは欧米より約40年も遅れて認可されたり、緊急避妊薬は今も処方箋がなければ買えなかったり(2023年4月末現在)。「自分の体のことなのになんで?」と思うことがよくある。

これも政治の決定権を持っているのが、男性ばかりだからじゃないかな。女性の体のことがよく分からないだろうし、想像力が働かないなら、女性をその場に入れるべきだよね。

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男女平等の権利を勝ち取ってくれた人たちがいるから、今の私たちがある。

ミラ 私の親友が大学時代、スキーサークルに所属してたんだけど、そのサークルの部長って代々、男子学生がなってたんだって。次の部長を決めるミーティングで、当たり前に「メンズ、誰やる〜?」ってなったらしくて。その子は、「いやいや、性別で部長決めるのおかしいでしょ!」って、先輩たちも巻き込んで大バトルしたの。

結局、熱意を買われてその子が部長になったという話があって。男女平等について、なんでこうやって声を上げるのが大事かっていうと、さっちゃんも言ってたけど、今、私たちが投票に行けてるのは、過去に戦ってくれた人たちがいたおかげなんだよね。長い時間をかけてでも、一つ一つは小さな声でも、声を上げ続けることで、社会は変わっていくはず!

クオータ制にうちらは賛成!
政治や経営の決定権がある場に女性がグイグイ入って変化を起こす時。

ミラ 今こそ、クオータ制を導入して意思決定の場に女性をもっと入れてほしい。これは切実に思ってます。世界の約120の国と地域がクオータ制を導入しているし、先進国では当たり前の措置。韓国も初の女性大統領が誕生してたよね!

サチ とりあえずクオータ制はやってみてほしい! だって、これまでやったことがないのに、想像だけで「能力に不平等が生まれる」と言って今の状態が続くより、とりあえず挑戦してみようよって思う。

政治や経済は、今が男性に偏り過ぎていておかしいんだから、それを是正していこうってだけだよね。女性を公平なスタートラインに立たせてほしい!

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男性が男性に注意することで
空気が変わった!

サチ 女性が男性からハラスメントに遭った時、女性から注意するよりも男性が注意する方が効果が高いって話を聞いたことがあって。そしたら、まさにそんな感じのことが起こったの。

大学時代の友達何人かで食事をした時に、赤ちゃんが産まれたばかりの夫婦もいたのね。それで、赤ちゃんにミルクをあげたり、抱っこしてる夫に対して、他の男性が「ちゃんとお世話して偉いね」って言ったの。そしたら、その夫が「いや、当たり前でしょ」ってピシャって言ったら、ちょっと場の雰囲気が変わったんだよね。「この人、カッコいいな!」って思った。

だから、この文字ぎっしり対談(笑)は、ぜひとも! 男性に読んでもらいたい記事でもあります。

ミラ うん! 男性にこそ読んでもらいたい! 違和感を覚えるジェンダー発言やハラスメントに遭遇したら、私たちも戦うから、ぜひ男性も声を上げてほしい。

「ジェンダー平等じゃない人はお断り!」恋愛対象に選ばなければそういう人は淘汰されてく。

サチ 私たちの周りは、ジェンダー平等感覚を持っている人が多い気がする。

ミラ この前、共働き家庭で、明らかに負担が多い妻に対して、夫が「何手伝ってほしい?」って聞いてるドキュメンタリーを見たんだけど……「ナニこの人」って感じだったな。

いつまで経っても自分の家庭でお客さん気分の男性ってまだ多いから、ViVi読者のみんなは、そういう人を選ぶのはやめよう(笑)!イケてない! 恋愛対象外に。ウチらが選ばないようにしていけば、そういうメンズは淘汰されていくはず。

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目上の人からの性差別発言にも
黙らないで反応する!
心に余裕のある方が、
対立を生まない伝え方を考えよう。

ミラ 性差別発言に関しては、目上の方にもクライアントにも共演者にも反応する。キツい言い方でシャットダウンするよりかは、「えぇ~!? 古いですね♡」って、ツンって刺す言い方をするかな。

サチ 私のおばあちゃんは、「いつ子ども生んでくれるの?」って聞いてくるのね。そこでキツく反応するんじゃなくて、「おばあちゃん、今は女の人も長く働く時代なんだよ。私もまだまだ働きたいから、長生きして待っててね♡」って優しく伝えてる。こちらが強い言い方をすると、そこで対立になっちゃうから、心に余裕のある方が、言い方をマイルドに変えて伝えていけばいいのかなって思う!

ミラ いかに未来を支えるウチらが、伝える力を培うかだね。それは私も課題。みんなで頑張ろう!

【Mila】Tシャツ¥8800/BAPE STORE® 原宿(ア ベイシングエイプ®) レーストップス¥64900/アオイ(MSGM) キャミワンピ¥48400/エスアンドティ(バウム・ウンド・ヘルガーテン) シューズ¥27500/カンペールジャパン(カンペール) ピアス/スタイリスト私物 【Sachi】スカート¥33000、パンツ¥37400、サイドゴアブーツ¥70400(すべて参考価格)/GANNI ピアス¥12100/Bijou R.I その他/スタイリスト私物 ●商品情報はViVi2023年7月号のものです。

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フェミニズムは、一歩ずつの草の根運動。
まずは自分が知識を得て、
共感したら周りの3人に話して、
またそれぞれが3人へ繋げていくみたいな感じ。
半径3mの身近な世界から
ジェンダー平等が広まっていけばいいよね♡

ミラ Z世代って、社会で今どんなことが起きてるか、結構知ってる気がする。だけど、それに対してどうしたらいいかわかんないし、投票に行っても高齢化による人口のピラミッドがあるから、どうせ変わらないって諦めてる。でもある日、自分ごとで何かが起こった瞬間「なんか変!」って思うんだよね。だから、フェミニズムの話も人によって心に刺さる時期が違う。

Profile
長谷川ミラ
社会問題についての“自分の意見”を発信する、Z世代のオピニオンリーダー。さまざまなメディアやSNSで発信を続ける姿勢が評価され、2023年の国際女性デーでは、『HAPPY WOMAN AWARD 2023 for SDGs』個人部門で受賞。

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Photo:Tami Kanamori Styling:Kana Tanaka Styling Assistant:Saya Nakaoka Hair&Make-up:Miri Sawaki Models:Sachi Fujii(ViVi exclusive), Mila Hasegawa Text&Composition:Yumiko Ito Cooperation:EASE