人には聞きづらい“女子の保健室的なお悩み”について、専門家にしっかり取材をして信頼できるアドバイスをもらおう! という企画『ViVi保健室』! 今回は、クラミジアをはじめとする性感染症について。いわゆる“遊んでいる子”だけが危険!なのかと思いきや、そうでもないのが現実。まさに“明日は我が身”状態なので、しっかりと読んで対策を。
Q.どうもクラミジアが流行っているらしくて私のまわりにもひとり、ふたり……。いつも決まった彼とだけHしていれば大丈夫ですよね?
A-1:ViVi世代がもっとも注意が必要な性感染症!
A-2:初期症状はナシか、軽度なので気づかず、感染拡大の可能性大!
A-3:放置すると不妊症や腹膜炎など深刻なトラブルにも発展
A-4:ピンポン感染を防ぐためにも彼と一緒に治療を!
A-5:その他、性器ヘルペスと尖圭コンジローマにも注意!
A-1:ViVi世代がもっとも注意が必要な性感染症!
一時期よりは落ち着いたようだけど、クラミジアに感染している若い子がまだまだ多い。20代前半がもっとも感染者数が多く、とくに女の子は20代だけではなく、10代後半の感染者も多いんです。つまりViVi世代は特に注意が必要な性感染症なのです。
A-2:初期症状はナシか、軽度なので気づかず、感染拡大の可能性大!
クラミジアは細菌の一種で、感染した体液がセックス時に接触することで感染します。そのため、コンドームでの予防効果が期待できます。
クラミジアに感染するとどうなるかというと、女性の場合、初期症状が出ないケースが約8割。たとえあったとしても、“水っぽいおりものが増えたかな”という程度で、感染しても初期の段階では気づけない場合が多いのです。そのため、気づかないまま、別の人とセックスをしてうつしてしまうというのが問題になっています。
また、男性は比較的症状が出やすいですが、軽度だと気づかずにうつされてしまうという可能性も。
A-3:放置すると不妊症や腹膜炎など深刻なトラブルにも発展
クラミジアに感染すると、何もしなければ、クラミジアはすみついたまま。自然に治ることはありません。またそのまま放置していると、子宮の入り口からお腹のなかに入り、炎症を起こして不妊症の原因になったり、腹膜炎を起こしたり、中には肝臓の周囲にまで炎症を起こしてしまうことも。
A-4:ピンポン感染を防ぐためにも彼と一緒に治療を!
気づかぬうちに他人にうつし、自分自身も重症化する可能性があるため、おりものが増えるなど心あたりがあれば、ぜひすぐ受診を。彼に排尿時に痛みがある、尿道からうみが出たなど症状があるようなら、必ずカップルで受診してください。
また、性感染症の場合、たとえあなたが治っても、彼が感染していれば再びうつされてしまう(「ピンポン感染」)ので、必ずパートナーと一緒に治療をするのが基本です。恥ずかしくて彼に言い出しづらいかもしれませんが、お互いのため、勇気を出してぜひ。
女性の場合は婦人科、男性は泌尿器科で治療できるので、ホームページなどで調べてみてくださいね。
病院で、クラミジアに感染していることが判明すると抗菌薬が処方されます。今は1回の処方で基本的には治すことができますが、中には完治しないケースも。そのため、2~3週間後にもう一度検査して、治っているか確認する必要があります。
A-5:その他、性器ヘルペスと尖圭コンジローマにも注意!
性器ヘルペスも、クラミジア同様、性交渉によって感染します。こちらは、ウイルスが原因で、最初に感染したときがもっとも症状が重く、性交渉の数日後に性器とそのまわりに水ぶくれや潰瘍ができ、痛みもなかなかのもの。中には、歩けないぐらい痛いというケースも。
一度、感染するとクラミジアと違って完全に駆除できず、すみついてしまいます。普段は悪さをしませんが、疲れたときなど免疫力が下がると症状が現れやすくなります。
ただし、再発時は症状が出ても軽く、“ちょっと違和感がある”ぐらいで終わることも。
また、クラミジアもそうですが、オーラルセックスによりのどの粘膜に感染してしまったり、逆に口まわりに症状の出る口唇ヘルペスのウイルスが性器とそのまわりにうつってしまう場合も。いずれのヘルペスの場合も、抗ウイルス薬を飲むか塗ることで症状を鎮めることができます。
もうひとつ、若い女性に多い性感染症が、尖圭コンジローマ。ウイルスが原因で、いぼのようなものが性器とそのまわりにできます。自然に治る場合もありますが、他人への感染や再発、重症化のおそれもあるので治療の必要があります。
外用薬の場合は、手間がかかるので、局所麻酔をして電気メスで切除するなど外科的治療が一般的。ただしこちらも再発しやすいので注意が必要です。
先生のアドバイス
性感染症は気づかないうちにうつって、気づかないうちにうつしてしまうもの。新しい彼ができたら、ふたりで検査をしておくと安心です!

「パートナーがもし自分以外の女性とも関係を持ってたら…。」
決しておどしているわけじゃなくて、そういうコトも考えてなきゃダメよ!
illustration/Pantovisco